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第1回Z級映画上映会レポ

好きな映画を問われた時に、相手を選びながら「スプライス」と答えるんですが、先日、そのスプライス観てくれた友人が予想通り陰鬱とした気持ちを抱いてくれたと思ったら、その後、別のZ級映画を観てスプライスの評価が急上昇したという報告を受けて思わず「なんでぇ!?」と叫びました。

そんな「スプライス」の評価を爆上げしてくれたZ級映画。
「初見の際には必ず声をかけてほしい」とも言われたので、シルバーウィークの大イベントとして上映会(※オンライン同時視聴会)を行いました。
下記は「ちゃんとレポート(感想)書いてね」と出された宿題になります。

【ご注意】

  • あらすじは特にまとめていません。気になった映画は各自調べてね。

  • 好き勝手に感想を書いたのでポロッとネタバレはしています。



1本目 エクソシスト・シャーク

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/0FE9TMTYDIQGUQ1CMECUVK7YBO/ref=share_ios_movie

重要そうなシーンは多々用意されているのに、それらがまったく線で結ばれないので情報だけが宙に散在してるかのような作品。
見終わった後にあらすじを読むと「そんな……話だったか……?」と疑問がうかぶ。登場人物もやたら多いので脳内での情報処理がたいへん。誰か相関図を書いてくれ。

B級(Z級)映画……というか、サメ映画ではお馴染みか……?
水着女性に対する、ねっとりカメラワークのお色気演出も盛りだくさんだけど、今考えると尺を伸ばすために、やたら冗長な演出だったなとしみじみ思いました。
こちとら水着のおねいさんじゃなくてサメが見たいのである。

今回のサメ映画としてのテーマは「悪魔鮫」だったわけですが、途中からその悪魔要素がサメでなく人間寄りになってくるし、悪魔っていうか悪霊でゾンビで吸血鬼と「悪魔」の定義がふんわり広いのがとても……解釈を狭めなくていいね(せいいっぱいの褒め言葉)

そうだね、悪しき魔ならまぁ悪霊でゾンビで吸血鬼と言えなくもないかな……欲張りすぎな気がするが。

終盤、思い出したかのように雑な扱いをされるサメくんからの謎エピローグで〆という、視聴後に動揺と困惑を残していくあたり、衝撃度は★★★★☆てかんじの映画でした。
ところであのシスターはなんだったんだ。答えはあらすじの中!!

【ここ好きPoint】

CGのサメがずんぐりまるっとしていて大変キュート!
毎回ほぼ同じ映像とお決まりのBGMが流れるので、だんだんサメくんが出るたびににっこりしちゃう。
そうなるってことは、つまり、お前も既に悪魔鮫に魅入られているのだ……

2本目 デストイレ

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/0SGCU5R7G1QT5XRDBWLVZJH4Y4/ref=share_ios_movie

「うんこ」で笑える小学生感性を抱き続ける人間にとってあまりにも好相性すぎる問題作。
この先の人生でおすすめのクソ映画教えてと言われたら真っ先にコレをあげちゃう。
嫌なことあった日に酒片手に見ながらそのまま寝落ちしたい映画ランキングベスト3は確実。1位でもいい。

開幕から音が汚いあたり「デストイレ」のタイトルまさにといった感じでテンション上がってしまう。(※個人差があります)
しかしいったい何をもって「デストイレ」なんだ……そう、このトイレ、うめき声が聞こえる上に排便に臨む者へ便器内からナイフで襲い掛かってくるとんでもトイレなのである!!
なおこのナイフは便器内で軽快に左右移動して威嚇してくるのみならず、便器内から突き上げる形で這い出てくる。物理ATK力に満ちているな。

個人的には、そんなタイトルに偽りなしのトイレの絵面で大満足したいところなのだが、改めて冒頭の紹介をご確認いただきたい。これはクソ映画である。

主人公の背景設定としてやたらゴリ押ししてくるのに、作中で特に重要な訳ではない「ベトナム戦争」のワード。ズームアップに耐えきれないチープな質感の小道具。かわいい猫。雑な話のつなぎ。音の汚いトイレシーン。
そして極めつけはやっつけ感あふれるCG合成によるトイレの爆発演出。

おまえ……!爆発オチはサイテーだって古来から言われてるだろ……!なんでそうやって雑に爆発……爆発を!重ねるんじゃない!!

さらに視聴者の困惑を誘うのが、途中に挟まれる休憩シーン(汚い放屁音つき)。
なるほど、時間にして1時間弱ほどの作品ではありますが、ここで休憩もといトイレに席を立てということですね?

そのトイレが?

もしかしたら??

「デストイレ」かもしれませんよ???って言いたいんですね!?!?!?!?

