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猫背のメリット

子どもの時から姿勢が悪い。
いつも親から「背筋を伸ばせ」と言われていた気がするが、なぜか大人になった今も姿勢が悪い。なんとなく思うのは、母以外の全員が猫背だったので、よく目に入るそのフォルムが自分の姿勢のベースになったのではと思っている。「背筋を伸ばせ」と口酸っぱく言っていた父も、兄2人も、私もみんな姿勢が悪いままだ。

姿勢が悪いことのデメリットは多い。
肩こり、頭痛、下腹のたるみ、覇気のないイメージ。
それなりの年齢になった今、体のあちこちが痛むほとんどの原因は姿勢のせいだと思っている。

そこまで分かっているなら早く治せよってな。

しかし!
私は姿勢が悪い人間が好きだ。
「デメリットが多い」という表現に「デメリットしかないだろう」と思ったかもしれないが、姿勢の悪さには私にしか分からないメリットがある。

私はロッカーが好きだ。
革ジャンにスキニー、細身のスーツに黒いシャツ、痩せた体に楽器を背負い、タバコを咥えた口元には無精髭、ぼそぼそ話す顔は黒髪で隠れて室内なのにサングラス。
そこに姿勢の悪さは必須なのである。
姿勢の良いロッカーなんてロッカーじゃない(個人の感想)。
とにかく、私の中では姿勢が悪い方がかっこいいのだ。

兄2人の影響で、私の生涯のアーティストはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTになった。お葬式にはJENNYを流したいし、みんなモッズスーツに革ネクタイで参列してほしい。
実際、自分の結婚式ではI was walkin' & sleepin'を流した。

当然、私にミッシェルを布教した兄たちはロッカーなので猫背だ。
夫も元バンドマンのため、細身の猫背である。
まあ私の好みがロッカーなのだからそりゃあそうだ。
胸を張って堂々と歩く人を見ると眩しいし、気が合わないのではとすら思う。実際は姿勢の良い人の方がなんだかんだ善人が多いが。
でもなんかあの捻くれた感じもいいんだよな。
猫背から滲み出るややこしそうな人間性すら好きだ。

ともあれ、私の猫背はロッカーへの憧れなのだ。
よって明日も明後日も肩がこる。
でも良いんだ、かっこいいから。

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