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nurseマティ あれから20年【後編】

現在nurse21歳のマティ。
nurse8歳から透析に携わり、現在に至る。
透析看護師は、10年経験してようやく一人前と認められると教わった。
10年以上経った今、果たして一人前になれているだろうか。驕りがあったりしないだろうか。

あの時は考えられなかったが、今では透析に携わっている事を誇りに思うし、残りの看護師人生は、全て透析に費やしたいと思っている。


後編では、都会の大病院から田舎の小規模病院に、勤務場所を変更してから現在までを振り返ってみようと思う。
配属先は引き続き血液浄化センター(透析)。


新勤務先は驚きがいっぱい

先生も看護師もそれ以外の働く全てのスタッフが、すれ違いざまに「お疲れ様です」「おはようございます」と挨拶してくれる
認定看護師がわんさかいる
(特定の看護分野において熟達した高度な知識・看護技術を持っている看護師として、日本看護協会の認定を受けた方)
ナースマンが多い
名字が同じスタッフは、大抵夫婦
親子で働くナースが多い(師長とその娘、息子のパターンが多い)
看護局長(ナースで一番偉い人)の方針で、金髪だろうがピアスをつけていようが、質の良い看護を提供できれば問題ないということで、見た目が都会の病院より華やか
患者層が穏やか
毎週水曜日に朝会というものがホールであり、病院の基本理念を全員で読み上げたり、様々なテーマがあって、医師や看護師が順番にスピーチをするという、私にとって地獄の水曜の朝
コウイウノニガテデス


忘れられない先生との再会

前勤務先で循環器外来にいた時、つぼやん先生という菅直人元総理にそっくりな先生がいた。
温厚で、淡々と外来診療を進めていく。
時代はまだ紙カルテと電子カルテを併用していたとても大変な時だった。
ある日私はつぼやん先生の紙カルテに、時々TWと書いてある事に気付いた。電子カルテにはかいてない。なんだこれは?

マティ「先生、TWて何ですか?」
つぼやん「イドルイ患者メモ」

温厚な先生の毒付いた一面を知るも、それから私はつぼやん外来の日に、TWを発見する事と、その患者さんを拝見することがとても楽しみになった。
しばらくして世間でKYが流行り、その先駆けを作ったのはつぼやん先生という事を私だけが知っている。
そんなつぼやん先生が、代務医師として外来に来ている事を知り、無事に再会を果たせたのだった。


患者さんの忘れられない投書

病院には大抵、患者さんから病院側へ意見をするための投書箱というのが設置されている。
そこには感謝の言葉からクレームまで幅広いご意見をいただくのであるが、スタッフも周知するようにという意味で、印刷された物が配布される。ある時、衝撃的な投書があった。

看護師さんが、頭にパンティをつけていた。
どういう事ですか。

…?こちらの方が、どういうことですか?
なのだが、皆んなで議論した結果、シュシュだろうという事になった。
髪を結んだ時につける、アレだ。
確か御年配の方からの投書だったのだが、見方によって、シュシュはパンティに見えるらしい。
見える?
私は仕事中にはつけたことはなかったが、これを機に、私生活でもシュシュをつけられなくなってしまったのであった…。



新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年12月初旬に、中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから、わずか数カ月ほどの間にパンデミックと言われる世界的な流行となった。
2020年1月、日本でも感染者が増加し、東京オリンピックの開催が一年延期になる事も決定される。その後緊急事態宣言が全国に出され学校も休校。
変異株の出現もあり感染者数は増加の一途をたどる。
2021年からはワクチン接種が開始される。
その後も2023年1月まで、8回もの感染拡大の波を経験した。
2023年5月、感染法上、5類感染症へと移行して現在に至る。

それまでは気付かなかった、当たり前の暮らしが一瞬にして一変した。
全世界の人々の暮らし、命をも脅かした。

医療の現場でも、今まで以上の感染対策がなされるのだが、その為には医療従事者の身を護るための防護服だったり、院内感染を防ぐための多くのな器械、用具だったりが必要となった。
一時は物資の供給不足に陥り災害時用の物品を使ったりした。しかし迅速な対応がなされ大きな影響は出なかったが、守られた環境で働ける事に心から感謝したのだった。
おまけに検査や手術を受ける患者さんには、地味に拷問さを感じるハナホジ検査が必須となっている。それも、他の患者さんや医療スタッフを守るために協力をして頂いていること。
心から感謝します。
とても残念でならないのは、コロナにより命の灯火が消えようとしている家族に、満足した付き添いができず「元気なうちに、もっと何かやってあげられたことがあったんじゃないかという後悔が、未だに消えない」という言葉を聞いた事。頭から離れない。

一つ言えるのは、コロナウイルスの感染力の強さ、人によってはすぐに重症化してしまう事は、5類感染症に位置付けられたとしても変わらない。
なので、コロナの波に乗りまくっていたここ数年も今も、病院内での厳重体制は何も変わらない。
暗い不安な数年を過ごしてきた世の中が、徐々に活気付いてるのは凄く嬉しい。
ただどうか皆様には、自身に後悔する事がありませんよう、それだけを祈っている。


最後に

2020年11月。私のもとへ最愛のパートナーがやってきた。
彼がいるから色々乗り越えられる。
毎日最高な癒しを貰える。
彼にもそんな風に思ってもらえたら嬉しい。
ゴールデンレトリバー・マティンロウ。
後悔のない時間を少しでも長く一緒に過ごしたい。
そしたらもうあと20年、仕事も頑張れるかもしれない。

2023年夏、暑すぎです




最後まで読んで頂きありがとうございました。





noteでの出会いに感謝します
                 ☺︎マティ☺︎

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