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オルタナティブ

近況と決意みたいなものを。

夏からこっち、ずっと公募に出す脚本を書いていました。
私の心は一日中、あっちの世界に行きっぱなし。登場人物がずっと、私の背後で話している日があるかと思えば、ふいに曲がり角を曲がった時に、劇中の風景が再現されてしまう日もあったほどでした。

一度、10月の頭に書き上げました。
脚本スクールでプロの方にご意見をお伺いする機会を得て、見てもらうためでした。
思えば、そこからが苦しかった。

いただいたアドバイスは鋭利な刃物みたいに私の心と作品を切り刻みました。
「あなたの作品は、何もおこらない」と言われたのです。キャッチーな設定や演出に欠けると。視聴者に「ココ!ココ見て!」という分かりやすい盛り上げ方をしないと感動してもらえないと言われたのです。
エピソードの一つ一つを見ると良いものがあっても、平板に並んでいて積み重なっていかない、感動のウエーブに繋がらない。とのことでした。

ちょうど、時を同じくして、猫野サラさんもプロの編集さんからアドバイスを貰われていました。

ほんと、共感しかないです…(泣)
サラさんは、私よりもずっとプロに近くていらっしゃってクリエイターの大先輩です。横並びするつもりは全くないのですが、

刺さりました。

私と親交のあるnoteの皆さん。
素晴らしい書き手でいらっしゃるが故に、素晴らしい読み手でもいらっしゃったのですね。
私はそれに甘えていたのだと気がつきました。
ふわっとなんとなく、伝わるだろう、と置いてきた言葉たちは、視聴者には伝わりにくいのだそうです。主題も、はっきりと大きく作中の看板に大書きしないと、伏線も沢山はって気持ちよく回収させないと「見て良かった」にならないのだと。

それが商業だと。

「ほえー」
圧倒された私は、三日ほど寝込みました。
アドバイスを体に入れるのにも、なかなか浸透せずに、苦しかった。

でも、思ったんです。
脚本って、たたき台だから、監督、プロデューサー、スポンサー、俳優さんの所属事務所などなどのご都合によりいくらでも書き直しが発生するものなんだろうなって。
じゃ、言われたアドバイス全盛りで完成してみよう!
構成から何から書き直すことになりました。
一番、心に沁みたアドバイスを胸の真ん中に置いて書き直ししました。

あなたが書いてゆくもの、それは、創作であってドキュメンタリーではないのです。大切な思い出を映像化したいのかもしれないけれど、それはストーリーの展開に本当に必要なのか否か考えて!

シナリオの先生

ざくざくと初稿を切り刻み、並べ替えて、新しいシーンも入れて、なんなら登場人物に一人死んでもらって、じゃかじゃか書き直しました。
どうにか、1時間ドラマの体をなしているものができたと思います。

10月末にどうにか応募完了しました。

ここからが、私の本音です。
ただただ気持ちよく書いてきた私でしたが、そうじゃない世界で書いていくための洗礼をうけたように思います。
ガツンと。
かなり重たい鈍器で殴られました。
この、「誰かにコントロールされる感じ」が嫌で筆を折ったり、辞めたりする人もいるんだろうなあって思いました。私も「もう、応募しなくていい」ってちょっと思いました。初稿のまま出してもいいのでは?とも。

ここが、スタートかもしれません。

私が私であることを持ち続けながら、個性を維持しながら、「売れる」やり方で表現できるのかを考えてみようと。
ただし、つぶれないように、私のインナーワールドは強く色濃ゆく補強していかなければと、思っています。私の内面にある「あの結晶たち」をより一層、給餌して肥えさせていきます。

⭐️

書いている時に、繰り返し頭のなかに出てきた単語があります。それがこの記事のタイトルにもなっている『オルタナティブ』です。

ある人のとても秀逸な説明文を読み、心に響いたのでした。以下に概略を。

オルタナティヴミュージックといえば、商業的な音楽、流行の音楽と一線を引き、時代の流れにとらわれない普遍的なものを追い求める精神を持つ音楽シーンのことである。"alternative "とは英語で「代わりの」「代用の」という意であるが、「型にはまらない」という意味もある。

Yahoo!知恵袋より


私は、「時代の流れにとらわれない普遍的なもの」の部分に赤でアンダーラインを引きました。
そう、それ!
私はオルタナティブでありたい。
改稿を進めながら、心の奥で星が瞬くのをとめられませんでした。

私は、「洗練」とは対極にあるかも知れない「泥臭さ」を愛していると思いました。涙が滲みます。もがきます。

そんな私に、noteの創作大賞の受賞者発表の記事が舞い込んできました。公募の締切まであと4日という10月27日でした。
私にとってオルタナティブといえばこの人、というくらいの代名詞的な作家さん、山羊さんが入賞なさっていました。

この湧き上がってくる喜びはなんだろう?

テニスの大会会場で、父親に「もう大丈夫だ!」って叫ばれたくらいの安堵。
私は、私であっても良いと言われた気がしたのです。オルタナティブなクリエイターをきちんと拾ってくださる場所がある、そう思いました。


末筆ですが、お礼申し上げたいことがあります。
2023創作大賞のエッセイ部門で一次通過させていただきました。読んでくださった皆さん、Xにポストしてくださった皆さん、感想やコメントをくださった皆さん、そしてnote編集部のご担当者様、ありがとうございました。

これからも、ここnoteでも書いてゆきます。
よろしくお願いします。







ハトちゃん(娘)と一緒にアイス食べます🍨 それがまた書く原動力に繋がると思います。