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『夢の終わり』

今まで見てきたもの全てが
嘘ではないことを願って
一体、どこまでが本当だったのか
確かめるために。

あの言葉には“本当”と“嘘”が
半分ずつ絡み合っていました。

夢を見ていたんです。
だって、そんな夢みたいな現実あるわけがない。
私が『都合のいい部分』しか見ていなかったんです。
ほつれた嘘に気づかないふりをして。

隠していた本性はずっと
心の中で見下して笑っていたんでしょう。
馬鹿な女って。
それに気づいた瞬間
今まで真剣に悩んでいた自分が
本当に馬鹿みたいに思いました。
それでも私に向けてくれた無邪気な笑顔は
作り物ではなかったと思います。

疑う自分、期待してしまう自分。

入り混じった感情から抜け出せないまま、
行ったり来たり。

些細なことでときめいて、
ひとりで勝手に落ち込んで
重なった偶然に振り回されながら
全身全霊で恋をしたこの3ヶ月間は
例えこんな呆気なく終わるとしても
愛おしくてたまらない。

なかったことにはできない儚い朝のふたりを、
今でも密かに信じているのは
自分の気持ちには正直にいたいから
なのでしょうね。

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