Interview with sasa(HAERERE) & 富永(herside)
2023年8月5日に東京、新宿のNINESPICESにてスプリットリリースレコ発を行う北九州のHAERERE、hersideからsasa、富永を迎えてのインタビューという名の雑談を行いました。彼らの持っている感覚は現代日本から消え去ってしまいそうな「ローカル感」そのもの… 消えていく感覚を掴んで表現していくのがエモ。この雑談が何を生み出すのかわかりませんが、レコ発ライブは是非来てください! (詳細→こちら)
3LA : さっそくなんですが、まずは両者の歴史を掘り下げたいなと。活動としてはHAEREREとhersideってどれくらいから始まっているのでしょうか。
sasa(HAERERE) : HAEREREは2016か2017年くらいかな。2015年に僕が大学卒業して関東へ行って、元々あったバンド辞めてそのボーカルと2人で合わせてたりしていて、それが始まり。2017年くらいからボーカルが辞めて、ドラムとベースが入ってって感じですかね。だから本格的には2017年くらいから。
3LA : 最初のstについては結構バンド初期の話だったんですよね。
sasa : とりあえずメンバー集まって音源作ろうぜって感じで、4曲中3曲はボーカルと作っていた時にはある程度出来ていて、1曲追加してって感じですね。結成してすぐでしたね。
3LA : hersideも同じくらいの時期ですか?
富永(herside) : hersideも2017年なんでほぼ同じくらいの時期ですね。僕とベースはまだ大学生のときで、それぞれ別のバンドをやっていたんですがメンバーの就職とかで止まっちゃって、前からハードコアバンドやりたかったので新しいバンドやりましょうって感じで話を持ちかけました。音源の『4songs』出した時も、ライブやれる分だけの曲作って音源録るかって感じですね。
3LA : 北九州、激情とかポストハードコアとか、やる人がほとんどいないとは聞いていたんですけど(多分スーさんから)、実際そうなんですか?
sasa : 現在の状況はそうですね。そっち系の音で言うなら、北九州の歴史的には2000年代に活動していた1000 TRAVELS OF JAWAHARLALっていうバンドがいて、その後の世代にinfroってバンドがいて、そこが大きいバンドですね。infroは現在も活動していて僕たちの企画にも出てもらったりしています。それ以降の時代は僕の知る限り、バンドいないですね。
3LA : バンド少ないとかのレベルじゃなくて、「居ない」んですよね?
sasa : いないっすね。
3LA : そもそもメンバー集まるのも難しそうですが...。
sasa : バンドはいなかったんですけど、大学の先輩繋がりとかで代々激情とか好きな人は居たんで、元1000 TRAVELS OF JAWAHARLALのドラムの方が大先輩だったんですけど。あと現infroのギターの人がHALAS pauses in the dark of hope.というユニットやってて、そのギターの人の影響が僕は相当強くて、色々なバンド教えてもらったりして漁っていったというか。
infroの企画とかも当時はよくやっていたんで、県外のバンド呼んでいたんで観る機会もありました。
3LA : HAEREREとhersideは同じ大学なんですか?
sasa &富永 : 同じですね、サークルも一緒。
sasa : HAEREREのベースだけ別で、あとはみんな同じですね。
富永 : 僕は笹さんの4つ下になるんですけど、もちろん今出てきたバンドにも影響受けましたけど、Flag recollectとかは直近の先輩でかなり影響受けました。あとは「holden」とかですね。
3LA : サークルってコピーバンドをやるわけですか?
sasa : メインはオリジナルですね。
富永 : 毎年オリジナルバンドを集めてサークルのスプリットみたいなのを作っていて、結構盛んでした。もちろん流通とかはしないんですけど、そこだけ限定で組んだバンドとか。
3LA : こうやって話しているとスプリットリリースに至るのも必然という感じもするんですが、2バンドとも活動初期にEPを出している状態で、このスプリットはタイミングも合わせていた感じですか?
sasa : hersideが最初にデモを作ったときから、こんなバンドやる奴だったんだ、と思っていて。スプリット出したいねとかは話していたけど誰もアクション起こさず...。それでもコロナになってしまって動けなくって、それでスプリットやらないかっていう話になったんじゃなかったかな。
富永 : コロナでスケジュール延期になったりとか、なかなか大変な時期もありましたが。
3LA : レコーディングは同じスタジオで行っているんでしたっけ?
sasa : そうですね、場所もエンジニアも同じで。
富永 : 1日目HAEREREオケ録音して、次herside録って、最後ボーカルで、みたいな感じで。
sasa : 一発録りしてダメなところだけ後から少し差し替えたりとか。
3LA : スプリットはHAERERE結構印象変わったなと思った。
sasa : 活動の初期のほうはネオクラストとか、Alpinistみたいになりたかったんですけど、時が流れ、そのあたりが他の音楽聴いててそんな風に変わっていったのかな。
3LA : 3LAでは結構な枚数が今でも売れ続けている作品になっているのですが、このリアクションの大きさについてはいかがですか?
sasa : 僕は予想外でした。
富永 : 半々くらいですね、予想外な部分もありつつ、「いけるでしょ」みたいな笑
レコーディングの段階で、HAERERE良い曲作ってるなぁって思ってたし、hersideも良い感じに録れていたので、いけるんじゃない?みたいな個人的な予感はありましたね。
sasa : レコーディングしてから時間が経っていて、自分たちでも何回も聴いたからもう評価出来ないっていうか、「微妙かもなぁ」って思うときもあった笑
富永 : 新しい曲も出来て、これも入れたかったなとかはありますね。
3LA : 30代過ぎてくると、他のバンド聴き続ける人と聴かなくなる人もいるっていうか…. 何が聞きたいかというと、国内で今でも新しいバンドが生まれてきて、音源も出てくるわけですけど、今でもうわーって刺激受けることってありますか?
