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いぬのおまわりさん

 11/24、にじさんじより3人の新人がデビューした。その後初めての同期コラボで「みたらし団」とユニット名を決定した3人のうち、栞葉るりさんというライバーさんが非常に気になっている。

 デビュー配信でとりわけ話題になったのが、彼女の文学あるいは百合に対する愛の深さだ。逆さ吊りになって登場し、視聴者との恐怖体験の共有で吊り橋効果を演出してから(できてない)、熱心に語られたのは古典が好き、という話だ。枕草子は最古の百合文学、というキャッチーな謳い文句も、きちんとその手の研究に興味を持って色々調べているんだろうなという語り口も、既に完成している配信者のそれでありつつ、それをはじめましてでやってのけるのだから感心したものだった。
 にじさんじにおいての初配信はどれだけ分かりやすくキャラを提示できるかが一番重視される、と私は思う。常人とズレている部分を見せたり、自分が得意とするところをアピールしたり、出来るだけ印象に残るようにストレートに自分を示す。彼女の場合は自身の身分を「犬のおまわりさん」という誰もが聞き馴染みのある言葉で伝え、手に持つ拡声器から発されるという「秩序維持ビーム」の存在、そして先述した古典や百合と言った趣味をもって個性をアピールしてくれた。何年たっても初動が大切というのは言われていることで、そういう点において彼女の初配信は私にとって非常に興味の惹かれる、とても素敵な配信だったということだ。

 デビューから既に2週間以上経過しており、その間私はいくつか彼女の配信を拝見した。ドキドキ文芸部プラスで話している文芸部あるあるはマジです。文芸部に所属していたものとして親近感を覚えずにはいられなかった。個人的にはStrayの配信が好きだ。視野角3、と察しの悪さを揶揄いながら盛り上がるコメント欄も初々しく感じて新人の配信らしいなと思う。私にとってはゲームの上手さは実況を見るうえであまり気にならない方なので、彼女の見当違いの推理を笑いながら見るのは普通に楽しい時間だったりもする。間違う中にも彼女がどうしてそう考えたのかが垣間見えて退屈しないでいられる。迷子の猫をおうちに帰すという犬のおまわりさんの責務を全うしようと奮闘しつつ、彼女の言葉でストーリーや登場人物への感想が述べられるのを聞くと、見た目や声色の印象の理性的な雰囲気とは一転して感情的、直感的な一面が大きく見受けられる。

 つい先日チャンネルが収益化し、記念歌枠が行われた。彼女の大好きな作品に関連した曲とインターネットらしい曲を中心に選ばれており、まだ語られていない彼女の趣味も大きく反映されていたように思う。
 なにより透明感とあどけなさのある彼女の声は聴いていて飽きない。声が素敵な配信者が幾らでもいる中で引けを取らない、と勝手に感じている。プロセカに実装されている「ロウワー」を歌った際のクールでシリアスな雰囲気もよく似合っており、歌唱についても今後の活動でいろいろな顔が見られるのではないかと期待を抱いている。

 長ったらしく書いたがものの見事に彼女に惹かれている、という話です。可愛くて博識でお喋り上手な犬のおまわりさん。彼女の今後に期待しています!

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