#15|古い洗面所にDIYで洗面カウンターをつくる! 【空き家再生】
こんにちは、365 WORKSのフジイです。
福岡・田川の空き家を賃貸物件にリノベーションするシリーズ。
以前の記事にて完成した全貌を大まかに紹介しました。
セルフビルドで制作したリノベーションの工程を、
今回からは作業内容別になるべく詳しく紹介していきます。
▼まとめの記事はこちら
今回は築古洗面所に「新しい洗面カウンターをDIY」でつくった内容をまとめました。
この記事では、デザインから素材の選別、制作過程まで
順序立てて詳細に説明しています。
DIYで洗面カウンターをつくる理由
数年空き家として放置されていた、築34年のこの物件。
一度もリフォーム、リノベーションされることなく、洗面所も建築当初のまま使われていました。
黄ばんだ洗面台に、古臭い内装。
さすがにクリーニングで綺麗にするにも限界があります。
しかも既製品の洗面台を入れ替えたとしても、デザイン・形状はもともとと大きく変わり映えしません。
それであればガラッと雰囲気を変えても、コストも抑えられるオリジナルの洗面台を作る方がいいのでリノベーションしました。
洗面所・洗面台をデザインする
今回は、
・洗面所の内装
・洗面台の制作
が、手を加える箇所。
家全体を『築古×ミッドセンチュリー』なイメージで作るので、洗面所も同じテイストにしていきます。
参考にした洗面所のイメージは、こんな感じ
床が派手目で特徴的な雰囲気ですが、
味気ない洗面所という空間になりがちところに
いいアクセントになっています。
床以外は非常にシンプルで癖のないデザインですが、
パーツの色味がシルバーで揃えていたり、木部の色味が揃っていたり
バランスの取れた空間になっています。
これ以外の空間も同じようなテイストで
こだわっているんだろなと容易に想像ができます。
この辺りをポイントにデザインしました。
1案目
洗面台と洗濯機を横並びでプランしましたが、洗濯水栓・排水の位置が変えれないことが発覚。
このプランはボツ。
↓
2案目
2案目は部屋の端から端までカウンター状に。
2人並んでも使えるような広々したカウンター。
カウンター下にはタオルや着替えを置ける棚と洗濯物カゴを置くスペースを設けました。
洗濯機はもともとの配置に戻しました。
↓
最終案
最終はこのようなプランに。
ミラーの部分は、合板1枚分(3尺)だけふかし壁をつくります。
そこに照明やコンセントの配線を仕込みます。
洗面カウンターつくりの手順
① 解体
まずは解体から。
洗面台を撤去し、クロスを剥がします。
② 洗面カウンター下地づくり
カウンターの下地を作る。
天板を乗せるベースであり、中に配管を隠す骨組みになります。
45mm角の垂木をはしご状に組み、
床、壁と固定。
③ 洗面カウンター天板をつくる
続いて天板をつくります。
以前書いたキッチンのDIYと同じように、
ラワンランバー材を使用した造作をします。
▼#12|キッチンをフルリノベ!造作キッチンつくる
洗面ボウルは“ベッセル式洗面器”という
置き型の洗面ボウルをカウンターの上に乗せます。
そのためにはカウンター天板に排水が通る穴を開けて、
ベースに乗せ固定します。
壁には照明やコンセントを
仕込むためのふかし壁をつくり、
ミラーを取り付けれるようにビスが効く下地も仕込みます。
④ 配管接続
給水・排水の配管を取り付けます。
今回、使用した洗面ボウルは、
知り合いの大工さんが
現場から引き上げてきたけど
余っていたものを譲ってもらいました。
職人さんは意外と現場で余ったり、
引き上げたりした建材を
眠らせていることが多いので、今回のように上手く利用できるとサスティナブルの観点からとても有益です。
▼制作中の映像はコチラ
⑤ 壁を塞ぐ
カウンター下と正面のふかし壁を
5mmのラワンベニヤで塞ぎます。
カウンター下は配管などの
メンテナンスができるように
開けられるようにしておきます。
⑥ 洗面所の仕上げ
洗面所の空間内は、
・壁の塗装
・床のクッションフロア貼り
