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医師から「おかげでペースメーカー入れずに済んだよ」と言われた話

医師から「おかげでペースメーカー入れずに済んだよ」と言われました!

これ自体はとても嬉しいし、良かったことなのですが・・・。



先日{明記はしませんが、書籍の発売後(発売が12月10日)なので、つい最近のこと}、徐脈・QT延長が認められた方の話です。


(途中少し難しい話もあると思いますが、へ~と読み流していただければと思います。)


徐脈のため一時的ペースメーカーを挿入したり、最近始まったQT延長の原因と思われる薬剤(アミオダロン、レボフロキサシン)を中止後も、TdP⇒VT・VF(簡単に言うと、一時的に血液が心臓から全身に送られていない状態)になったり・・・。

原因不明で循環器医からは「入院時もQT伸びているから、先天性の可能性もある」と言われたようです。

その後、「他に原因がないか薬剤師に確認したら」と循環器内科医が言っているところに遭遇しました。

「○○(入院以前から内服していた薬)は徐脈の報告と△△(前日まで使用していた点滴)もQT延長や徐脈になる可能性がありますよ。」と伝え、

疑わしいものは止めようと主治医が指示を変更した次の日、

「不整脈元に戻ったよ!入院の時も少しQT伸びていたみたいだから、原因は○○の可能性が高いね。みや@薬剤師のおかげでペースメーカーを入れなくて済んだよ」

本当に○○が原因だったかは不明ですが、

不整脈が元に戻って本当に良かったと思います。


しかしですよ!

主治医A・B・C、循環器医D・E、日曜日をはさんだので看護師10人以上と多くの医療スタッフが状態を把握しています。

この中に薬剤師がいたら、もっと早く気付けたかもしれません。

一番最初の段階で、薬剤師が介入できればよいのですが、現在の薬剤師の状況では限界があると思っています。どういうことか?

薬剤師は2~3人で病棟を受け持ち、そのうちの1人が病棟で業務を行っています。2人で病棟を受け持っている場合、単純に考えてみや@薬剤師が担当するのは週3日です。病棟業務をしているときは1人で1日40~50人くらいの患者を担当しています。

はっきり言って、みや@薬剤師が最初の段階ですべてを把握することは無理です。多くの場合は、少したってから把握します。


著書の心電図最後の教科書【NEXT STEP】~薬剤性不整脈編~で、

『薬剤師の私が気付いた時にはペースメーカーが入っているケースが多く、その時に「あっ」と思ってもすでに選択肢はないのです。』

と記載しています。

こういったケースは、みや@薬剤師の施設だけでなく、日本全国どこでも起こりうる話だと思います。

だからこそ、多くのスタッフに知って貰えたら!と再度思ってしまいました。

逆に、把握できるように薬剤師を増やせばいいじゃないか!と思うかもしれません。(もちろん人数だけいてもダメですが・・・。みや@薬剤師も含め、薬剤師全体のレベルアップも必要です。)しかし、病院として多すぎる薬剤師はお金にならないので・・・、現状は無理じゃないでしょうか。


本当にペースメーカーが入る前で良かった。実際検討していたそうです。


みや@薬剤師の思いが詰まった書籍はコチラです!

因みに途中で出てきた○○は、ジスチグミンという泌尿器科の薬です。書籍には載っていないですね!ジスチグミンの添付文書(いわゆる説明書)には副作用にはQT延長の記載はないのですが、徐脈の記載があるので、報告しました。

先ほども記載しましたが、本当に原因だったかは分からないんですけどね。(主治医より事後で循環器医より「その可能性はあったかも」と言われたようですが・・・個人的には確定はできないなという感じ。)

もちろん、結果良ければすべてよしです!

原因かどうかは置いておいて、本当に多くの薬がQT延長を起こす可能性があります。現状早い段階で薬剤師が介入できていないケースが多いと思いますので、書籍を勉強して、薬が原因かも!と思っていただき、なるべく早く薬剤師に確認して欲しいなと思います!

やはり、チーム医療ですからね!

みや@薬剤師も一員として頑張りたいと思います!


最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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