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2021岐阜大学入試問題二次試験 化学 第1問&第2問解答解説

大学入試 岐阜大学二次試験 化学の解答解説です。前半は,無機,平衡,浸透圧,電気分解などの複合問題でした。それでは見ていきましょう。


問題はこちら


第1問 無機・平衡

2021岐阜大

問1は,基本的な話題。しかし,地殻中の元素比は確認不足になりがち。特に割合まではなかなか押さえられていなかったかもしれない。

問2(1)の価電子については,教科書レベルでは「重要な働きをする」くらいの書かれ方しかしていないので,その程度で十分だろう。結合・イオンについては文字数的にも軽く触れておきたい。(2)は基本的。

問3 の酸化物も,無機・酸化還元の基本事項だろう。

問4(1)(2)はすぐできる。(3)も,共通テストレベルの問題だ。

問5(1)も教科書レベル。(2)のコ・サは問題の意味をつかみにくいが,(ii)を無視して(i)を考えればよいという記述からも,入れたSO₂が全部H₂SO₃になりそれが(i)の電離平衡と考えればいい。Sの収支を考えるとH₂SO₃とHSO₃⁻の合計が元々のSO₂ということになる。

2021岐阜大_002

そして,電離によってHSO₃⁻と同量のH⁺が生じているので,これらをK₁に代入すればシが出てくる。

(3)は,K₁を利用して実際に求めればよい。解の公式を使うと思うが多少面倒。問題に対数が与えてあるはずなので適宜利用して解こう。


第2問 浸透圧・電気分解

2021岐阜大_001

問1(1)はまあいい。

(2)は,とにかく浸透については「濃いほうを薄めるべく」溶媒が移動する。というのを忘れないように。③は希酸のことも考えないといけないのはちょっとずるい感はある。

(3)も,普通に考えればいいが,生物選択者はやや答えやすかったかもしれない。ちなみに④は色々調べてみても有力な情報はなかった…

(4)はファントホッフを使おう。ただし,電解質であり,浸透圧を考える際は全粒子数を考えることから,2倍するのを忘れないように。あとはふつうにやればOK。

2021岐阜大_003

問2(1)は触媒の働き。文字数的に「活性化エネルギー」「反応速度」を入れておきたい。

(2)はあまり見慣れない電気分解だが,普通にやればよい。特に(ii)からO₂が発生することがわかれば式は難しくない。

(3)では,まず電子の動きをみておきたい。グルコースの式でも,左辺右辺で明らかに酸化数が変化しているのはO。グル1分子当たり2原子のOが反応していて,その分2個の電子が動いたことになるs。

(i) 電子とH₂O₂の比が2:1なのに気を付けよう。

(ii) グルとH₂O₂は同じ物質量。

(iii) グルのmolが出たので,あとは質量になおして計算すればOK。


所感

やや無理くり複合問題にした感じもあり,若干取り組みにくい。ただし,それぞれの内容は基本レベルをそれほど超えていないので,しっかり得点を狙いたいです。記述問題もいくつかあったので,練習にもいいかもしれません。

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