を、行います。
⒈ 壁の塗装
剥がしたクロスの壁を、
パテで凹みなどを処理した上で
塗装仕上げをします。
使用した塗料は、艶消しの水性塗料の白。
⒉ 床のクッションフロア
クッションフロアは参考したイメージのものと
全く同じ品番を見つけることができ同じものを使用しました。
▼制作中の映像はこちら
⑦ 木部の塗装
カウンターやふかし壁など木部の塗装をします。
カウンターはワックス仕上げ、
ふかし壁はオイル塗装で仕上げます。
同じ塗装をしないことにも意味があります。
それは木材は同じラワンを使っていても、
個体差で微妙にが異なり
同じ塗料を使ってしまうと全然違う色味になってしまうことがあるからです。
さらにラワン材にも「赤ラワン」「白ラワン」とありので、そこも要注意です。
水回りなので、防水塗装もしっかり行います。
カウンター天板は、
特に水が跳ね染み込むと腐るので
厚めに水性のアクリル塗装を行います。
▼制作中の映像はこちら
⑧ ミラー・照明の取付
諸々のパーツを取り付けます。
・ミラー
・ブラケットライト
・コンセント
・タオルハンガー
⑨ 完成
完成です。
ラワン材を基調に黒のパール類をアクセントにした
オリジナルの洗面台が出来上がりました。
コストの面で余裕があれば、
タイルを貼ったり、
壁のラワンふかし壁を前面に施したり、
上部に棚を取り付けたりしてもいいですね。
まとめ
『築古×ミッドセンチュリー』なイメージを目指した
今回の洗面所リノベーション。
既製品・メーカーのシステム洗面台を取り入れてしまえば
簡単で安全に使うことができます。
しかしそれではよくある空間で、
よくある賃貸物件に。
ましてやリビングやキッチンと調和の取れた雰囲気にすることは難しくなります。
そこで手間をかけてでも
オリジナル洗面台を作ることで、
家全体のコンセプトに沿った空間にすることできます。
さらに造作でスペースに合わせて作れば
サイズもぴったり作れるので余分なスペースも生まれません。
その分カウンターを広々設けたり、
洗濯カゴやリネン類のスペースとして確保することもできます。
新しく棚などを用意する必要もありません。
洗面台は水道や電気類など
専門的な要素が絡むため、
少しハードルが高いかもしれません。
電気の部分に関しては、法律的に資格所有者が行ってもらってください。
その為ベースの部分までは自分で作り、
その先は職人さんにお願いするなどの流れをおすすめします。
ベースは簡単な家具や棚の取り付けができるDIY技術があれば、簡単に作れます。
造作とはいわば、
空間に合わせたオーダーメイドのものづくりです。
ありものを組み合わせる家づくりでなく、
世界に一個の洗面台を作りたいと思ったらぜひ参考にしてみてください。
日本の社会問題でもある“空き家問題”。
リノベーションの観点で“空き家問題”を解決することを目的に
空き家再生を行っています。
福岡・田川の空き家を賃貸物件にリノベーションするシリーズでは、
築古物件のDIYノウハウをメインに発信していきます。
お読みいただきありがとうございました。
よろしければ、フォローもお願いいたします。
フジイ トモキ / 365 WORKS・代表
(@365_works )
「家をつくる、日々をつくる」を コンセプトに
住宅リノベーションを デザイン・セルフビルドを行う
「365 WORKS」代表。
1990年岡山生まれ。
大阪モード学園インテリア学科卒業後、設計事務所、東京で工務店、ライフスタイルショップを経て独立。
現在は広島を拠点に住宅リノベーションのデザイン・設計・セルフビルドをしています。
福岡県田川市にて空き家をリノベし戸建賃貸物件を運営中。
proshirout(プロシロウト)というグループで「立ち飲みイベント」や「ラジオ」をDIYで企画制作をしています。
主なお仕事
・住宅のリノベーション
・家具の製作
・DIYの相談、手助け
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