私は気がついたら右と左がよくわからない子だった。

わかる時もあればわからない時もある。
タクシーで咄嗟に曲がる方向を聞かれて
逆の方向に行かれたことは少なくない。

これを左右盲というらしく
結構な割合でいるみたい。

完全にわからないのではなくて
誰側から見たやつ？とか
特に自分と同じ方向を向いてない人の
右とか左とかがよくわからない。

そのくせ
ゴルフのスライスとフックは間違えない。

これは日常生活で意外と不便で
一番最初の壁は自動車学校だった。

教習中に「はい右に行って〜」といわれて
逆の方向に行ったり
一か八かでエイっと進んだらあってたりとか。

検定の時はそうも行かないので
両手親指のところに右、左と書いて
試験に臨んだりもした。

大人になるまで
私と同じ悩みを抱えている人には
遭遇しなかったので
私は欠陥があるように思っていたのだけど
（実際周りからもなぜわからないのかと不思議がられた）

意外と多いんだなということに
びっくりもした。

そんな私だけど
この春からバイクの免許をとりに行くことにした。
入学の手続きはもう済ませたので
あとは入校式と17時間の技能の教習を終わらせれば
晴れてバイク乗りになれる。

が、私はそうだ。左右盲だった。
検定の時に右左がわからないと
たぶん教官に○をもらえない。

バイクはしかもグローブをつけるのが
必須らしいので18歳の時のように
手に書くこともできない。

そしたら夫から良き提案があった。

マスキングテープえらい。
これで私はひとつ心配が消えた。