見出し画像

雪残る日光と「亀六」のたい焼き

少し前、雪が降ったばかりの日光に行ってきた。

お昼には湯葉料理を食べて、

「油源」の湯波づくし膳。ほとんど湯葉だけど、ぜんぶが湯葉ではない。
例えば、中央の野菜は湯葉ではない。


神橋(しんきょう)や東照宮を回り、

神橋。奥は封鎖されていて、向こう側へ渡ることはできない。
行って、見て、帰ってくるだけ。でもまあ旅行ってそもそもそんなもんだ。



そして・・・お目当てのひとつである、「亀六(きろく)」というたい焼き屋さんへ向かった。

こちらのお店は、東照宮のすぐ近くにあって、キッチンカーでたい焼きを焼き、売っている。
キッチンカーの中で、お父さんがたい焼きを焼き、お母さんが注文・お会計を担当されている。とてもこじんまりして、かわいらしい感じだ。
私が行ったときには、既に10人くらいのお客さんが並んでいた。


「亀六」。キッチンカースタイル。のれんの文字がかわいい

小さいお店だし、なにせ焼くのがお父さんお一人なので、注文してから焼き上がりまでには、それなりに時間がかかっていた。

でも、その時間がかかる感じにお客さんたちは全然イライラしているわけではなく、むしろみんなでお母さんとお父さんを応援しているような、温かい雰囲気だった。お客さんどうしで小銭を出して、お店側におつりを出してもらわずともすむよう自主的に調整したり。

私も、その雰囲気を楽しみつつ、次に向かう観光地などを調べつつ、お店の写真を撮ったりなどし、のんびりと焼き上がりを待っていた。

そのときだ。

「も、もうキちゃうんです!!!!
生でもいいですからっっっ」

私の後ろに並んでいたお客さん(上品な雰囲気の女性)からものすごいワードが飛び出し、私は思わずあらぬことを想像してしまった。

えっ ここってラブホテルかなにか?!

もちろんそうではない。ラブホテルではない。
「休憩180分5,000円」ではない。「焼き上がり20分200円」のたい焼きだ。なに言ってんだ私。

話が変わるが、私はこの「休憩」という言葉が好きだ。
ちょっとでも部屋の空き時間を減らして稼働率を上げたいというホテル側の意向と、ちょっとでも安上がりにコトを進めたいという客側の意向、それぞれのいやらしさをオブラートに包んでスマートな漢字2文字にまとめるという。でも隠しきれてないところがなんとも。

さらに話が変わるが、昔、「まだホテルに行くような間柄ではないがいい感じの人」と2人で出かけた際、駄菓子を大人買いし盛り上がったことがあって。買ったはいいものの、食べる場所がなくて、「休憩できるベンチとかなら駄菓子食べられるよね」となり、2人して何も考えず「〇〇(地名) 休憩」で検索したら検索結果にラブホがズラリと出てきてしまい、めちゃめちゃ気まずくなったことがある。スマホ画面をのぞき込む私たちはうまえもんのような顔をしていた。


さて、話は戻って。
どうやら、その女性には乗りたいバスがあったらしい(日光東照宮は、日光駅から歩きだと少し時間がかかる)。
しかし、たい焼きの焼き上がりに想像以上の時間がかかり、バスに間に合わなくなりそうだったので、(火が通ってなくてもいいから)生のままでいいから提供してほしい、と言いたかったようなのだ。

まあとにかく、妙な想像をしてしまったが(ぜんぶ雪のせいだ。)、私も最後にはたい焼きを頬張ることができた。雪の水分が靴の中までしみこんでしびれるように寒い中、渡されたたい焼きはアツアツで、もうその時点でごちそうだった。一口かじると、生地のホットケーキのようなやさしい甘さや、やや強めの卵の存在感にほっこりとした。あんこの甘さがこれまた優しく、とってもいい思い出になった。

「亀六」のたい焼き(つぶあん)

そして、日光駅前の「明治の館ケーキショップ日光駅前店」にも立ち寄って、チーズケーキ日瑠華(ニルバーナ)も食べた(食べてばっか)。
これがもう、大げさではなく、人生で食べたチーズケーキの中でいちばんにおいしくて、感動してしまった。とってもさわやかなのだ。私は一般にチーズケーキがさほど好きではないのだが(それなのに名物と言われると食べてしまう私の食い意地を褒めてくれてもいいヨ)、このチーズケーキは、食べ終えた直後にもうひとつ食べたいと思ってしまうほどおいしかった。店舗の2階がイートインスペースになっているのだけど、あたたかみある空間で、ケーキのおいしさもひとしおだった。とってもオススメ!

オススメしているのに、店名を隠すようにフォークを置いてしまう
私の不器用さを褒めてくれてもいいヨ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?