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浮気シタガワのブルー

ほんの小さな出来心から、この夏私は浮気した。
最初は月2回。その後は月1回というペースになった。4ヶ月程経った頃だろうか。次は年末くらいでと告げられた。会いに行っても何の変わり映えのないそれ。年末を最後にお別れをしようとその時決めた。

それからは今までの日常を平穏に過ごしていたのだが、ちょっとした事をきっかけに、本命の方に会う事になった。やはり私は、どんなにいい環境で過ごしている若者より、全てを知り尽くしたベテランに、今は縋りたいと確信した。だって本命は、見ただけ、触っただけでわかってくれるから。

若者を否定しているわけではない。若者は、これからもっと多くの経験を積めば、ベテランになれる。ただ、その過程に一緒に付き合っていられる時間と心の余裕がないだけ。私はできるだけ的確で無駄がなく、負担がかからない判断を望む。

浮気をして学ぶ事は大いにある。
浮気相手か本命か、どちらを選ぶかは自分次第。
でもまず選ぶとか、そういう事を言っている自分が愚かだと思う。何様のつもりなんだ、自分。という心の声が再び出てくる。
そんな中つい最近、
「好きか嫌いかで別れるような間柄じゃない。絆があるから」
というような言葉を聞いた。
私はそういう関係を築けているだろうか。
そしてこの言葉を放ったのは、坂上忍の妻となる人だった。


何があったかというと


マティンロウのお腹に黒いデキモノがあるのに気付いた。心から信頼しているかかりつけ医がいるのだが、最先端の医療機器がそろい、県内でも有名な動物病院が車で40分程の所にあり、そちらに行って診断してもらおうと思った。
担当は若い獣医師で、ゴールデンレトリバーは皮膚癌になりやすい犬種だからと言い生検して組織を調べた。
デキモノに針をチクッと刺すからマティンロウは痛そうだった。それを次の診察の時にもした。
結果は2回とも悪いモノではなかった。
経過観察をしていきたいという事で、月一回の診察に通うのだが、デキモノは小さくもならなければ大きくもならない。だから、次は3ヶ月後でいいと言われた。

最近耳を痒がるマティンロウ。イヤークリーナーが苦手で自宅では予防ができないため、時々病院でやってもらう。
日曜日、いつものかかりつけ医に行ったのだが、浮気したことがバレないよう「ここに黒いデキモノがあるんですけどー」とお腹を診てもらった。
私は先生のひと言に、言葉を失った。
先生のひと言は、私の耳にこだました。

「乳首だよ」

「乳首だよ」


「乳首だよ」


 …


そりゃあ大きくもならなければ小さくもならないし、生検しても何も出ないよ…

マティンロウは乳首に針刺されちゃったのだ。しかも2回も。はぁああぁぁ痛い、かわいそう。ごめんなさい。


これは決して誤診を責めているのではなく、浮気した私が悪いって話。
今後は絶対、かかりつけ医にしか行かないと固く誓う。


「乳首だよ」診断前のマティンロウ





noteでの出会いに感謝します
                 ☺︎マティ☺︎

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