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4コマの制作過程とマストアイテム

私はnoteで4コマを連載しています。

最初に4コマを載せたは2014年6月。

noteを始めたのと同時期に、「あまがみ犬とぼく」というLINEスタンプを販売しました。スタンプのキャラクターをもとに物語をあれこれ妄想して描いたのが、この4コマです。

イラストを描くのは好きだけど、漫画を描いた経験はありません。この4コマが、私が人生で初めて描いた漫画です。
(久々に見ると、荒さが目立って恥ずかしいですね…。)

当時、noteのマガジンには100記事までしか追加できませんでした。そこで
「100話まで描いてみよう!」と思い、連載を決意しました。

まさか、人生で4コマを連載するなんて微塵も思っていなくて、我ながら驚いたのを覚えています。


途中、仕事や体調不良で休載しながらも、2015年8月30日に100話で完結。

初めての4コマ連載で、構成も編集も作画もぜーーんぶ私…。
「やりきった〜〜!」と安堵しつつ、「他の話も描いてみたいなあ」とも思いました。


連載終了から約半年後の、2016年3月。第2弾の4コマ「あまがみ犬と妹とぼく」の連載をスタートしました。現在も連載中です。

連載を始めて4年半。気がつけば、第225話をこえました。

300話以上4コマを描いてきましたが、これまで制作過程を明かしたことがありません。

いい機会だと捉えて、使っているマストアイテムを紹介しながら、制作過程をまとめました。

プロット

現在連載中の4コマ「あまがみ犬とぼくと妹」は素人が思いついたストーリーだし、拙い絵ですが…実は、伏線を張りながら描いています。最初の4コマよりも凝ったストーリーなんです。

その場の思いつきで毎回描いてしまうと、「あ!あの伏線を回収しないまま話進めちゃった…」になりかねません。

そこで、『プロット』と呼ばれるアイデア出しを行なっています。プロットは設計図のようなもので、物語の全体像を把握するのに便利です。

プロットで使っているのは無印良品の無地ノート

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まだ連載中なので中身を見せられませんが、
・いつ何が起きるか?
・いつ誰がどうなるか?
を主に書いています。無地なので、文章もイラストも自由に残せます!


最初に連載した4コマよりも登場人物が多く、整理しないとどの人物がいつ出てきたのか把握しきれません。プロットがあれば、すぐに分かります。便利〜。

ノートには登場人物や神様(あまがみ犬は神様です)の設定、部屋の内装、最終回のアイデアなども書き込んでいます。


ネーム

プロットを参考にして、ネームを描きます。ネームとは漫画の下書き。

ストーリーはもちろん、
・どのぐらいの大きさで人物を描くか?
・どんな配置で人物や背景を描くか?
・どんな会話にするか?
・吹き出しはどこに置くか?
などなど、ネームはいろんなことを決める大事な作業です。

ネームは無印良品の『週刊誌4コマノート・ミニ』に描き溜めています。無印にはお世話になりっぱなしです…。ありがとう無印…。

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4年半近く使っているので、ボロボロ…。めっちゃ使い込んでいます。
表紙のとおりコマで分けられているので、とにかく便利!重宝しています。

ちなみに新品と比べるとこんな感じ。(念のためにストックしています。)

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どちらが新品か、一目瞭然です…よね?


私はネームを一気に描きます。思いついたら、ダダダーッと描けます。
物語が一区切りつくところまで描いたら、一旦終わり。だいたい4〜8話ぐらい。週1回連載なので、1〜2ヶ月分のネームを一気に描いています。

しかし、なかなか思いつかない日もあります。特に今描いているのは、わりと肝の部分。伏線を考えながら、いろんな人物を登場させ、しかも4コマでまとめるのは結構大変です…。

でも、ふとしたときに「あ!」と急に思いついて、これまで何とか連載が続いています。

思いつくときって不思議な感覚です。急に点と点がつながって、「うわー!こうすれば話がスムーズに進むーー!」と気づき、すらすらとネームが進みます。自分で描いているはずなのに、自分が描いた漫画じゃないような感覚です。


ペン入れ

ネームが決まったら、あとは描くだけ!描くだけ…とはいえ、この作業がもっとも時間がかかります…。

マストアイテムを紹介しながら、描き終えるまでの流れをまとめます。制作過程や使っている文房具をお見せするのは初めてです。何かのご参考になればうれしいですー!


