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知ったかぶりの深層心理

あーはいはい、それね。
知ってる知ってる。
あ〜それは…
うんうん、はいはい・・



知ったかぶり。
つまり本当は知らないのに知ってるふりをすること。

一般的に知ったかぶりをする理由として

1:無知な人間だと思われたくない
2:相手と同等の立場か、上の立場にいたい
3:自分に自信がない

のようなことがいわれている。


だから「知ったかぶり」をするやつは
めんどくさい
知ったかぶりはうざい
となってしまうのだろう。



ここで思考を止まると
めんどくさい、うざいと
ただ知ったかぶりをした人を
一方方向に責めることにしかならない。


私はなぜさまざまな
コミュニケーションスタイルがある中で
「知ったかぶり」を選ばざるを得なかったのか?
というその人の背景について
もっと理解したいと思った。


それなのに、

現に知ったかぶりについて
ちょっと調べて出てきたメディアの記事の中には
すでにこんなことを書いている記事もあり
結構有名な雑誌なのに
こんな偏った発信するんだ。とちょっと驚いた。


知ったかぶりの人とは、

1:目立ちたがりや
2:わざと専門用語や、難しい言葉を使う
3:寂しがり屋、かまってちゃん

だから

1:複数人で会話をする
2:相手の話に質問する
3:大事な話でなければ聞き流す

このようにして対処しましょう。
としか書かれていない。


単に「邪魔者」「目の上のたんこぶ」「うざいやつ」
「めんどくさいやつ」という認識のもと
いなす方法しか書かれてなくて
という根本のところを理解しようとする姿勢はない。


邪魔だから避ける、
めんどくさいから離れる。


これは一種の解決法だけど
平和にもならないし
優しい社会とは程遠い気がする。


なぜ私がこんなに「知ったかぶり」を
掘り下げようとするのかというと
実は私も幼き頃「知ったかぶり」だったからだ。


当時はそういう自分が説明できなかったし
なぜそんな態度をしてしまうのかも
全くわからなかった。

ただ、ある種強迫観念のようなもので
知らない自分でいられない。
そう自分を追い込んでいたように思う。


今随分と大人になって
知ったかぶりをする必要がなくなり
当時の自分を思い返して理解してみると
色々と解けてきた。

冒頭に書いた、知ったかぶりの原因は
もちろんこれなのだが

1:無知な人間だと思われたくない
2:相手と同等の立場か、上の立場にいたい
3:自分に自信がない


なぜ無知だと思われたくないのか?
なぜ上の立場でいたいのか?
なぜ自信がないのか?

の方がすごく大事だと思う。


幼少期の家庭環境や
所属していた組織なんかの
ルールがかなり影響をしていたと思うが


「知らない」と安心して言えなかったし
「知らない」ことが自分の立場を脅かしたし
「知らない」ことで自分の存在価値を低くしている
そんな環境にいたからかもしれない。


えー!!そんなことも知らないの???
からかわれたり
知らないということで
「バカだな」と目上の人から存在価値を否定されたり
知らないならいいや。と役立たずの烙印をおされて
自分のいる意味を見失ってしまったり。


もちろん子供が解釈することだから
極端なものではあるが
そのままの解釈を持ち続けた結果
大人になってもそれをし続けている
ということになる。


私は幸い成長の途中でいい大人に出会ったので

「知らないから成長ができるんだよ」
「訊くことは素晴らしいことだ」
「知らないことの方が世の中には多い」
「知らないはちっとも恥ずかしいことじゃない」
「知っていることで相手より優位に立とうとする人ほど愚かな行為だ」
「知っていることを共有できることの喜び」
「知らないことを知っていることの方が素晴らしい」
「わからないと言えることは強み」

こんなことをたくさん教えてもらったため
「知ったかぶり」をする必要がなくなり
知らないことを知らないと言えるようになったと思う。



知ったかぶりをする人は
知らないことが何かしらの恐怖と繋がっていて
無意識にそれを選択せざるを得ないだけなのだ。


もしそうしてしまう人がいたとしたら
知ったかぶりをしなければならないほど
ここは安全区域ではないのだなと
周りが気づいてあげなければならないと思う。

ある種強迫観念のようなもので
本人は気づいていないのだから。


そういう積もり積もったものが
何かのタイミングで爆発して
対人関係の不具合を起こしてしまうように私は思う。


本人に「知らなくてもいいんだよ!」ではなく
私はそういう時には
自らが「知らない」を積極的にいう。


「えー知らないから教えて!」
「わからないから知りたい!」


大人になって社会の中で
こういう人を邪険にする人はそうそういない。

知らない人には教えようとしてくれるし
わからないと言ってる人には
丁寧に接してくれる。
(もちろん時と場合にもよるけど)


もし知ったかぶりをしている人がいたら
そっと手を差し伸べて
知らなくても大丈夫だよ!を
少しづつ教えてあげれば良いと思う。


大抵は何かしら
心に傷がついているのが原因なのだから。


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