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中条遺跡 土偶B 1

ここからは、愛知県刈谷市の中条遺跡(なかじょういせき)から出土した土偶B(仮称)と中条遺跡と龍神(厳島比売命)を祀った高津波町の厳島神社(いつくしまじんじゃ)を結ぶレイライン上に存在しているものを紹介していきます。

1MAP愛知県中条遺跡

2MAP重原本町中条遺跡

1中条遺跡土偶B

縄文時代後期〜晩期(約4,500〜2,800年前)
中条遺跡(なかじょういせき):愛知県刈谷市重原本町5丁目地内
所蔵:刈谷市郷土博物館

この土偶Bを初めて目にした時、上記写真のように、頭部が上下両方に存在するように見えた。
類型の土偶を見たことはないのだが、ちょうどトランプの絵札のような像だと思った。
上記写真の上部の突き出しには目と口と思われる要素があることから、明らかに頭部と解るのだが、下部の突き出し部分にも目・口らしい窪みが見える。
天地をひっくり返してみると以下のように右目・鼻・口のあるたこ入道に見えるのだ。

1B中条遺跡土偶B

左目部分は頭部が欠けているので、存在していたように想像でき、天地逆側の頭部が両目と口だけだったのと違い、目・鼻・口が揃っているように見える。
しかし、天地を戻して、たこ入道を下半身と見るなら、両腕両脚が無くなっているから、両脚が脱落した残りの部分に意味不明な円形の窪みがあるものと見ることができる。

たこ入道の反対側の頭部に話を戻すと、顔の両側に不条理な形の突き出しが存在する。
それは髪のウェイブを表現した現代の女性のヘアースタイルのようにも見える。
以下の土偶の左側面からの写真を見る限りでは、上側の頭部は破損して現在の形になったのではなく、造形されたもののように見えるのだ。

2中条遺跡土偶BSaid

一方、たこ入道の頭部は破損して現在の形になった可能性が見て取れるが、向こう側はパネルがあって、観ることができなかった。
どうも、たこ入道は頭部ではなく下半身の残存部のようなのだ。
とすると、顔に見えたのは偶然だったことになる。
しかしながら、たこ入道の鼻に当たる窪みはこの土偶のどの窪みよりくっきりしていて、できてしまった造形ではなく、意図した造形だと思える。
意図したものであるなら、意味は不明だ。
不思議なのは破損した腕と思われる部分の面積が上から下まで広く、単なる腕の破損とは思えない形状をしています。
祭祀に関わる何らかの造形がなされていたのかもしれません。
そしてこの像には胸の膨らみが表現されていません。
胸と腹部がほぼ扁平で、何も刻まれていないのは土偶としては珍しいものだ。
男性像ということなのだろうか。
そのことと、関係してくるのですが、問題は顔の部分です。
顔に関しては目と口で表現が異なり、両目は管玉のようなパイプ状のものを押し付けて開けたように見え、口は同じくパイプ状のものを押し付けて開けた後に中央部を削り取ったように見えます。
問題は両目と口を囲うように横長の楕円形があることです。
潜水服の窓のように見えることです。
そもそも、最も有名な土偶である亀ヶ岡遮光器土偶も潜水服のヘルメットを被ってるように見えるのです。

特に首の太さと首の下の接合部などを見ると。
これを「宇宙服」と呼ぶ人がいても反対はしません😄
もし、潜水服や宇宙服なら、胸が扁平な表現がされていても、土偶Bは女性である可能性も考えられるのです。
しかし、頭部がヘルメットだとすると、頭部の左右のバブルのような突起物が意味不明になる。
この謎を解くもう一つの仮説は顔の部分に穴の空いた何らかの祭祀のための被り物ではないかということだ。

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これまでに紹介してきた刈谷市から出土した3点の土偶は愛知県から出土した土偶の中で、個人的にそのまま魅力をベスト3にランクできる土偶です。
その3つともが刈谷市で出土していることは、この地がトヨタ自動車発祥の地であることと一致しているのだが、偶然なのか必然なのでしょうか。

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