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結婚市場における医師の過大評価、その原因

平成も終わりを迎える2018年、我が国では依然として少子高齢化が進行しています。

その原因として

1、女性の社会進出に伴う女性の経済的自立と、それによる「無理に結婚して経済的な利益を男性から得る必要のない女性」の増加
2、経済格差による「結婚して子供を持つ事のハードルの高さ」の増加

などがあると思われます。結果的に晩婚化や非婚化進行し、結婚したくてもできない若者が増えています。

一方で圧倒的に結婚市場において有利な立場を享受する集団があります。

その一角を担うのが、男性医師です。

彼らは圧倒的に結婚市場において女性から高い評価を得ており、正直なところ「ややモテ過ぎ」です。

男性医師はそれほど稼ぎも無く、今後の日本の人口動態を考えるとそれほど安定している職業ではありません。また浮気や不倫をしやすい環境にあり、プライベートな時間もほとんどなく、結婚してからも家事や育児にコミットできる確率はかなり低いでしょう。

正直なところ、女性が「男性医師をパートナーとして選んで得られるメリット」は世間が思うほど無いように感じます。

この「男性医師の過大評価現象」について、Twitter上でのアンケート結果を交えて分析します。


結婚市場における男性医師の人気の高さ

医療系のフォロワーが多い個人のアカウント(@3n4rs)を使って、下記のようなTwitterアンケートを行いました。

有効回答数(女性のみの回答数)をまとめると、以下のようになります。

この結果を見て、正直僕は驚きました。


経済的なメリットだけでは説明できない結果

このアンケートのねらいは、結婚市場において女性がどれくらい経済力を重視しているのかを評価する事です。

アンケートの選択肢から、各々の選択肢の男性が稼ぎ出す平均収入の期待値は下記のようになります。

年収2000万外資系サラリーマン、確率60%=2000万×0.6

=1200万/年

年収1200万勤務医、確率90%=1200万×0.9

=1080万/年

年収5000万CEO、確率25%=5000万×0.25

=1250万/年

となります。

仮に30歳で結婚、30年勤務したとして、各々の選択肢の男性が稼ぎ出す生涯年収は

年収2000万外資系サラリーマン、1200万×30=3億6000万

年収1200万勤務医、1080万×30=3億2400万

年収5000万CEO、1250万×30=3億7500万

となります。

つまり経済的なメリットだけで言えば、明らかに勤務医が劣るのです。

それにも関わらず、多くの女性が勤務医という選択肢を選びました。

可能性として、まず回答者が期待値と確率の概念を理解していない可能性、次に僕のアンケートの日本語が悪く意味合いがうまく伝わっていなかった可能性などもありますが、だとしてもこれは圧倒的な差です。

一体なぜなのでしょうか。


結婚市場において男性医師が過大評価される原因

僕が導き出した答えは、やはり人間の行動心理が産んだ1つの不合理であるという説。つまり「仕方がない」。

原因仮説1ー確率加重関数による確率の誤謬

行動経済学の本を読むとわかりますが、人間は直感で感じた確率と実際に起こる確率を誤謬してしまうという不合理行動をとります。

特に低い確率を高く見積もり、高い確率を低く見積もる傾向があるのです(プロスペクト理論における確率加重関数)。

例えば、まず当たらないはずの宝くじを当たると思い込んだり、地震のニュースを見ると「もしかしたらここも地震が来るかも」とかなり低い確率で起こる事をあたかも高い確率で起こるように錯覚してしまう事はありませんか。

逆に、本来であれば高い確率である事、例えば車の運転をしていて事故死する確率を低く見積もって、それよりも圧倒的に低い確率で起こる飛行機事故を心配してしまう傾向が、人間にはあります。

同じように、年収2000万の外資系企業に勤務するエリートサラリーマン、まがりなりにも医学部を卒業し医師免許を取得した医師、年収5000万をとっても経営が問題ない会社を作り上げたCEO、日本の中でも有数の優秀な人材である彼らのうちいずれも年収が急にゼロになるという事はほぼありえないのに、それを高く見積もってしまい、安全策を取る人が多かったのではないか、と考えます。

過度に不安になり安定を求めた結果、正しい期待値の選択肢を選べなかったのではないか、という事です。


これは1つ、おそらく正しいと思われます。

しかしそれだけでは説明できないくらい、あまりに圧倒的な差が生まれたので、うんうんうなって考えていました。


原因仮説2ー歩みたかった人生を歩んでいる男性に憑依し職業を疑似体験したい欲望

あまりに謎だったのでTwitterでつぶやいていると、古くから交流のある先生から、こんな返答をいただきました。

自力でキャリアを築く志向や、自信がないか、すでに挫折していて夫のサポートをすることで夫の「社会貢献度」に憑依したいというのがあると思います、お受験ママも同じです。
でもそういう人は夫(の職業)をすごく尊敬しているので、献身的で家事育児手伝えなんて言わないし、夜中に呼び出されても「ご苦労様」って快く送り出します。夫の方も尊敬されるとモチベ上がってブラックだなんて不満も言わず、出世したりしやすい。
子供にも「しっかり勉強してお父さんのように人のために役立つ仕事をするのよ」って畳み掛けるので医学部合格間違いなし。息子が自分より偏差値高い大学に合格でもすりゃ妻への感謝で胸アツ、老後も夫婦円満…です。

な、る、ほ、ど。なるほど。

これはつまり、経済的なメリットの他に、女性は自分が疑似体験したい人生を持っている相手かどうか、で選んでいるという事ですね。

「こんな仕事についてこんなインパクトを社会に与えたかった」という気持ちを体現している男性に憑依(良い言葉ですね)し、自分の子供にも言の葉をかけ続け次世代にすらそれを憑依させる、と。

ただこれはあくまで表現系に過ぎませんね。つまり女性がなぜその職業を疑似体験したくなったのか、という根底の理由があるはずで、それがこの場合での真の理由でしょう。

親に医者になれと言われ続けたけどなれなかった。
医学部を目指したけど挫折した。

などでしょうか。女性側の養育環境に深い原因がありそうです。

仮に養育環境は普通で、上記のような医学部挫折歴が無くとも、社会貢献度の高い職業を疑似体験したいと思う女性の心理は、わからなくもありません。

仮に保険の営業を職業としている場合、少なからず計算上は自分が売っている商品を買う顧客はトータルで見れば損をするはずで、売る側はそれを理解しています。

でなければ保険会社が利益をあげる事はできませんから。

そういう職業に従事していて、良心の呵責を感じて社会貢献度の高い職業を疑似体験したい、という気持ちが芽生えるのは何ら不自然さを感じません。

他にも色々な理由がありそうですが、1つの形として「職業の疑似体験」はあり得そうです。


医師が結婚市場でやたらと高評価な理由が、少し垣間見えて来ました。

これからも引き続き調査を続けます。

また皆さんのご意見、Twitterやコメントでお待ちしております。

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