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飲食店未来学41:人類は食糧確保が不可欠となり食材価格の高騰は永遠に続く~近未来飲食店の生き残り術

🍓なぜ食料・食材の高騰が続くのか

1:人口の増加
  2023年で世界の人口は80億人を突破して100億人に向かっている
2:一次産業(農林水産業)の生産人口の減少
  高齢人口が増える分だけ労働人口は減少する
3:気候変動による収穫量の減少
  地球の温暖化は向こう何十年も継続する
4:より美味しいものを求める人間の欲求
  貧乏な国の国民も美味しい食材を体験すると次も欲しくなる
 (牛タンなどが高騰したのはアジアで多く食べるようになったから)
5:海や陸地の汚染や耕作放棄地の増加による生産の縮小
  まだまだ養殖の規模は少なく、海洋汚染や陸上汚染(水・空気・土)
  の影響、耕作放棄地の増加で食糧生産は減る方向
6:飼料の高騰
  鶏も牛も豚も養殖の魚もすべて、餌の高騰で値上り基調です
7:人件費の高騰
  食材の高騰の価格転嫁分とは別に、人件費に充てる費用も価格転嫁
  されるため、好循環の価格高騰は続きます
8:輸送費の高騰
  燃料の高騰、保険料の高騰、ドライバー人件費の高騰で、これも
  上がり続けます
9:食材供給の不安定さによる供給不足
  水害や干ばつなどの影響で世界的な生産量の異変があれば、すぐに流通
  価格に反映されます
10:日本の食料自給率の低さによる高額仕入れ
  日本の2023年の食料自給率はカロリーベースで38%、生産額ベースで
  58%と言われていますが、日本国民が餓死しないための絶対量の半分以
  上は輸入に頼っています 日本は近年まで高額買いの上得意でした
  *必要量と生産量(t)を示すべきと思う

🍓ビジネスモデルの価格帯を超える事態が続
 発する

 ひとつ参考に、先にアップした投稿をご覧ください。
いま最も人気のある焼肉きんぐさんも、1年ごとに価格の高騰を迫られると、やがて「食べ放題業態の限界価格」を超える時点で、
新たな地雷原価格に踏み込むか、もしくは業態変更をするか、選択することになると予測しています。

 ひとつのビジネスモデルの継続メリットは、学びと経験により、
10年間~15年間でリミットを迎えると判断しています。

1:焼肉きんぐという食べ放題業態は、食材の高騰が続くため、
  数年以内に「食べ放題価格帯の限界値に達する」
  と予測しました


2:スシローなど全国規模回転寿し業態は、
  地雷原の価格帯チャレンジを余儀なくされる時代

①コストの削減は絶え間なく行なわれている
 スシロー大分元町店には、月1~2回は食べに行っている。
開店以降価格やネタの変化以外にも変わった点をピックアップしてみよう。
・シャリ酢(合わせ酢)
・わさび
・粉茶
・シャリのグラム数(最近)
・レーンの寿し皿の流し方
・ガリの品質(甘酢漬け生姜スライス)
・ムラサキ(寿司用の醤油)
・ホールスタッフの人数
・案内スタッフの廃止

これらはすべて、「気の付くところはすべて見直してコストダウンを図る」という決意の表れ

●毎日どんどん消費される食材の補充にかかる食材コストの上昇に対する
 FLRUコスト率の抑制対策ばかりです。

●食材原価率の低減に貢献します。
 しかし、このビジネスモデルが生きている限りは、際限のない努力が
 必要です。

②価格帯の壁に再度チャレンジする年がまた出てくる
 近頃、牛丼の吉野家さんが800円未満の価格帯を日常化してきて、数年以内には、1,000円未満の価格帯を手中に収めると予測されるように、

このスシローさんも360円の価格帯を撤収しても、またリベンジとして、
新たに300円台の価格帯へチャレンジをせざるを得ない状況になりつつ
あります。

スシロー3つの価格帯
この1皿の価格の3分類は、人口の差とLUコスト(人件費・家賃)の差で
起こっていると判断しました 

ローカルエリアの価格120円・180円・260円のうち、以前の黒皿は
360円でした。
その時の構成は、
・100円台・・・・120円  100%の基準点とした場合
・200円台・・・・180円  150% ここを100%とした場合
・300円台・・・・360円  300% 200%でした。

 360円の皿を260円に落としたことで、どうにか馴染んできていますが、
まだ割高感があり、オーダー数は少ないようです。
価格的には180円の144%価格であり、時間とともに馴染む価格ゾーンです。

もうひとつ問題点は、
「黒皿」を3つの価格帯の一番上の商品に適用していることです。
・高級感を必要以上に出すから邪魔になる皿。
・むしろスポットで出す高級ネタ専用に使うべき。
 わたしなら、きれいなコルドンブルーの丸皿を使います。

私の考える、一つの価格設定の成功法則は、

「ひとつ下の価格帯の150%以内の価格でデビューさせる」こと

つまり、260円の皿を安く見させるためには、
150%価格の390円をデビューさせることです。
この価格で、W寿司やそれぞれ一貫の2個のせで出せば、仕込みロスは
最小限度で済みます。

🍓一般飲食店の食材高騰対策

 お待たせしました。
ここからが一番読んでいただきたい箇所です。
今からの飲食店は、
ランニングコストの上昇に伴い、
価格転嫁を何度でもできるお店に変らなければなりません。
(値上げができないしくみのお店は衰退するしかありません)

そのしくみとは、要点をまとめると、

①食材原価率35%以下の看板商品をもつ

②専門店になり商品力の高いメニューだけ売る

③月間の食材原価率32%~33%を実現する

④予約比率を高める

⑤利益率の悪い時間帯は営業しない

⑥できるだけ人手が少なくて済むしくみを最優先にする

 以上のようなことを、自店の特徴を生かしながら、
3年~5年かけて、店舗の改革を行うことです。

何も手を打たなければ、間違いなく衰退します。

生残りたいと願えば、ここで、
この一年間だけがんばってみようと決意してみませんか?


商売も、人生も同じことですね。
(了)



 


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします