「みぞみぞ する」新たな感情との出会い

「カルテット」というドラマをご存知でしょうか。2017年にTBS系火曜ドラマ枠にて放送されていたテレビドラマです。
私自身はこのときリアルタイムでは見てませんでしたが最近になって「え、みぞみぞしたことないの?面白いから見てみて」と、謎の言葉で人から勧められて見てみるとドラマ内で使われていたその言葉を日常的に多用するほどハマってしまいました。

今や私の口癖になってしまったのが

**「みぞみぞ 」です。 **

「みぞみぞ」という言葉はカルテットの登場人物、満島ひかり演じる世吹すずめの口癖のようなものです。
ドラマ内で突然「みぞみぞする」「みぞみぞ してきました」などとなんの説明もなしに発せられ、視聴者たちは「みぞみぞ って何だ?」と困惑します。

作品内で世吹すずめはこの「みぞみぞ」について、何のことかと問われたことがありますが「みぞみぞするっていうことですよ」と答えになっていない答え。

しかし、この答えが正解だと私はのちのち理解できるようになりました。


「ムラムラ」とは似て非なるもの

まず初めに誤解を招かないように言っておきたいのは、みぞみぞ=ムラムラではないということです。
私は初めてみぞみぞした日からTwitterに毎日のように「みぞみぞする」関連の投稿をしていたところ、久しぶりに会った後輩に「毎日欲求不満なのかと思いました」と言われました。この勘違いは他にも何件かありましたが、みぞみぞ=むらむらには直結しません。
しかし、間接的につながることはなきにしもあらず。
後述しますがみぞみぞの解釈は人それぞれだと思うのでむらむらしたときにみぞみぞしてしまう人もいるかもしれません。


言葉が先か、感情が先か という話

私はこの「みぞみぞ」という言葉に出会い、今まで言葉で言い表すことができなかった感情をこの言葉で表現できるようになりました。
言葉が先か、感情が先か、というだけで誰しもみぞみぞした経験はあるはずです。

たとえば、初めて人を好きになった時のことを覚えているでしょうか?
好きな人と接した時の胸の高鳴り…。
初めて覚えた感情。
それを感じた時、その感情を言葉で表現できましたか?
「ドキドキする」という言葉を知っていたらその感情をそう言い表せたと思います。
一方で、「ドキドキする」という言葉を知らなければ「初めて経験するこの言葉に表せない感情はなんだろう…」と思い、のちに「ドキドキする」という言葉を知った時、その時の感情に後からその言葉を当てはめているはずです。

また、泣いている赤ちゃんを想像してみてください。
なぜ赤ちゃんはよく泣くのでしょうか?
多くの場合、自分が思っていることがあるのに言葉を使うことができないために周囲に伝えることができないからだと思います。
そこで「泣く」という行為で感情を伝えようとするのです。

これは大人になってからでもよくあることだと思います。
成長するにつれ、感情は混ざり合い、複雑になっていきます。
言葉を知らないと感情を表現するのが不自由です。
心の中で思っていることがあるのに複雑な感情を上手く言葉で表現できずに人に伝えられず苦しんだことはないですか?

特に恋愛感情などは。


「大人の恋は やっかいだ」

それでは私がどんな時に「みぞみぞ」するのか、お話ししていきましょう。
まず、同作品内の印象に残っている台詞を1つ紹介します。

あなたといると2つの気持ちが混ざります。
楽しいは切ない。
嬉しいは寂しい。
優しいは冷たい。
愛しいは…虚しい。
愛しくて、愛しくて、虚しくなります。
語りかけても、触っても、そこには何もない。
じゃあ僕はいったい何からあなたを奪えばいいんですか。

これはカルテット第4話での松田龍平演じる別府司の言葉です。

私はこの台詞を聞いた時に自らの恋愛経験と重ねて「ああ、これがみぞみぞなんじゃないか」と初みぞみぞしたわけです。
上記のようないろいろな感情が同時に沸き起こり、複雑に絡み合った時、それを一言で表現するのは難しい。
これを解決したのが「みぞみぞ」です。

ドラマ「カルテット」のキャッチフレーズは「全員片思い、全員嘘つき」

そして「大人の恋はやっかいだ」をサブテーマに据えています。
この複雑でやっかいな大人の恋愛感情を「みぞみぞ」という言葉を使って表現するのは言い得て妙だと思うようになりました。

作中で「みぞみぞ」という言葉が使われている場面は恋愛とは無関係な場合が多いですが、私の場合は良くも悪くも恋愛イベント発生時に使うことが多いです。


「みぞみぞ」の用例

次に、みぞみぞの用例をいくつか紹介します。


好きな人と2人きりになってみぞみぞする。

この「みぞみぞ」は好きな人と2人きりという状況で喜びを感じると同時に「どう接しよう何を話そう」といった緊張感もあるという心境を表しています。

昔好きだった人を街中で見かけてみぞみぞする。

過去の恋愛を思い出した時にも私はよくみぞみぞします。
昔好きだった人に再会した時って複雑な気持ちになりませんか?
懐かしんだり今は何してるのかなと考えたり好きだった頃の気持ちを思い出したり…。
そんな気持ちも私にとっては「みぞみぞ」です。

この曲を聴くとみぞみぞする。

失恋後、さらに自分を追い込むはずなのに失恋ソングを聴いて涙を流した経験はないでしょうか。
苦しみから解放されたいのに自分と似たような状況の曲を聴いてまた苦しむ。なんとも複雑な感情です。
悲しい歌だけではなく、自分の心情に当てはまる歌もみぞみぞする歌です。
例えば私の場合は、カルテットの主題歌である『おとなの掟』を聴くとみぞみぞします。


「みぞみぞ」とは

結局「みぞみぞ」とは何なのか。
その答えは「みぞみぞするっていうことですよ。」
この言葉に尽きます。

みぞみぞというのは状況に応じて意味が変わる、例えるなら「やばい」のような便利な言葉として私は使ってます。

「みぞみぞ」についてここまで説明してきましたが、なかなか上手いこと説明できずにいる私の今の心情も「みぞみぞ」です。
この記事を読んで「みぞみぞって結局何なんだ!」と思っているはずの皆さん、それも「みぞみぞ」してるってことですよ。

言葉が先か、感情が先か。という話をしましたが、言葉を知ることで人に自分の感情を伝えることができるようになります。
今まで言い表せなかった感情を「みぞみぞ」という言葉で表現し、発信してみてはどうでしょうか。
あなたが思う「みぞみぞ」でいいんです。
たとえ理解してもらえなくても、ひとりで抱えてる思いを言葉にして表現するだけで少し楽な気持ちになるかもしれませんよ。


#みぞみぞ #とは
#大人の恋愛 #感情表現 #好きな言葉 #言葉の力





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?