私が感じるこの世界は本物なんだろうか
北緯4度ちょっと、東経73度ちょっと、日本から7000km超、そのあたりを漂っていた。文字通り洋上を漂っていた。なぜなら、島へ向かう船がエンストしたからである。暗闇にディベヒ語が飛び交っている。自分ではどうしようもないし、状況が分からな過ぎてぼんやりしていた。空気は生ぬるくて潮くさい。
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「つめてーのな」
いつもと同じ何の非もない対応をしたはずだったけど、私が仕切ったミーティングで、相手方の部署のタニさんはそう言い切った。私が属しているのは総務的な統括部門で、タニさん