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いきなり、では無くまわり道だったNikonF2までの道のり

まだデジタル・カメラがオモチャ同然の家電だった頃にカシオのQVシリーズに飛び付いた私でしたが、単三電池を4本もあっという間にカラにする燃費の悪さと起動の遅さに堪りかねてフィルム・カメラに戻る決心をしました。

人気のC社のAF(オートフォーカス)一眼レフは見栄えもホールド感も申し分無しでした。なのにシャッター幕に油が漏れるという致命的欠陥が露呈して北海道旅行のネガを半分以上黒くマスキングしてしまったのを機に2台あったボディと数本のレンズもろとも売却したうえでニコンに乗り換える事にした訳です。

デジカメとほぼ同時期に生まれたAPS※と言う新しいフィルムを使う一眼レフの機種が私のファースト・ニコンでした。ふた昔前にポチッとして翌日やって来たのがニコンプロネアSです。
Fマウントレンズが適合するのが最大の動機。広角28ミリやポートレート専科の85ミリは次に買ったニコンFM10でももちろん活躍。

ニコンFマウントのレンズがそのまま使えてサイズはコンパクト.フィルムの装填も簡単で使い勝手やフィルムのの画質はほぼ同等,失うものの少ないシステムだとと考えられていました。しばらくはどこへ行くにもコイツが右手に。そのコンパクトさは、レンズ次第では今のミラーレスにも劣らないものでしたが・・・

ニコンの他にはM社やP社のボディ、レンズマウントを揃えた時代もありますが初期のオートフォーカスはまだまだ初歩的で、動作も遅く後継機にとって替わられる運命でした。とりわけボディの一部に発泡ウレタン素材を使ったものは経年変化で加水分解する為か、いつの間にやらベタベタになって手を汚してしまいます。古い世代の液晶画面はやはり経年変化で真っ黒になったり、蓋や可動部分にフレキシブル配線を使ったものでは、これが硬化して破断してしまったり‥‥そうこうするうちに、リチウム電池を繰り返し使用するデジタルカメラの時代に移行して、CR2とか2CR5と言った特殊な電池を近所のスーパーで見かけなくなって久しくなりました。

ニコンF3からは電子シャッターが採用され、オートフォーカス機には電池が不可欠。その電池も旧式のものは市場で見かけなくなり、レジ横のカラーフィルム共々簡単には見つけられないアイテムと化しました。そして我が家のカメラバッグからも数多くのオートフォーカス機が旅立って行きました。今買い戻すにしても、二束三文で全部揃いそうな価格で。

そして、手元に残っているのがデジタル一眼とF2、それに件のプロネアS。もうAPSフィルムが入手できない以上,ixレンズ共々出番を逸してしまいました。F2に比べて、その半分も活躍できなかった可哀そうな新機種です。同時期に発売のF5やその後のF6も今はなく、ミラーレスでないデジタル一眼の国内生産も終了。そういう2020年代を迎えています。

不滅の35ミリフィルム?は今また人気沸騰気味なので、暫くはニコンF2も主食を心配せず生き永らえそうです。

注※APS-Cとは? よく目にするものの一体何?

デジカメとほぼ同期デビューながら35ミリフィルムよりも先に絶滅した全く新規のフィルム規格を使うカメラシステムがAPS=アドヴァンスド・フォト・システムでした。カメラ・フィルム大手各社が協議して簡易さや自動化を目論んだ最新のフィルム・規格として発展する筈だったのが、結局デジタルカメラの普及や35ミリフィルムの汎用性には太刀打ち出来ずに終わってしまったカメラです。

デジタル一眼レフは当初このAPSのうち、縦横比がこれまでと同様なサイズをCCD(撮像素子)のサイズとしたので、APSカメラは消えても表記だけは未だに健在というわけです。
しかしミラーレス化と共にフルサイズ=35ミリフィルムと同等のサイズを持つ機種が増えるにつれて、やがてはAPSーCも…

そういえば35ミリフィルムに戦いを挑んでは消え去っていったフィルムが数知れず。半世紀ほど前の110フィルムはカートリッジに巻き上げロール共々内蔵したカセット式でしたが画面サイズが小さくてスパイ用カメラには大きすぎて

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・・・・10年余りたって登場したのはディスクカメラシステム。円盤状にフィルムのコマを並べたものでした。カメラも薄型で、その頃はCDで音楽は聴けるようになったり、コンピューターの記憶装置としてフロッピーと言う円盤状の薄い記憶媒体が時代の先端を走るデバイスだったりしました。しかしこれも10年後には忘れられ、短命に終わりました。

135と俗に呼ばれる35ミリ・フィルムはそもそも映画用の長尺フィルムをカメラ用に流用したもの。120や110規格に比べて汎用性が高いだけでなくプロの使用にも耐えられる画質を持っていたのが長寿の秘訣です。おそらくは地球上で最後に残るフィルムの規格となるのではないでしょうか?

だから、いつまでもニコンF2を持っていても無駄にはならないのです。もしも壊れたら?今なら安価にまた一台手に入れられると思いますが

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