中国新小売で起こっていること(中国に来て3ヶ月の雑感)

中国の新小売と現地で向き合って3ヶ月、メモ程度にサクッと雑感を書いてみようと思います。中国よりも、メーカーや小売の立場になって、気づく・学ぶことが多かったです。



中国新小売で起こっていること

・本質的に起こっていることはモバイルペイメントが圧倒的に普及しかつインターネット大手企業2社によって占拠されたことによる、大規模な小売業界再編。
・新小売の「新」は「モバイルペイメントが圧倒的に普及しかつインターネット大手企業2社によって占拠されたこと」。これは世界的にも稀な現象。

新小売と関係なく中国で起こっていること

・3-4急都市の成長による新たな消費者層の出現
・コーヒーや生活雑貨など新たな商品カテゴリーが続々誕生
・具体的に言うと、luckincoffeeやPingduoduo、MINISOは新小売とはそこまで強い関係はない動きと思う。拡大スピードは異常だが、それは小売とは関係なく存在する中国市場の特殊性で、「新小売」とはそこまで関係ないのかなと。

新小売と関係なく感じること

・セールスフォースのようなB向けの大きなSaaS企業少ない。中国メディアでもよく話題になっている。
・SaaSのスタートアップまだまだ少ない?
・SlackやGoogleDrive使っているところ少ない?ー>SaaSのエコシステムがない?GAS×SlackのKPI bot連携とか夢の話。
・wiki全然普及していない。いろんなの触ってみたけれど、Crowiが一番。
・規制は全然ゆるく無い。むしろ規制多い。硬直的な対応多いし。中国は後から規制をかけるという+の文脈で日本のメディアで報道さている気がするが、単に官僚・政治家が仕事サボっているだけな気もする。

話戻すと、大規模な小売業界再編が起こる理由

・根本は「小売」がインターネット企業に比べて弱いから。
・小売外資の本格進出は1992年と遅めで、歴史が浅いから?
・そのためか、先進国では当たり前の概念はまだ普及していなかったり弱い。
・特にオフライン×人の領域。フィールド・マーケティングやカテゴリー・マネジメントなど。「棚並べる、POPきちんと貼る」が日本と比べると伸びる余地がすごい。いくらデジタル化してもEC化率は30-40%。残りの購買活動を決定するのは、「店舗内」。
・やっぱり外資インターネット企業への規制強すぎる。今の環境を形成したのに決定的すぎたのではないか。

もう少し具体的に小売で中国と日本の違いや起こっていること

・カタリナなどメーカーと消費者を直接繋ぐサービスは少ない。
・CCC、ニールセン、インテージなど業界をまたいだPOS分析サービス少なかったり。
・ID-POS分析などデータを使った商品開発はまだまだこれから。
・ポイント発行による顧客の囲い込みは当たり前になった。やっていないところがないくらい。
・袖を通す文化がまだそれなりにあるとすると、企業間のデジタル化は難しそうで、これ以上のインターネットの発展機会は少ないのかも。

というのを踏まえて、中国で生まれそうな事業や今後について思うこと

・ネットでの商売が発達したことで、リアル店舗で生まれた経営手法がネットでも展開されるのでは?カテゴリーマネジメントとかネット向けに独自の概念生まれるかも。
・KOLって卸とほぼ同義と感じてる。KOLのマネジメント会社=総合代理店が卸をマネジメントするのとほぼ一緒の感覚では?ここは中国っぽい商流として新興国にそのまま輸出されそう。
・リアル店舗周りの経営手法は発達する/させるしかないが、まだ人件費は安いし、「人」への投資は時間かかりそう。
・QRコードに変わるコスパ良いIoTが発明されると、また中国でイノベーション起きると感じている。画像認識カメラが筆頭だと思うが、Alipayが3.4万円で顔認証決済を19年の4月に出してきた。これは安いと思った。
・購買活動の中心であるPOSはすべてデジタル化できたけれど、その前は全然デジタル化できていない。これをデジタル化する事業領域がチャンスとしては一番大きいかなと思うてる。逆に小売はこれをやりきれるところが生き残りそう。

・今まで効率悪かったことを良くするのがソフトウェアで、その効率よくするスピードを加速させるのがAIとすると(誰かが似たようなことを呟いてた気がするが見つからない)、これだけ人が多い中国だと人雇ったほうが早いよという状況生まれて、AI導入遅れるという方向に動く可能性も無くはない。日本は人が少ないので、こういうインセンティブをうまく活用すると良いのでは。
・QRコードが普及したせいで、接客スキルは上がりにくくなるインセンティブが起きてしまっている。「接客悪いと思うなら、QRコードスキャンして注文してくれよ」っていう価値観になってしまってると感じる。良い悪いではないが。最近この国はインターネットの発達で本当に豊かになったのか?と感じる。
・AlibabaとTencentはまだ食品加工のノウハウがない。この数年で小売の覇権を争いながら、小売に流通させる「モノ」を巡っての動きが、この3年ぐらいで出てくるのでは?
・まずPBが急速に進む。次にAlibabaとかによる食品会社の買収とかも起こりうるのか。
・AlibabaとTencentは消費者データを大量に持っているが、それを既存メーカーや小売に活用してもらうのはそれなりに苦労する。Alibabaはしびれを切らしてからか小売を買収しているのかもしれないが、IBMやSAPを買収して、営業力をつける動きもあるのかもしれない。

最近の自分の興味をまとめると

・購買前のデジタル化はどこまでがコスパにできるか。「モノ」以外の消費活動(サービス)におけるデジタル化の可能性とそのツール。
・QRコードに変わるIoTのツールや技術
・購買活動前における「個人」の捕捉ツールと普及タイミング
・データを使った小売、メーカーの商品開発。業界をまたいだデータ収集の可能性。
・データを使った流通政策。販売員などフィールド・マーケティング領域におけるをテクノロジーを使った進化。
・共産党一党独裁の国で、「信用」(貨幣)の革命がどう起こるか


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家田昇悟

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