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2018,11/17 [TM] 鹿島vsキルギス 〇2-0

はじめに

 練習試合が決定する前から「キルギス代表の練習場所として、鹿島がクラブハウスを貸していると」という事前情報がありました。そしてこの鹿島のスタメンと、キルギス・甲府のシステムの共通点から色々と検討はつきますね。この辺はさすがのアントラーズといった所でしょうか

鹿島ボール保持時

 基本陣形はこのような形。田中をトップ下に置いた4231をとった鹿島に対し、キルギスはボール非保持時になるととにかく即時に5-4ラインを形成させることを最優先。守備の開始点も後ろにしっかりと下げ、選手間の距離感を常に維持し「場所を消そう」という守備を徹底してきた。
 これに苦しんだのは左サイドで組んだ山口安西。彼らは人に仕掛けてるようで、実際のところは人のいないスペース に仕掛けてるようなものなのでこのような陣形を組まれるとプレー選択肢が大幅に減ってしまう傾向にある。とはいえ、脅威を与えるまでに至らずとも、一応左からの攻撃もあるよ?というポーズを相手に示し続けなければならないのだが、この点に関しても不十分であった。キルギス守備陣は「右は勢い任せの単騎侵入だけをケアしておけばいい」くらいの認識でいたと思われる。このようなシチュエーションでのプレーの幅を増やすというのは、2人の大きな課題となっていくだろう。その辺は比較対象の安部が器用すぎるのかもしれないが

 逆にこの『空間は無いが時間はある』環境で良さを発揮したのは1トップとトップ下で縦関係を作った金森田中コンビ。距離感維持多角形守備の欠点ともいえる(と思っている)前後を使った選手同士のスイッチにより、細かいズレが生む隙間から大きな風穴を開ける攻撃を1.2タッチの連続により作り出していた。典型的で複数回繰り返されていたパターンが、大変わかりにくくなってしまったがこのような型だ。


 このような具体性をもったプレーイメージの共有や速いテンポでの連携は、土居・セルジーニョ・安部の得意とする所。その点において互換性を大岩監督に垣間見せる事が出来たのは、彼らにとって大きな収穫となったはずだ。

 その他にこの環境に恩恵を受けた選手は本職のボランチに入った久保田だろう。制限されながらのプレス耐性に難点を抱えている印象があるが、相手ボランチからの配給をも妥協する陣形を組んできたキルギス守備のおかげもあり、余裕を持ったなかでタイミングよく散らして動き直してという得意なプレーが出せているように感じた。
しかし久保田に関してはまだまだ良くも悪くも見えてこない部分が大きいので、これ以上の断定的な表現は控えておく

 そして最後は遠藤。今日の組み立てにおける困った時の出口はほぼほぼ降りた遠藤に預けるというものだった。もちろん集計はとっていないだろうが、普段と比べてもボールタッチ・総パス数はかなり多かっただろう。言うなれば普段レオシルバ・西大伍と分担してるタスクを、なんとか1人でこなそうと奮闘していた。
縦関係を組む小田には「(こうしてね)」とメッセージを込めたようなポジショニングを繰り返しており、その姿からは小笠原の若手の育て方と通ずるものを感じた。全部は言わない、考えさせて、気づかせて、染み付かせる…。もうその域の選手になり得てるという事を再認識させられた。

 このように前半の鹿島は縦関係を組んだ山口安西・金森田中・遠藤小田の連動により、部分的な位置的優位を作り出そうという狙いが見えた。結果としては前述の通り、左は低調ながら中央の好調と右の頑張りにより形にはなっていた。結果として前半は中央30mあたりからの遠藤のFKから、犬飼→山口と左右に折り返し、最後は小田のヘディングで1-0。やはり小田は持っている

キルギスボール保持時

 基本陣形はこのような形。わかりやすい3-4-3でしっかりと5レーン配置を意識しSH遠藤山口がバックしきれない裏を突こう、バックされたとしてもそれによりしっかりと遠藤山口を最終ライン近くでピン留めしネガトラ後のリスクヘッジをしようという狙い。
結果からいえばキルギスのクオリティならば全くやられなかったわけだが、やはり鹿島の守備にも綻びが所々見られた。

 まずは先程称賛した金森田中。ここに関しては2人がこなせていないのか、そもそも具体的に課されていないのか、どちらなのかはわからないがやはり迷いが所々に見え緩さを感じる。ここの制限をなあなあにしてもどうにかなるレベルを超えてしまった感のあるJリーグにおいて、この守備連携の甘さはやはり来季に向けて修正必須だなと感じざるを得ない。ここを叩き込める指導者求ム。
 センターラインとなるCB,CHはしっかりと安定した対応を見せていた。永木犬飼に加え町田、そして久保田に関しても「獲りきるとは言わないまでもやられない守備」という評価基準においては全く問題なかったように感じる。相手が非常にシンプルな崩しをしてきた点を考慮しても、個人的には満足だった。
 しかしサイド守備に関してはそれこそ相手の粗さでなんとかなった部分が大きい。ここに関しても同様、構築とは言わずとも助けるレベルの指導者がどうしても欲しい。

後半に関して

 後半に関しては一層だらっと、温かく見ていた。
 

 感想としては、ユース上がりは基礎技術含め凄いなと。18歳とは思えない程の、アントラーズのサッカーに求められるものの理解度・浸透度。直属下部組織出身の強みが感じられ、本人達も意識的に取り組んできたのだろうと見て取れた。
そして後輩たちが入ってきた事で田中町田の気持ちがもう1段階入ったように感じた。キャプテンマークを巻いた町田は、いつもより5cm、大きく見えた。
 こうやって鹿島は進んできて、これからも進んでいくんだなと。
ユースの子の個人評価に関しては、そもそも佐々木・有馬・前田以外の2人は増崎くんと小沼くんだったのかな…?程度の知識量なのでできません。これに関しては完全に勉強不足と視力低下です。すみません

まとめ

行った甲斐ありましたー楽しかったです。来年は厳しいですがユースもうちょっと勉強します。

終盤の雑さ、お許しください。全ては21時からのかしまわラボ第一廻までに間に合わせるためだったのです…

あと、沖くんの通る声が良かったです

読んでいただきありがとうございました。