得意とは…

１ 自分の思いどおりになって満足していること。

２ 誇らしげなこと。また、そのさま。

３ 最も手なれていて自信があり、じょうずであること。また、そのさま。

職場でとてもなかのいい友人達がいた。とてもバランスの取れたメンバーで、すごく心地よかった。毎日ランチが楽しみで、仕事も頑張れた。素晴らしく充実した日々だった。

ある時、いつもどおりランチ後のおしゃべりをしていると「みんなそれぞれ得意なものがあるね〜」と言う話題になった。〇〇さんは帰国子女で英語が得意だし、〇〇さんはすごい大学でていて頭がすこぶるいいし、〇〇は雑学が得意で聞けば何でも知ってるよね〜という感じで…

…で、

流れでわたしの番になったけど、みんなぜーんぜん言葉がでてこない（笑）みんなの頭をどれだけフル回転させても残念ながら何も思い浮かばなかったらしい。

一番気の利くコが「iPod得意じゃん！iTuneとか使い方よく知ってるじゃん」と言ってくれた。

iPod？

それって、取説読めば誰でもわかるような事じゃないかな〜…と思いつつ

その時は、「そんなの得意なものじゃない〜私は他にないの〜？」と、笑い話でおわった。

家に帰って、モヤモヤ。ん？私ってそれしかないのかな…それってなんにもないと同じなような…

イヤイヤイヤ…わかってますよ。誰にだって得意なものが一つくらいあるよね。うんうん。

私にだって…あるよな。

きっと…　

そう思いながら色々と考えてみたけど、みんなに自慢できるものできるものが何にもないの。ひとつも。　

いつも笑顔がステキだねってたまに言われる。あなたがいると明るくなるとか…。

自慢できるものがなくたって、むしろ今こうして穏やかにいられるのだってステキなことじゃない。

とは思うけど、そんなことじゃなくて…わかりやすい得意なものなかったかなぁ…

もう一度、よくよく考えてみた。でもよく考えなくても人よりできること、自慢できるものなんてどーしても思い当たらなかった。お世辞にも美人とはいえないし、スタイルなんて…。お勉強もどちらかといえばほとんどしなくて、中学の中間テスト休み(テスト前にある部活のない期間）も部活がないから自由に遊んでいいものだとばかり思っていた。みんな、勉強してない〜といってるから、自分と同じだと思っていたのにみんな90点以上とっていた。勉強してない＝遊んでいたとは違うんだとそこで知り。

あまりの点数の悪さに心配した親が塾に入れようとしてくれたけど、入塾テスにまさかの不合格…。塾入るための塾に通っていた…。

運動部なのに足は遅い。背は低いから球技は役立ず。入ったテニス部でも補欠…。

美術は下書きまではＢ判定なのに、色を塗ったらＣ…なんでだ？

家庭科なんてできた試しがないから兄妹にお願いして課題提出。

ほんと、悲しくなるから長年あまり深く考えないようにしてみた。

でも、そういう事ってなぜか暇さえあれば思い出してしまうのよね。そして考えるハメになる。そしてまた凹む。はぁ…またかよ。めんどくさい。。…と思いながらも探してしまう、みんなが「おお〜」って言いそうな私の得意なもの。わかりやすい得意なもの。

ない

いつもおんなじ事をぐるぐるぐるぐる思いながら気づけば早10年。。。あっという間よ。１０年。その間に結婚して、子育てして、環境も変わって。

でも相変わらず見つからない。見事に見つからないことに凹む。自己肯定感がどんどん低くなって、卑屈になる事も増えてきた。

はぁあ〜…また同じ事繰り返してるなぁ。

お裁縫はビックリするくらいできません。　　　　お料理も主婦なのに出来合いばかりです。　　　　　　ピアノ小さい頃習っていたけど、練習しなければ弾けないし、（初見なんてムリ）昔弾けた曲ですらもう弾けない。。　　　　　　　百歩譲っても気の利くタイプではない。　　　　そして仕事ができる！感じでもない。　　　　　　　　　　　　　　　あ、ほら音楽大好き（特に洋楽）だ！　　　あ〜…でも好きなバンドメンバーの名前すらうろ覚え…ほんとに好きなんだけど、覚える気があまりないんだよなぁ。だって、大事なのは音楽自体じゃない？（←いいわけ）　好きな曲はい〜〜〜っぱいあるんだけど、最近はYou Tube musicに任せきりで曲名も覚えなくなってきてる始末…　

得意なものを探している割には努力が続かない。超面倒くさがり。頑張ってもできないものが多いから頑張ることが恥ずかしくなっちゃって…そりゃ、努力型の得意なものはできないよなぁ…ははは。

iPodかぁ…今じゃほとんど使われていないものが得意なのかぁ…なんか、私ってほんと、空っぽだな。な〜んて自分を否定する事も多くなってきていた。

モヤモヤを抱えたままそれでもうっすら探しながら過ごしていたらヒントを見つけた！

「見えないものが得意な人もいるんです」

ですって！

わかりやすいものじゃなくてもいいのか〜！

得意なものって、履歴書に書けたり、人に披露することができるものかと思っていたけど、見せなくてもいいのか！

それなら、ちょいちょい思ってきたことがある。

私は人に恵まれている方だと思う！！

ほんと、そう。幼稚園から大学まで先生にも恵まれていたと思うし、就職先でも会社はブラックだったけど、おかげで横のつながりが強く、友達や上司に恵まれた。

それってすごいことじゃない？

引っ越した先で出会った友人たちはほんとにいい人ばかりだし、別のとこに引っ越してもいい人が多い！

そりゃやなヤツもたくさん出会ったよ。でも、そーゆー人って私の人生に関係ない人。だから何を言われようと放っておく！としてきたからか今じゃぜーんぜん気にならない。そんな人達より、気がつけばなんかいい感じに手助けしてくださって、でも押し付けがましくない心優しい人達が沢山いる。得意な事がほとんどない私の事を褒めてくれたりもする！私はいつもみんなに感謝しきりっぱなしなのだ。

得意なものなんにもない私が、人に感謝できる心を持っているのは親のおかげなんだな。とか思っていた。それももちろんある。努力型のものはなんにもなくたって、人に恵まれているという誇れるものがある！

あったよ〜。得意…というか、誇れるものが。私にも！

嬉しい！！

履歴書にかけないかもしれないけど、そんなこたぁどーだっていいのだ。私が、私を誇れるものがあるということが嬉しい。

今日も感謝して過ごそう。