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弱っているなら何かにすがっていい のです


死を選びそうになるたびに
長年看病をしてくれている
母の悲しみを思って踏みとどまります

治療法がない病に長年苦しんでいます
ひたすら苦しいだけの日々

人生に不満も悔いもありませんが
ただただ苦しいのです

せめて心の平安が欲しいのです



私の尊敬する
大愚良寛和尚様

その良寛さんの言葉です

災難に逢う時節には
災難に逢うがよく候

死ぬる時節には
死ぬがよく候

これはこれ災難をのがるる妙法にて候



どういうことかと言うと

災難に逢う時には
ちゃんと災難を受けなさい

死ぬ時が来たらそれを受け入れて
ちゃんと死になさい

ということです


治療法がない病

不調だと云うことは
必ず原因があるのです

原因が解れば
現代の医学で治癒していく可能性
は充分あります


それは体の問題かもしれない

それは心の問題かもしれない


調べても調べても
解らない


原因不明な病

戦い続ける

病を克服する
治す


という
諦めない気持ち
は大切です


でも

それがうまくいかない
一向に状態が良くならない

のであれば


ここでいったん


抗うことをやめてみては
いかがでしょうか


そこに抗い続けることは
時として
かえって免疫力を奪います





般若心経というお経
を唱えてみて下さい


もし体力があるならば

般若心経を
写経なさってみて下さい


そんな迷信的なこと

やって何になるんだ


という方がおられるかもしれませんが

人間はそんなに
強い生き物ではありません


子供の頃

いろいろ努力してみたけれど
自分の力では
もうどうしようもならない
となって
お父さんやお母さんに泣きつく
という経験が誰にもあると思います


大人になったら

もう大人なんだから
そんなことはしてはいけない

なんてことがありましょうか


元気な時は努力しなさい

でも

弱った時は
何かに
すがっていいのです



般若心経というのは
インドのお釈迦様が
説いたお経ではありません

お釈迦様の教えは
とても強い教えです


自分で努力をし
問題を解決し
人生を切り開いていく

そうして
出家をし
一切のしがらみを断ち

自分を変えていく


という
非常にエネルギーの要る生き方

を説かれたのが仏陀です


その仏陀の強い教え
が時代を経るうちに
後の人達によって

「世の中はそのような強き人
ばかりではない
自分で何とか努力をしようとしているのに
身体の調子が悪い
心も病んでしまった

もうダメだとなった人が
すがる糸は
どこにも垂れていないのか」


ということが象徴されたお経です


長いあいだ床に伏せていれば
気力も体力もどん底だと思います

だからこそ


もう病と闘うことを
やめてみてはいかがでしょう


と提案したいのです

このまま調子が悪くなって
死んでいくかもしれない

だったら自殺をする必要もない

いずれ死んでいくのですから


それなら
気持ちを切り替えて

「私はちゃんと生きた」

「私は
ダメになっていく途中にあっても

この世において
自分が出来ることを成した」

胸を張って病を受け入れる
胸を張って死を受け入れる


という態度です


良寛和尚が言う

災難に逢う時にはそれを受け入れ
災難に逢い
死ぬ時にはちゃんと生き
そして死んでいく


という態度です


そして

お母さんに看病をさせて
面倒ばかりを掛ける自分

を責めていますね


もし出来るのであれば
洗濯機のスイッチをいれる
もし出来るのであれば
ゴミ出しをする
もし出来るのであれば
掃除をする
何か出来る限りのこと
をして下さい


何も出来なければ
「ありがとう」
を繰り返せばいい

感謝の念を
具体的なかたち
にしてみて下さい

お母さんは
喜ぶ顔が見たい
だけなのです

「ごめんね」
「悪いね」

弱っていく姿を
見たいわけではないのです

病気と闘い
自分と闘い

どんなタフな人でも
戦い続けたら
疲弊します

身体が回復していくためには
免疫力が必要です
原因不明の病気を解消してくれる
その大きな手掛かりは
免疫力です


病と闘い
気分は落ち込み

母に対して申し訳ない
もう死んでしまいたいと
自分を責め

そのような心を持ち続けることは
どんどん免疫力を奪っていく


全ての人は
いづれ死んでいきます

心配しなくても
全ての人が死にます

心配すべきは


自分が出来ることをやって
ちゃんと生きているか


ということなのです


どうぞ
般若心経を唱えてみて下さい

出来るのならば
般若心経を写経してみて下さい

出来るのならば
お母さんの喜ぶことを
一つでもいいから
やってみて下さい

お母さんの重荷ではない
という自分を
確認してみて下さい

私にも出来ることがある
こんな状態になった私でも
まだできることがある


確認してみて下さい


生きているものは
皆な死にます

その死を見据えたうえで
まだ生きている


私に出来ることは何か

それを全力でやり切って
死んでください

それが本望です




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