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介護の仕事4年目


福祉の仕事を始めて4年目になります.

福祉施設で,介護が必要な高齢者や障がいのある方の生活のお手伝いをしています.

時々言葉にしておくことは大事かなと思い,淡々と過ぎてゆく日々のことを言葉で残します.



はじまり

「人に優しくできる人が一番かっこいい!」

学生時代,7ヶ月のインドネシア滞在でそう感じたことが原体験になっている.

日本とは宗教や言葉が違う中,当たり前だけど,この国では日本人の私じゃなく,インドネシア人のための社会がある.

ロンボク島で見た夕日.
綺麗すぎて息を呑んだ.




私は圧倒的少数派の存在で,だからこそ楽しいけど時々生きづらくて.

あぁ,社会ってマジョリティが生きやすいためにつくられてるんだ.

「生きづらさ」を障害と定義したとき,障害は社会の側にあって,私はこの国では障害者なんだなぁ,と感じた.

そんな中,手を差し伸べてくれる人がいた.
そうやって人に接せられる人があまりに眩しかった.

高校で日本語授業のお手伝いをさせてもらっていた.
毎日楽しかったな〜


「人に優しくできる人が一番かっこいい」

人の生きづらさの形を少し変えられる人になりたいと思って,3年前,福祉の世界に足を踏み入れた.

まずは入口の広い介護の仕事からやってみよう.
介護士として特養への就職を決めた.

最初はケア実践の経験を積んでから,ゆくゆくはソーシャルワーカーになりたいなとぼんやり考えていた.

周囲からは「何で介護なの」「1年続いたら逆立ちしてやる」と言われた.
やってみないと何もわからないのにさぁー!と思いながら,成田にきた.

成田山新勝寺

1年目


そこにあるのはどんな世界だろう?
よーし,これから特養でガンバルゾ!と夢いっぱいで意気込んでいた矢先.

上長から「山本さんはしょーとすていです」と言われた.

短い?ステイ?何それ?
何もわからないところからのスタート.

蓋を開けると,そこは高齢者や障害を持った人の在宅生活を支えるための介護サービスだった.
(ちなみに共生型なので障害のある若い人も泊まれる)


初めは利用者さんの顔がみーーーんな同じに見えた.

ベッドは20床だけど,トータルで利用者さんは70〜80名くらいいて.

たくさんの情報がある中で,利用者さんの命に関わるような間違いをしないようにと,疾患や障害の情報を頭に詰め込むだけで精一杯だった.

「この人は糖尿病の方」「この人はパーキンソン病の方」というふうに.

次第に利用者さんを病気や障害の中に当てはめて認識してしまうようになっていた.

あれ?やりたいのはこんなことだったっけな?と思いながら,それでもできないことばかりでよく泣いていた.

私のふるさと岡山市瀬戸町.
キリンビールの工場が見える.

2年目

仕事の中で少しずつできることが増えていった.

ほんのちょっとずつ,こうしたら目の前の人の生活が良くなるんじゃないかな!!!と思って,実践したり,チームの人に情報発信したりできるようになってきた.

そうやって考えることや,主体的に何かできる感覚一つ一つが楽しかった.

同時に,「自分一人でできることは,ものすごくちっぽけだな」と当たり前のことに気づいた.

個別性を持つチームの仲間がいて,多職種の連携があって,それを叶える社会の制度や資源があって,初めて目の前人の生活を良くしていけるのだと.

北須賀の田んぼの風景

3年目

基本的に私はシンプルな気持ちで動いている.

憧れの先輩のようになりたい!
あの福祉楽団のベストを着たい!!
できることの幅を広げたい.


社会福祉士の資格を取るために,大学の通信課に通い始めた.

仕事が休みの日にスクーリングに行ったり,全部で31日間の実習に行ったり,いっぱいレポートを書いたり.

資格を取ることはゴールではなくスタートだと知りながらも,私にとっては結構大変で,毎日ヒィヒィ言っている.

春だなぁ


だけど,そうやって外の世界に触れることは,自分が普段いる場所を俯瞰して見る機会になった.

在宅生活をする介護が必要な人にとって,自分たちはどういう存在か?

自分たちのサービスは,社会の中のどの役割を担っているか?

今まで見えていなかったところが少しずつ見えるようになり,それを1つでも仕事に活かせることが純粋に面白い.

そして目の前にいる利用者さんはもう,「糖尿病の方」ではない.

例えばだけど,こちらは「秋田で生まれて,三人兄弟の真ん中で,東京に来てエンジニアの仕事をしていたタナカさん」というふうに.

出会い方と関係性はたしかに「職員と利用者」.
だけど,社会に生きる一人の人がうちにサービスを使いに来てくださっている,と物事や人物を立体的に捉えられるようになった.

これはごく当たり前のことなのだけれど,福祉の施設で働いているからこそ当たり前に持つのが難しくなってしまう感覚の一つなのかなと思ったりしている.

家族で熱海に行った時の桜の写真.
熱海の桜は一月に咲く🌸


新年度になり,これから施設の生活相談員として新しい道を進み始める!

生活を整えるためにケアをする人として,介護職も相談員も目指すところは変わらない.

花を飾るのが好き

だけど,相談員の仕事内容すらまだ全貌が掴めなくて,自分に求められていることもよくわからない.

「自分の仕事を自分の言葉で説明できるようになること」
とりあえずこれを今年の目標にしようなかと思う.

具体的に力になれるかは分からないけど,「山本にならちょっと言ってみようかな」くらいの軽い気持ちで話しかけられる存在でありたいとは思っている.

何でだろう?と物事の背景を常に考えること.
拙くても,自分の考えを言語化することを繰り返していきたい.

太平洋の夕日と富士山!



いつも全力だとやってけないので,ココア飲んだりギター弾いて歌ったり,家族や友達と話したりしする時間を大切にしたい.



※写真はあまり関係ないデス

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