まずはマストアイテムの1つ、コピー用紙。A4サイズです。

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4つに折りたたみ、コピー用紙1枚につき4話描きます。

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最初に、4コマの枠線を描きます。

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枠線は描き溜めず、1話ごとに描いています。なんというか…4コマを描き始める儀式のようなものです。まず、枠線から描いて気持ちを高めています。


無印の4コマノートに描いたネームを見ながら、下書きを描きます。
おそらく、ネームは本邦初公開!第225話のネームです。

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「私だけが読めればいいや」と思っているので、読めない文字があるかもしれません。


完成した下書きがこちら。シャーペンで描きます。

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ネームと下書きで、4コマ目のセリフが変わっています。長いと感じたので削りました。場合によっては、イラストを大幅に変えることもあります。


続いて、下書きの上からペンでなぞります。使っているのはコピックマルチライナー。色はブラック、線幅は1mmです。

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前回の4コマ、今回の4コマといろいろ試行錯誤し、これまで何度かペンを変えました。ようやく落ち着いたのが、このミリペンです。細くて、コピー用紙に描きやすい。


色塗りは主にコピックを使っています。使用するのはこの4色のみ。

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左からC2、C3、C5、CM10。


そして、えんぴつ。東急ハンズで悩みに悩んだ末、選びました。WOPEXの2B

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買った理由は持ち手。ゴム(?)の手触りが柔らかくて、滑りにくいです。えんぴつにしては重く感じます。書きやすい。キャップは最初からついていました。

購入時期を忘れてしまいましたが、4年は使っています。ぜんっっっぜん芯が減らないんです!


それから、たまに使うのが筆ペン筆まかせ。髪の毛や着物の柄など、黒く塗る箇所が多いときに使います。

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マストアイテムを使って完成した4コマがこちら!

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マストアイテムを使った箇所をまとめると、以下のとおり。

・1コマ目の文字…筆ペン
・着物、壁、桶の色…コピック
・あまがみ犬の色、影…えんぴつ
・上記以外…ミリペン

ネームと比べてみました。

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1コマ目では右手、2コマ目では桶を追加しています。描くうちにいろいろと変わるのは、毎度のことです…。

ちなみに、着物の柄と木目は下書きでは描きません。基本的には本番時に描きます。


下書きから描き終えるまで、だいたい3時間。早いときは2時間ぐらいです。時間がかかる絵があれば6〜7時間ほど。

ペン入れが1番しんどいです…。修正液を極力使いたくないので、かなり神経を使います。


掲載

描き終わった4コマはiPhoneで撮影し、フィルターを変えてから載せます。

左が加工前、右が加工後。

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この情報は初公開だと思います。実は、加工してるんですよ…。


プロット、ネーム、そして紙に描き、掲載。
4コマを読むのは一瞬ですが、完成するまでこうして時間も手間もかかっています。

大変で面倒な作業も多いけれど、「最終回まで描き切りたい」の一心でなんとか毎週続いています。とにかく、頭の中にある物語を出し切りたいんです!

そして、読んでくださる皆様のお陰です。スキがどんなに心強いか…。


お金をかけなくても創作の幅は広げられる

私が最初に描いた4コマ「あまがみ犬とぼく」で使っていたマストアイテムは、ほぼ自宅にあったものです。

現在連載中の4コマのマストアイテムに、特別高いものはありません。コピー用紙は500枚500円ほどなので、1枚1円。もうアレです。実質タダです。
文房具は100〜400円。高いのはコピックで、1本300〜400円。

コピックを使わず、4コマにかかる費用を安く済ませるという手もあります。


今はスマホで絵を描ける時代です。アプリでイラストに色を塗れます。
また、100円均一のお店にもスケッチブックや書道用具が売っています。

他にも、noteでは小説や詩を書けるし、Unityではゲームやアニメを作れる。しかも無料で使ってもOK!

アイデアさえあれば、あまりお金をかけなくても創作を始められる。本当にいい時代だなあと思います。


何の知識も経験もなく4コマを描き続け、約6年ほど経ちました。
決して絵が上手ではないけど、お金にはつながらないけど、それでも、楽しいです。楽しい!

これまで、読んでくださった方がスキをクリックしたり、コメントされたりと、嬉しいことがたくさんありました。こんな拙い漫画に…といつも恐縮しています。そして「描いてよかった〜」と思います。

ほんとにほんとに、ありがたい限りです。


中には「どうせ私のイラスト下手だし…」「無名の人が描いた漫画なんて読まないよね…」と思い、創作を始められない人もいるかもしれません。

だけど、続けるとイラストは少しずつ上達するし、読者はいつか0から1人に増えます。私がそうでした。

イラストや漫画に限らず、写真もゲームも小説も音楽も同じだと思います。


お金をあまりかけなくても、創作の幅を広げられる時代です。気楽にゆるっと創作を始められます。

今は下手でも、休みながらでも、継続すれば大丈夫。きっと上手になるし、きっと誰かが見てくれます!


マストアイテムを相棒に、これからも4コマを描き続けます。
まだ創作を始めていない方も、マストアイテムが見つかることを祈って。


サポートしてくださった分は、4コマに必要な文房具(ペン・コピック等)やコーヒー代に使います。何より、noteを続けるモチベーションが急激に上がります。