ドイタ小説を読んだ

佐藤多佳子さんの『明るい夜に出かけて』を本屋で買った。

この小説は2013年に放送開始した「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」を軸に19歳のリスナーの暮らしが描かれている。

アルコ&ピースのラジオがこの小説に登場することは知っていた。だからこの本の存在も把握していた。以前から。だけど読みたいとは思っていなかった。それ以外の情報を知らないからというのが一番の理由だけど調べようとも思わなかった。多分アルピーは好きだけどそれ以外には関心がなかったからだと思う。

「明るい夜に出かけて」

タイトルのゴロの良さがずっと記憶に残っていた。最近はよく書店で見かけるなあと思っていたが、今日は勢いで買ってしまった。

当方19歳の女子大生である。久々に同世代が主人公の小説を読んだ。甘酸っぱかった。楽しそうだった。キラキラしていた。そして痛かった。

小説の世界の痛々しさに私も赤面しそうになりながら読んだ。すごいスピードでページをめくった。そして一日であっという間に読んでしまった。だけどラジオの実際の放送回が出てくるとじっくり読み入ってしまった。あったあった、そんな展開だったなあと思いながら。

痛いと思った彼らの日常。ラジオに構成された一部は私も経験している。これは事実だ。これは明らか。

私も痛いのだ。それを自覚させられた。主人公は人との関わりを通して、リアルな社会で自分を表現することによって成長した。私が成長するならこの痛さを認めなきゃいけないんだなと感じた。だから今、深夜テンションも相まって自分ではドイタだと思う文章を書いている。

うすうす気づいてはいた自分の痛さ。これに直面した小説だった。19歳、読めてよかったな。夏だし。

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