半世紀ぶりの悪夢? 10月6日の武力衝突・あれから50年・ハマスの蛮行

今月もあまた、食品類の値上げラッシュ。発泡酒もう買えないじゃん!
と嘆くばかりでなく、トマトだって相変わらずの高値、この物価高は一体どうしちゃったの?とインフレ経験のないお若い人にはきっと理解不能なことでしょう。

私には経験があります。
50年前のオイルショック、第4次中東戦争のおかげで石油の輸入が途端に滞り、石油価格が急騰!。と言うことは生活をめぐるあらゆるものの値段が今と同じようにジワジワと上昇していった
・・・・そんな時代を経験しています。

それ以前は確か国鉄の券売機には30円の初乗り運賃のボタンがあったのにある時一挙倍額の初乗り60円に!
ガソリンだって、リッター100円を超えるかもしれない、と大騒ぎになったのはもちろん、休日のガソリン・スタンドの営業が全国一律で中止になったからさあ大変!日曜のドライブは日帰りが必須、な上に休日前にはガソリンスタンドの前で給油の順番待ちの長い列・・・・・

トイレに行くのも一苦労です。
風説の流布が原因だったのか?SNSなんて無かった時代に口コミで紙資源も枯渇しそうだ、と言うデマを根拠に売り場という売り場からトイレットペーパーがあっという間に消滅。駅や公園のトイレからは瞬時に無料のトイレットペーパーが姿を消します。これも2020年のマスク品薄騒動を思い起こします。

実際に日本人の排泄する量なんて一ヶ月程度でそんなに急増するわけもないのに、みんな不安が先立って家庭の在庫を増やし始めちゃったものだから、トイレット・ペーパー買うにも大行列。この頃の古紙回収業は言ってみればバブル需要で月収60万なんて軽く稼げたのだとか?

そう、まだカローラもスターレットも60万円あれば、最低限のグレードは買えた時代でした。軽ならフル装備で注文したってそんな金額にはなりません。40万も用意すればホンダやスズキの新車が買えたほどです。
それがオイルショックを機にジワリジワリと価格が上昇し始めてモデルチェンジのたびに数%ずつ高いプライスタグを掲げるようになっていきます。77年発売の2世代目スターレットでは最低でも70万円近く出さないと・・・・これは初代マークⅡが買えるほどの金額です。100万円を超えるカローラも当たり前になっていきました。スカGだって、ベレGだって元々は80万円台で新車が買えた車ですから。

オイルショックの影響は新車開発にも大きな影を落とします。
そうでなくても各メーカーは排気ガス対策に開発費を多く割かれ、とてもデザインに予算を振り向ける余裕など無かったことでしょう。この時代のカー・スタイリングに見るべきものが無かった事も頷けます。

オイルショック直前に発売され、難を逃れた新型車もすくなくありません。
日産は1973年年頭にバイオレットを発売。これは実質的な510ブルーバードの後継者と目されるもので、日産系列の販売店ではボトムエンドを担う位置付け。後方視界を無視した大胆なファストバックデザインはのちのマイナーチェンジで大改修を余儀なくされたほどでした。
サニーも僅か3年のインターバルで豪華に、ダイナミックに変身。おかげで軽量高性能な旧型サニー・クーペ110系が却って人気を博する結果にも・・・・

トヨタもイタリアンルックをまとったパブリカの後継車スターレットを発売。まずは2ドア・クーペから投入してスペシャルティ感を演出しました。夏が終わるとコロナもやはり3年のインターバルでフル・モデルチェンジ。スターレットにしても今度のコロナにしても、当時のトレンドだったコークボトルラインに見切りをつけ、直線基調のシャープなラインを多用していたことは、翌年発表のワーゲン・ゴルフに先んじたものでした。

軽騎兵を訳した三菱ランサーもこの年初頭のデビュー。カローラ・サニーに比べて軽快なイメージだったのは賢明な判断。やがてこのクルマが国際ラリーで凱歌を挙げ、ラリーの三菱を強く印象付ける嚆矢となる。


そんな高度成長の最後の年が暮れ、迎えた1974年は逆風の真っ只中、4年ごとの大掛かりなモデルチェンジが計画的な陳腐化だと批判の矢面に立たされ、この年デビューした3代目カローラの広告には新型の文字は見当たらず、カローラ30を前面に打ち出していました。旧20型も併売する形で新車種追加の体裁をとったわけ。

ダイハツの小型車はパブリカやスターレットの委託生産に自社のバッジをつけたコンルテが占め、軽以外の自社開発は空席となっていた・・・・そこに、旧型となってしまったスプリンターセダンを衣装がえして、シャルマンという4ドアセダンを発売。つまりトヨタ開発のセダンをダイハツ独自の車として生産したもの。

また、すでにGMの大傘下に入っていたいすゞからはベレットを刷新する形でオペルのカデットを国産化した、ベレット・ジェミニを発売。エンジン以外はグローバルに生産されるオペル車のもの。これは後年のいすゞアスカにも通じる手法。開発費は大きく節約できる計算・・・・

大掛かりなモデルチェンジとしては旧型が販売伸び悩みで苦しんでいたクジラ・クラウンこと4代目の刷新が目新しい。立派なフロントグリルを持ち、保守的でクラシカルな意匠に改められました。まだまだこの年の新型車はオイルショック以前に企画、開発されたものであって、本当に企画段階から影響を受けた車がデビューするのは翌年以降。

シビックが好調で、排気ガス対策にもいち早く目星をつけたホンダは、商用車以外の軽に見切りをつけてライフの生産を終了、生産ラインはシビック増産に振り向けられる。アメリカではこの小さな市民が大好評で新しい世代のホンダを代表する看板車種となります。

1973年10月、予期していなかった石油資源の飢餓状態が社会を、生活を、文化を大きく変える結果となったのです。
そして、今パレスチナ側の過激組織;ハマスのイスラエル攻撃
大規模テロと言っていいやり口にイスラエルの反撃も無理のない行動かもしれません。しかし、この文を追記している時点で犠牲者は1000人超。歯止めは効くのか?ウクライナの戦火が収まらないうちに、世界は再び混沌へと向かっていくのでしょうか?
アラブ諸国の対応が気になります。なぜって、もし、また原油が政争のタネに使われたら・・・・・・

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