2人居る

「みんな、お早う!はい、席に着いて。では、出欠を取りますね。青井さ〜ん」
「はい」「はい」
「青井さん、返事は一回でいいですよ」
「はい」「はい」
「だから、返事は一回で!」
「はい」「はい」
「青井さん。先生怒りますよ」
「先生、青井さんが2人居ま〜す」
「あら?」
「一人は、ポン太君だと思いま〜す」
「はてさて、どっちが青井さんで、ポン太君なのかしら?……こっちがポン太君かな?」
「違います」
「じゃあ、こちらがポン太君かな?」
「違うポン!あっ、しまったポコ!」
正体がバレたポン太君は、かわいい子狸に戻ると、逃げるように裏山へ帰って行きました。
「では、続けますね。えーと、上野さ〜ん」
「はい」「はい」「はい」「はい」「はい

「先生。上野さんが5人も居ま〜す。きっと、たぬ吉君、ポン子ちゃん、ポコ蔵さん、タヌ婆ちゃんだと思いま〜す」
「ハァ…」
先生は、ため息をつきました。