富永 : 全然ありますね。
sasa : 最近のバンドを聴くようにしてます、かっこいいと思うのもありますね。
3LA : 全然それぞれ違うけどかっこいいバンドが出てきている。他のバンドを聴いてみて、HAERERE、hersideの北九州にいる自分たちはちょっと違うなっていう印象はあるんですか?
sasa : そうですね、違うって言うか、自分たちは最近のバンドは聴いているけど、「最近の感じ」はないと思っている。
富永 : ローカル感はかなりありますね。
sasa : 北九州にはシーンがないんで、綺麗になり過ぎないというか、カオスな感じ、好き勝手やっている感じの音のオリジナルが出るかなと思ってます。
3LA : 北九州ってカオスなんですか?
sasa : イベントもごちゃ混ぜですよね。統一感があるイベントとかはあまりなくて。ジャパコアは多いですね。
3LA : バンド活動については大変ですか?
富永 : そんな大変ではないですかね、距離的なところは大した問題ではないというか。ファイルやりとりしながら曲作りも出来てますし。
sasa : 僕らはメンバーがある程度近くに住んでますが、練習は月一くらいですかね。
富永 : 僕らも年3回くらいのライブなんで、そんなに多くはないですね。
3LA : 曲はお二人がメインソングライターですか。曲作るきっかけというかモチベーションとかってありますか?
sasa : 他のバンドの音聴いてかっこいいなとか思ったり、今までないような曲を作りたいみたいなものは根底にはあって、そこで試行錯誤してるって感じですかね。やっぱ評価されたいみたいなのは、あるかもしれないっす。
富永 : 曲作りってしんどいじゃないですか。できればやりたくないというか、ぽんぽん出来て欲しいんですけど、モチベーションとしてはライブをしたい、ライブ後の打ち上げとかで曲の話とかするのがすごく好きで、そこですね。
3LA : 歌詞については。
富永 : 僕、詩人じゃないし語彙もないので、言いたいことなんて1、2文で終わっちゃうんですよね。あまり歌詞をみてどうこうって感じじゃないです、うちのバンドは。
sasa : 最初のEPのときのテーマは関東にいたときの虚無感とか苛立ちとかがあったんですけど、スプリットのほうはもう少し広いテーマかなぁ。わかりにくくはしてないって感じかなぁ、わかりやすくしたいというのはあります。
3LA : 激情の歌詞は日本語多いので僕は好きですね。でも逆に難しい。日本語の歌詞ってダサいと思います?
sasa : 意味がわかり過ぎちゃうからダサく感じるところがあるから難しいのかな。でも英語もしゃべれないのに歌詞を英語で作るってのは選択肢はないですね。
富永 : 同じくですね。
3LA : ミックス&マスタリングについてですが、音についてはコミュニケーションの末にこの音になった感じですか?
sasa : 何回かみんなで集まって意見をまとめたりとかはしましたが、最終的に大橋さん(エンジニア)の方向性に整理されたのかな。
富永 : 大橋さんも同じ大学のサークルのメンバーだったので、HAERERE、hersideのライブを何回も観ているのでどういう音を表現しているのかみたいなところの理解はあったと思います。
3LA : むちゃくちゃ爆発感あるんですよね、スプリットの音に。この雰囲気をライブで味わいたいんですよね。東京ライブってほとんど機会もないと思っていますし、ライブへの意気込みもお聞きしたいです。
富永 : とにかく、良いライブを必ずするので来て欲しいなっていうのと、もう一つはライブを観てCD買ってくれると嬉しいですね。打ち上げでも、ライブの合間でも良いので、声をかけてくれると嬉しいです。
sasa : 東京に行く機会もほとんどないと思うんで、是非北九州の激情ハードコアの雰囲気っていうか、東京にないものがあるので体験しに来て頂けたらと思っています。音源のリアクションも良いものを貰っていますが、期待を超えるものをライブをしますので、みなさん是非来てください。
3LA : 今回フロアライブスタイルですけど、そっちでもあまりステージ上でやることは少ないのですか?
sasa : そうですね、メガヘルツ っていうところが完全フラットで、その雰囲気でやることに慣れていますね。
富永 : メガヘルツでShizuneがライブした時もすごく良い音だったし、そのときの音のイメージは結構意識してます。
3LA : 激情系はフロアスタイルが異様に合いますよね。
sasa : メガヘルツ すげー音きれいに聴こえるの、下手なライブハウスより音良くない?
富永 : まぁ酒もあるんじゃないですか笑
3LA : 酒パワーか笑 NINESPICEもバーカン近いんで....でも東京は飲む人少ないかな?あ、でもxontoが多分たくさん飲むと思うので良い空気感作ってくれると思います。夏の暑い日だと思いますが、ポストハードコア祭りでいきたいなと思います。
予約サイト↓
2023.8.5(土) 新宿NINE SPICES
3LA presents「HAERERE + herside スプリットリリース祝賀会」
HAERERE (from 北九州)
herside (from 北九州)
GENSENKAN
xonto
raika
SPOILMAN
OPEN / START 16:00 / 16:30
ADV / DOOR ¥2,500 / TBA (+1drink)
また、レコ発に先駆けましてHAERERE + herside のスプリットTシャツの受注生産予約を3LAでも受付開始しています。ライブなども中々観に行く機会がないと思いますので、上記ライブが来れない方もこちらをチェックしてみてください。売り上げは全額バンドへ渡しますので物販で購入するのとほぼ同じです!
(URL) https://longlegslongarms.jp/music/products/list.php?mode=search&name=HAERERE%20+%20herside
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