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自由律 #11

道路の落書きを一応踏まない

小さい大は小なのか

褒めてはいるが名前を間違えている

死闘の決着を検索で知る

レディースセットを注文できた


行きつけの中華料理屋がある。だけど流石に飽きてきた。行きつけという枠組みに囚われ「行きつけの店がある自分かっこいい」と自己陶酔に陥っていたのだが、冷静に考えてみると、うん、しっかり飽きていた。美味しいことに変わりはないのだが、飽きてしまったら仕方がない。新たな店を開拓しようと思った。

中華料理から離れている方が良い。何がいいだろうか。「行きつけの店がある我は他の店には目もくれまい」と視野が狭くなっていた中華料理店に通う道中、深層心理で気になっていた店はなかっただろうか。うん、あった。それはあのカレー屋だ。

ということで、ワクワクしてそのカレー屋に向かった。初めてきた店だから勝手がわからない。どのメニューが無難で、初心者向けなのか。そういう時は隣の客の注文を参考にしよう。

昼休憩おじさん。店員を呼んだ。店員が来た。耳を澄ませる。

「レディースセットで」

一瞬戸惑ったが、当たり前の事実を確認した。メンズがレディースセットを注文しても問題ない。なるほど。よし。自分もそうしよう。おじさんに習ったから今まで注文したことがなかったレディースセットも躊躇せず注文できたのだった。

ちなみに、ここでのレディースセットというのは「量は少なく、いろいろなルーを比較的安く楽しめる」というお得なセットなだけであって、「レディース」という要素をどこに見出せば良いのかわからないのである。世のレディースセットはレディースだけに向けられて用意されたものではない、という事実を常識として容認するのであれば、世のレディースセットは全て名前を改めるべきではないだろうか。例えば、、、。店ごとに考えて頂こう。

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