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飲食店未来学6:ファミレスは売上確保のため「またデフレ価格志向」している~仕組みの継続でなく破壊と創造を!

まずはこの画像をご覧ください。

ステーキガストの曜日替わりランチ 開店~17:00まで 980円(税込)


同じステーキガストさん サイドセットのライス・スープ・パン食べ放題が通常300円を、
「平日限定200円」
400円のサイドセット、500円のサイドセットは「100円引き」を始めた

このライス(原価35円~40円)、スープ(30円前後)、パン2個(20円程度)なので、各1個で1人当たり90円弱。

食べ放題計算でも、1人平均120%~130%なので、合計原価は
110円~120円のあたり。200円いただけるので、
このサイドセットの原価率は、57.5%あたりとなります。

物流費や廃棄ロスが入っていない原価計算です。
 無理して売上をつくろうとしているのがわかります。


ステーキのどんさんもトンカツ(ポーク)ランチ869円、ハンバーグとポークグリルランチ924円
トリプルグルメコンボランチ1749円を始めた

🍉高度成長期から全国に広がったファミレス
 は10年以上前から
 すでに衰退業種化しています

ファミレスのメリットは今やデメリットに
なってしまった

●店舗が広い→狭い方が良くなった

 店舗が広いため、ランニングコストがかかり過ぎ、人件費や電気代が
大きな負担となっている。
またピーク時間帯が短くなり、赤字の営業時間帯があっても閉店や客席の
縮小ができない。

●国内に広域展開している→地域会社に分社化したほうが良い

 成長期は店舗数の拡大がメリットでしたが、今や「コミュニケーション」を十分に取れる距離と大きさではなくなった。
働く従業員の考え方が変わり、運営面の形骸化が障害になっている。

意思疎通と伝達が上手くゆかない。

●バラエティーに富んだ豊富な食材数とメニュー数
→縮小化・効率化へ舵が切れるか

 食材の値上げがどこまでもダイレクトにダメージを与える仕組みのまま。
しかも、店舗数が多くなればなるほど、食材の絶対数を確保する必要がある。確保を強化すると、仕入価格の上昇を余儀なくされる悪循環になる。

●セントラルキッチンから遠い店舗ほど物流コストがかかる
 →共同配送化・CK多拠点化をするか

 各方面で競合同士で共同配送化が進んでいる。
ファミレスももうその時代だと思う。

●基本が家族客志向だから「高客単価設定価格」は馴染まない
 →専門店志向にするお店も出てくるかも

 和食の木曽路やしゃぶしゃぶのしゃぶ禅のように、少ない食材で、
少ないメニューで運営できる「専門店的大衆店」に向けての新たな進化が
始まるのではないかと思います。 


総コストアップになっている時代に、

デフレ価格で売上をつくっても、来年、再来年と時代が進むごとに、
もっと首が絞まり、苦しくなって消滅に向かうことを知っている
にもかかわらず、デフレスパイラルの時代と同じことをするのでしょうか?



 もうファミレスの仕組みは限界にきているところだらけと感じています。
 今後どこかの起業から、
 大転換リスクを引き受ける勇気と英知のあるトップは出てくるのか?

まるで巨大タンカーのような、全国組織のファミレスさんの将来を
危惧しています。

(了)


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします