夜こい
夜と書いて「よさ」と読む記述を見つけた。
山賊の火を囲む処にフンドシもせずノコノコやってくる男というのは、その図体といい相貌といい、眼に浮かぶようで面白い。状況が少し違えば、鈴ヶ森である。
閑話休題。夜と書いて「よさ」という。それで思い当たったのが、「よさこい」である。よさこい節は夜よ来いと唄うのだったっけ。「よさこい」のことを調べると、そうではない。夜に来いというのだそうだ。
「夜さり」は夜分、夜という意味を持つ古語で、こういう言い方は今には伝わっていないが、夜さりこい→よさこいとなって、その名残を留めている。
語源を調べても、夜よ来いなのか、夜に来いなのかわからずじまいだ。助詞は判然としない。
夜よ来いと唄って欲しい。紀州の「夜」が土佐にもありうる気がするのだ。同じく山と海とに遮られた零落の地であるからして。
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