vs京都サンガ のようななにか

試合の話はしません。


さて、リーグ戦5戦1勝2分2敗からのルヴァン敗退決定という状況で迎えた代表ウィーク。
個人的にはこのタイミングで「CH,SBにかかる被カウンター時&撤退守備時のオーバータスク軽減」のための配置の修正があるんじゃないかと予想してたんですが、結果的に京都戦はいつものメンバー、そしていつもの戦略を遂行してきました。


で、実はこの代表ウィークにクラブハウスに行き、1日だけ練習見てきまして。

そこでヴァイラーの志向というか、方針がなんとなく見えた気がしました。


そこで思ったのが、ヴァイラー監督の志向の大筋は。実は我々の印象よりもこれまでの鹿島っぽさの色が濃いんじゃないかという事。

次の試合に勝つための小手先の効率の獲得ではなく、優勝するための、本質的なチームの成長の優先順位が高くて。

よりみんなが上手くなり、より強い集団になる。
そのために必要なアプローチをより大事にしてるんだなっていう印象を受けました。

選手を縛るメリットよりも、縛らないメリット、つまり選手の考えしろを残す事を重要視。

つまりベンチからの手助けによる改善を施し続けるよりも、選手達自身のピッチ上での対応力を育む事を目指した方が、優勝への最終的な近道だという思想。

これはかなり、これまでの方針に近い。

と同時に、それは自分がこれまで「これでは厳しい」と否定してきた方針に似ているという事を指します。


ただ、現状これで厳しいとは思ってなくて。

じゃあなぜこの似た方針で、従来は厳しいと思っていて、現在はイケると思ってるのか。

それは、従来と現在では、似てるようで明確に異なる点がいくつかあるから。


そのうちの1つ。
それはやりたいサッカーと、やるべき最低水準が選手側にハッキリと提示されているという事。

従来の鹿島は「選手のできない」に対し、チームとしてやろうとする事の水準を下げて対応してきました。

相手に合わせた、組織的な連携の伴う前プレを仕掛けることが「できない」。
→それなら無理に前プレをすることなく、全体のラインを下げてミドルブロックを敷いて安定させましょう。

最後方からボールを繋ぎ、ズレを作って着実に前進していくことが「できない」。
→それならロストからの失点というリスクのあるビルドアップはきっぱり止めて、ロングボールでリスク回避する事を優先し、ミドルブロックからのロングカウンターに狙いを絞りましょう。



そうやって「できない事はしない」というやり方で、大崩れしない、75点以下を出さない方針でやってきました。
結果的にリーグ戦でも毎年上位。カップ戦でもまぁまぁの所まで行ける。

でも75点では今のJリーグでは優勝できないんだから、できない事を減らし、できる事を増やしていかないと。いつまで経っても優勝を掴める90点をたたき出すことはできないじゃんか…

これが従来への指摘。



ただ現在、ヴァイラーは「選手のできない」に合わせて、やろうとすることの水準を下げません。

相手のビルドアップに対して自分達から形を変えながら前プレを仕掛け、主導権を握りに行く。
奪ってからは最速で縦を狙い、後ろからもガンガン追い越して相手ゴールに向かって迫力を出す。
攻撃が終わればまた前プレを仕掛ける。

この
「自分達はやれるけど相手には追いつけない縦へのスピード感」
を追求し、そこで相手を上回る。

これを成立させるための高い強度と広いプレー範囲は、もうとにかく頑張る。
頭を使って頑張らなきゃいけない量は極力減らす。それは目指す。
でも最後はとにかく頑張る。


そしてこれを遂行するために選手達に求める水準は、絶対妥協しない。

水準に達してない選手を使い、できない事をしないサッカーをして75点をキープしに行く事はしない。

あくまで試合で使って欲しければ、監督の要求する水準まで達するための努力と成長を重ねる必要がある。


できないを妥協せず、自分達に厳しく、高い目標に向かってチャレンジし続ける事が求められる環境。

これがあれば、チームが75点に停滞(進化する他クラブと相対的に見て後退)することなく、高い所を目指し、常に前に前に進んでいける。

より強くなるために、なにが必要なのか、なにを頑張れば良いのか。
それが選手達に提示されている(現在)といない(従来)では、あまりに差が大きすぎる。


とはいえこの方針にも当然デメリットがある。
それは90点を狙うことにこだわるあまり、バランスが崩れ出力が70点を下回ってしまう可能性を生むという事。
できない事をしないサッカーをしていれば落としていなかった試合や勝ち点をも落としてしまうリスク。


これは選手が要求水準を満たせなかった時、つまり

頑張り切れなかった時
もしくは
頑張らなきゃいけない量を減らすため頭を使うべき所で、十分に使えなかった時

に起こり得る問題だ。

当然起こり得るし、もう既に今季何回か起きている。


ただ、その問題が発生したことを経験値とし、また理想とするサッカーを遂行するためにどうしていくべきなのかを練り上げていける。
選手達が考えしろのうえで、考える。成熟していく。


これは従来と同じ放任に見えるかもしれないが、

・90点のサッカーをするために何をどう頑張れば良いのか?という目標から選手が考える状況
と、
・監督が要求しているサッカーを遂行するためにどう頑張れば良いのか?という手段から選手が考える状況
は、大きくアプローチが異なる。


前者はいくらなんでもキッツイけど、後者なら鹿島の選手はやれる。
俺はそう思ってるから、従来と現在は異なるし、従来なら厳しくとも現在の環境なら優勝できるチームになれると思ってる。


ま、とはいえ現在は戦略の概要から始まり、試合のペースコントロールや配置が今居る選手とそれらができる事に寄り添って練られてるし、シンプルにその辺の精度からして従来と違うと思ってるのと、
あくまで志向の大筋は似てる所あるけど、コーチングスタッフからの手詰まった時の補助も純粋に現体制の方があると思ってるのもある。


はー疲れた。
まぁ要するに、現在のチーム環境は選手達の判断力を含めた成長がベースにあるという点で従来と似てる所はあるもののその内容は異なり、より理想的な状況だという事。
そしてこれからナイトゲームになって涼しくなるし、ルヴァンも終わって日程緩和されるから頑張りきれないっていう試合は減って、相手に対策もされるけど同時に鹿島の選手の経験値も上がってくわけだから、今焦って第2形態なんて大それたモノを要求するのは違うと思うよ~でも配置の調整で「頑張らなきゃいけない量」の緩和はできる余地あると思うからそういうのもできてくると良いね終わりでーす