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今朝平遺跡 縄文のビーナス 87:猿投山のアリエッティ

愛知県豊田市猿投山(さなげやま)の登坂路は登るに従って岩が増え、樹木は痩せていきました。

愛知県豊田市猿投町 猿投山
愛知県豊田市猿投町 大岩展望台

登坂路脇に点在する巨岩はいずれも複数に別れているか、亀裂が入っていた。

愛知県豊田市猿投町 猿投山 巨岩群/潅木

地面は湿った樹木のチップで埋まっている状態で、養分はありそうなのに木立は痩せてヒョロヒョロしており、密集しすぎなのか、日当たりが悪いのが原因か。
背景がすぐ空になっていることから、ここが尾根に近い場所であることが分かる。

さらに進むと、別れているものの、そうでなければ、この日見た最大の巨石の前に出た。

田市猿投町 猿投山 巨岩群

元は1枚岩なのだろうが、やはり複数に分裂しており、根元の方がキノコの柄が傘を支える形状になって形態が維持されている。

その前を抜けると、今度は円筒形の石柱が基壇に乗っているような巨岩の前に出た。

猿投町 猿投山 巨岩

円筒部分は複数の細い亀裂が走っているのみだが、基壇部分は太い亀裂が入っていて地面が支えられなくなれば崩壊する可能性のある状況だ。

その先の低い登山路から右脇に分岐して丘の上に登っていく獣道のような通路があり、「何かある!」と感がささやいたので、寄り道していくことにした。
傾斜を登りきると尾根の上に出た。
尾根に沿った通路で左右に分離したのではないかと思われる巨岩の間を通路が抜けている場所があった。

猿投町 猿投山 巨岩群

上記写真左手の岩は皿状の凹型で、右手の岩は凸型にカーブしている。

通路の外側から凹型の岩の頭越しに凸型の面を持つ岩を撮影したのが以下だ。

猿投町 猿投山 方位石(?)

この巨石は真っ二つに別れており、背後は潅木に遮られているが、潅木の頭越しの向こう側、真東1.7km地点には名前は無いものの独立峰の峰が存在することを知ることになった。

猿投町 猿投山 方位石(?)

この峰の周囲は外輪山のような尾根に囲まれており、そのために峰と外輪の間に無名の池がある。
池に流れ込んでいる水路は見当たらないので、猿投山の伏流水が水位を保っているようだ。
池から流れ出ている水は外輪の外側に沿って流れ出ている迫川(はざまがわ)に流れ込んでいる。

●方位石(?)
真っ二つに別れた岩は割れ目が東西を向いているのではないかと思えたので磁石で測ってみたところ、見事に東西方向と一致していた。
もし方位石なら人為的に今のように配置されていることになる。
しかし、方位石ならもう少し明快な形にするのではないかと思えるので、方向は偶然の一致の可能性が高いとも考えていたのだが、後で地図で調べてみたところ、迫町の峰の存在に気づいたのだ。
この峰の外輪の東から北の外側に沿って迫町の住宅が点在していることから、この東西線上ではないのだが、複数の神社が祀られており、中でも迫町の氏神だと思われる磯崎神社には大己貴命と少彦名命という国土開発の神が祀られている。
山の中なのに「磯崎」という海浜部にしかありえない社名にも意味があるはずだ。
磯崎神社由緒によれば迫町は日本武尊の子孫である武田氏の居住地とのことで、猿投山とは関係がある地であることが判明した。
現状では猿投山自体が完全に樹木で覆われており、猿投山の峰に上がらなければ樹海しか認識できないのだが、この岩の割れ目を見れば、迫町の峰(迫町)の正確な方向を知ることができるのだ。

下記写真は、この岩の東側から西側に向かって撮影したもの。

猿投町 猿投山 方位石(?)

この岩の間を通り抜けるとさらに急な上りの傾斜路があり、巨大な立石が周囲を取り囲む岩に支えられて立ち上がっていた。

猿投町 猿投山 立石/巨岩群

この立石を回り込むように通路は巨石の間を抜けており、この通路に入ると、アリエッティになった気分だ。

投町 猿投山 巨岩群/通路

アリエッティ通路に入って立石を振り返って撮影したのが下記写真だが、こちら側から見ると真っ直ぐ立っているわけではないことが知れた。

猿投町 猿投山 立石

こうした巨岩の間を抜けると、突然東側の開けた場所に出た。

猿投町 猿投山 大岩展望台 大岩

目の前には大きな割れ目の入った大岩展望台の巨岩が存在した。
見事なランドマークだった。
眼下には猿投山の東の麓の猿投町が広がっている。

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2022年の猿投山の情報を見ると、12年前には存在しなかった「クマ注意」の看板が掲示されていることが判明しました。12年前に登った時もiPadでヘビーメタルの音楽などを鳴らしながら登りましたが、誰にも知らさずに人のほとんどいない平日に登ると、そのまま神隠しになってしまう可能性があります。私の場合はモーターサイクルが残されるので、やって来たことだけは分かると思いますが。


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