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99Blues

佐野元春さんの音楽の中で、
一番好きな曲が99Blues。

広島という土地で暮らして、一時期、ミュージシャン達が熱く活動してくれたピースコンサートというイベントがあった。
南こうせつさんと山本コータローさんがそのイベントを仕切ってらしたんだけど、
本当に数多くのミュージシャンが演奏して、
戦争の愚かさ。そんな歌じゃなくても、
確か利益は原爆病院や寄附に使われていたように思う。本当に心が痺れる。

私はいつもいつでも平和な世界を望んでいる。
だからきっと人間の悪業の心理に、
そして自分の中のダークなカラーにも目がいくんだろうなぁ。常に注意をはらわないと、
悪しき心に流れてしまうのは恐ろしい。

そのイベントで
佐野元春さんが2曲だけ歌ってくれた。
その時にはじめて生で聴いて、
鳥肌が立ったのが、99Blues。
その頃の佐野元春さんは私には神様だから、
黄色い声。というのをはじめて出したなぁ。

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

『99Blues 』

愛してる、愛してる、愛してる
誰もがたやすく口にする
すてきなビジネスの Sexuality
街の子供達は眠れない
いつも本当に欲しいものが手に入れられない
あいかわらず今夜も口ずさむのさ
99 Blues
全ては Money
この街は Funny
いつもなやませる
大切なキャッシュカード、クレジットカード
永遠に夢は買えない
得意気な顔した
この街のリーダー
シナリオのチェックに忙しい
ユーモアもない
真実もない
フェイクしたスマイルはとても寂しい

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

夢。希望。
みんな簡単に言えるから凄い。
こんなに人間が多様性に満ちていて、
意地悪な人も沢山いて、
事件もいっぱいあって、
戦争は終わらなくて、
幸せってさぁ、平和なことだよねぇ、
希望はさぁ、沢山あるよねぇ。

なんてどうも最近言えないんだ、、、、、、

だから考えない。日々をこなしていく。
そんな毎日の中で、
99Bluesを歌っているとスッキリする。

それはそうと、

みんなにとっての幸せってなんだろう。
それぞれ違うんだろうな。

私は最近気付いた、気付いてしまった。

あまり心が寒くない状態で興味をゾクゾクと見つけられるそんな心の永続性だ。

人生が寒いと内省だとか人間の暗闇だとか世の中にそれはそれで興味がもてる。
そうじゃなくて、
もしも自分が幸せ。を説明するなら、

この状態がいいと思える温度の中で、
これはどういうもの?だとか、
これはどういう細胞?だとか、
この言葉の紡ぎ方ってどういう感じなんだろ。
だとか、虫でも鳥でもいい。
雲でもいい、川に沈んでいる石ころでもいい。

ん?なにこれ。が、
永続的に興味が持てること。

お金があって生活不安がなくて、
テーマパークにいつも行けて、
お洋服はブランドものバンバン着れて、
幸せなんだろうな。

けれど私はそんな人生で、
フランス人形のように生きられないタイプだ。
興味がきっと、お隣の川本さんは、
あんなバック持ってたなー。
わたしも欲しいなー。
三件隣のやまもとさんはベンツかー。
もうちょっとかっこいいベンツほしいなー。

そんな風になりそうで、危険だ。
(ならないけど)

言葉。を超える。
そんな心が言葉さえ生まないのに、
興味がスーッと出てくる瞬間が、
私は好き。幸せだと感じる。ビリリとした程度の電流であれ。

ある本に言葉を作った人間の意識がへばりついていて使いにくい。

言葉という呪術に感覚が共鳴したとき、言葉はふと世界を垣間見せる。

佐野元春さんの歌って、
意識のへばりつき感がリズム調で聴きやすい。
そして、言葉という呪術さえ佐野さんの中で完結されてるみたいなサラサラ感がある。
歌い方もあるのかなぁ。

99Bluesは、
世の中への警笛みたいな歌詞もあるけれど、
私はこの歌、本当にかっこいいと思って生きてきたから、まぁまぁサラで歌えちゃう。

色んな歌い方バージョンもあるから、
本当にかっこいい。
イントロのあたりのドラム?
パーカッション?(よくはわかっていない)
そこが、本当にかっこいい。

見知らぬ夜、誰かの声が聴きたい。

わかるなぁ。
なんだろう、この落ち込み。
そんな夜はきっと誰にでもある。
それまでの人生で見たことのない闇。
誰かの声、
もっと言えば、本でもいい。
歌でもいい。

他者の言葉を求めてしまう。
そんな捉え方で私はこの歌を歌う。
とってもスッキリするから不思議。

日本の音楽には、きっと、
沢山の演者がいて、
沢山のファンがいて、

でも私は佐野元春さんの才能にベタ惚れ。
最近はお父さんのように優しいお顔で歌われているから、ますます良いなぁ。

それにしても、イントロの天才。って、
本当に思ってしまうから、
機会があれば聴いて欲しいです。



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