とりあえず今やろうと思うこと

4月に入って専門学校に行ってみたり就活してみたり、色々と「将来何で食べて行きたいか」を手探りで考えている。
とにかく好きなことで食べていきたいなぁと今は思っていて、これについてはもちろん賛否両論ある。好きなことで食べていけるわけないじゃん、みたいな。でも、「出来るわけないから諦める」とかじゃなくて、そうしたいならそうなるように努力することに対して時間を使うのが私の人生の正解だと思うので、まずは好きなことで食べていくことが今の目標だ。
それで、好きなことは好きなことでも「生産者として(つまり仕事として)やりたい、好きなこと」と「消費者として(つまり趣味的な物として)やりたい、好きなこと」の2つがあることに最近気づいた。
前者については明確なものがないので冒頭に書いた通り模索している状況だけど、後者についてはわりとはっきり「これだ」というものがある。それが着物。

着物については密かな野望が去年くらいからある。有り体に言ってしまえば、それは着物の布教ということで、私と同年代くらいの人たちがもっと着物を着るという行為に対するハードルを下げてくれたらいいなと思っている。
こう思ったのにはいくつか理由があって、着物が好きだという気持ちを共有したい欲とか文化の保存とかがスタートだったけど、今はもう少し違うところに軸足を置いている。
私はもともと外見に対して強いコンプレックスがある。特に「太っていてみっともない」という意識が小学生くらいからずっとあった。太っているという基準をどこに置くのかとか、太っていることは真にみっともないのかとかの諸問題をすっ飛ばして「私=太っている、太っている=みっともない、私=みっともない」の三段論法を完全に内面化していたのでびっくりする。だから、鏡を見るのも自分が写っている写真を見るのも嫌い。(そもそも写真を撮られるという行為自体がまずそんなに好きじゃないけど、話が逸れるので割愛します。)それゆえに、もちろんおしゃれとかもまったく興味がないという状態が長く続いていた。
大学に入ったら何となく化粧をするようになって、制服もないから普段着に気を遣わないといけなくなったので多少はマシになったけど、それでもやらなくていいならやりたくないなくらいの気持ちだった。
でも自分で着物を着るようになった時、帯はこれにしようとか帯留めはこれがいいとか、鏡を見て「なかなかいいじゃん」とか思う瞬間が出てきた。装うことに楽しさを見出しているんだと気づいて驚いた。あんなに消極的だったはずのことにこんなにウキウキして、どうしたんだろう何故だろうという戸惑いもあった。
この楽しさの理由がうまく言語化できないまましばらく経って、数ヶ月前にやっと自分なりに答えが出せた。

「みんなが着ているけれど私には似合わないものを無理して着る土俵から降りて、自分が本当に必要な服を見つけた」というのがその答えだ。
洋服を着ることに引け目を感じていたのは身体のアウトラインが出るからだ。 自分のスタイルにはまったく自信がないのになぜ出さないといけない?とずっと思っていた。そのくせ、身体のアウトラインが出ないような直線的な服を着ると胸が大きいので着膨れする。八方塞がりではないか?とずっと思っていた。惹かれるデザインの服が自分に似合わなくて、とにかく服に振り回されている気分がストレスだった。
一方の着物はというと、まず着る前に体型を補正する。ウエストにタオルを巻いて身体を寸胴な状態に近づけてから着物を着ていくので体型は隠れる。もちろん脚も出ないので気にしなくていい。何より体型が変化してもある程度は自分のさじ加減で調整して着られる。自分は猫背だと思ってたけど自然に背筋が伸びるのも良い。
服のために私が合わせるのではなく、なりたい/ありたい私のために服を合わせるということにやっと気がついた。本来はそういう行為をおしゃれすると言うんだろうな、たぶん。私のために服を合わせてみた結果洋服の選択肢が全滅したから諦めていたけれど、洋服以外にも選択肢があるとやっと気づくことができた。着物という選択肢を得て、おしゃれの楽しさがわかった。とても気持ちが楽になって、最近は洋服を着るのにもなんとなく気持ちが前向きになっている。

ということで、話を戻すと「着物を知っていきいきする人はまだ同年代にたくさんいるのではないか?」ということなのです。別に私が感じた魅力を同じく感じてもらう必要はない。(私も、上記のこと以外に着物が好きな理由がたくさんあります。)ただ、服=洋服になってるけど着物も服の選択肢の一つとして捉えてほしいと思う。

着物を若者に着てもらおうという動きは最近活発で、私がよく行くKIMONO by NADESHIKO(http://www.kimonobynadeshiko.com)
は最近ブランドイメージの確立と若者へのアピールに対する熱意が半端ではない。観光地でのレンタル着物サービスも盛んでいい流れだなぁと思う。業界が頑張っているなぁと。

それで、じゃあ若者に着物着てもらうためにそういう企業に入って広報とか頑張りますかというと私はそうじゃないなと確信している。企業がいくら頑張っても、街に着物着て歩いている人がいないと響かないと思っていて。(どういう層をターゲットにして着物着てもらおうと思っているのかによると思うけれども)

着物を着るには多少の初期費用は覚悟しないといけないし着方も覚えなくちゃいけないという物理的なハードルと、上の世代の一部の口うるさいおばさま方(最近話題になっていた着物警察)が怖いし周りから奇異の目で見られるかもしれないという心理的なハードルがあって、後者に関しては企業のPRがどんなに上手でも乗り越えられないと思う。

私自身、身近に着物を着る友達がいて色々ヒアリングしながらやっとまとまったお金をかけて着物を始めようと勇気を出せたのがこう考えている根拠なので「ソースは俺」みたいな無責任さを伴う意見なのですが。それでも、私自身が着物にじゃんじゃか課金して素敵に着物を着て、しゃんと歩いてっていうのが周りの人に着物の存在・魅力を認知してもらうという目標への一番の近道と信じてやっていこうかなと思います。SNSにも着物を着ている若い人たちがたくさんいるけど、顔を知っている人が着てるのとはまた違う距離感かと思うので。

というわけでnoteには着物に関するアレコレを書き綴ろうと思いますよ。

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