っていうことに気が付いて一緒に見ていた友人をよそに私は物凄いテンションが上がりました。(※個人差があります)

そしてエンディングにて、作中の放屁音はすべて本物という記載があり、その瞬間、私の中での評価値が爆上がりしました。

このように「クソ映画」要素がこれでもかと揃っているのに、私との相性が良すぎて何出されても大喜びしちゃうという、なかなか恐ろしい作品でした。

のちの気づきとして、本来「ホラー」にカテゴライズされている作品を「コメディ」だと認識して見てしまうと、途端にレビューが大甘になってしまうのですが、その誤った観点から論されるレビューは果たして適切なものか?
否、それは見方が邪道すぎて「レビュー」の場には挙げられないだろうな……というのは、自身への戒めとして記載しておきます。

でもまぁ自分は好きですね。デストイレ。
Prime video内に「デストイレ2」もあったのでこちらも見たいです。はやくPrime入りしてくれ。いや、レンタルしてもいいけど550円……せめて300円台かな……出せるのは……。

【ここ好きPoint】

見た人のテンションが上記の通りなのでいまさら書く必要ある?
ただ、真面目な好きPointを上げるなら、この映画、音の汚さは出してくるが、画面内にまったく陰部やうんこを出してこないあたりが非常に好感度高い。便器内もそこまで汚いわけではない。
あくまでも「トイレ」そのものの怪異に対して真摯に向き合っているともいえる。
自分も「うんこ」で延々笑える人間ではありますが、別に誰のものともわからんうんこを眺めたい訳ではないのでね……。

オマケの3本目 都市伝説物語 ひきこ

当初予定だった上記2本の後に「口直しでもするか」とぼやいたら提案されたオマケの1本。
口直しの意味って知ってるか……。いや、でもこれは「口直し」なんて失礼なことほざいた自分の罪ですな。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/0T1UU5S5FI8NXIVUGV8OZMHWHB/ref=share_ios_movie

なんとこちら、日本産3DCGホラー作品。嫌な予感しかしねェなァ!
主人公の少年の回想形式で語られる、小学生時代のとある「いじめられっ子」の記憶。
そして、某井戸の底から這い出るとっても有名なあの人似の「ひきこ」という存在。
物語の時代設定的に、一昔前。閉鎖的な「小学校」という場から生じるいじめと怨恨、その成れ果てるものとは。といった、わりかしこの手のホラーの王道要素を詰め込んだ感じ。
王道の話を、全部CGで作りましたよ的な実験作品という印象もございました。

回想に入る前に出てくる「ひきこ」の動きがホラーとコミカルさの間を絶妙に行く感じで目を惹いてしまう。
掴みが強いので、最後まで見られるだけのクオリティは得られているのだが、言ってしまうとこの最初の掴みこそが最大瞬間風速なので、これ以降「ふーん……」てなってしまう。可もなく不可もない……。

ちなみに「王道の話を全部CGで作りました」という紹介をしましたが、終盤は突然力尽きたかのような風呂敷の畳み方をする。
起承転結の「結」の糸へん書いたところで急に筆を置く感じ。どうしてそこで止まってしまった。ここまで材料が出そろっているんだからあとちょっと頑張れただろう。どうして!!
そのため、見終えたあとに微妙な謎を残して心がもやもやする。しかしわざわざ考察したり探しに行くのもなぁ……別にそこまで全部知りたい欲求がある訳でもないしなぁ……。

と、あらゆる面でもやもやを残していく作品でした。
感覚としては「エクソシスト・シャーク」に近い。しかし「エクソシスト・シャーク」よりは話の構成はしっかりしていたと思う。
なまじ、終盤まで眠くならずに見られてしまうあたり業が深い。

業が深いといえば、こちらの映画はCGだからなのか、小学校時代の先生の性格が問題だったり、子供の残酷さを出すために猫が被害にあったり、そもそもいじめと家庭で少女が辛い目にあう描写が含まれるので、ご注意いただきたい。
ちなみに「デストイレ」にもたびたび猫が出てきたけど、こちらの猫は一切ひどい目には遭わないので安心してほしい。

【ここ好きPoint】

冒頭の川沿いから全力疾走ひきこ選手は、なかなか躍動感にあふれていて映画に対する高揚感を抱かせてくれるのでこの感覚はぜひ見て感じて欲しい。
また、フルCGのせいか、画面からは終始、PS中~後期の「ホラーゲーム」の懐かしい香りがする。
そういえば怖いシーンって……あったかな……。あぁ、人間怖い系だったかな。「クソ映画」というよりは人間がクソ。

総評

今回の3本の中では言うまでもなく「デストイレ」が最推しでした。
ただしこれは「私との相性が良すぎる」とかなり贔屓目の評価なのであしからず。

映画は話題作・名作・B級と人並み程度には観るけれど、Z級クラスのものはあんまり観たことなかったので、良い機会となりました。
良い……機会だったのか?それは……?

1人で観るにはいささか苦痛だけども、誰かと一緒に見ればそれはもうエンターテイメント。なかなか楽しかったので月イチ……いや、月イチは言いすぎたな。
また大型連休合わせとかでやったら楽しそうだなと思いました。

なお、同時視聴会のために2度も同じ映画観るハメになった友人には改めて感謝です。おつかれ。

それでは最後に改めて、倫理観が胸糞すぎてあまり大っぴらにはおすすめできないけれども好きな映画ではある「スプライス」を紹介して、本レポートは締めさせていただきます。
そして「スプライス」で憂鬱になったら「デストイレ」を観よう。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/0FWLQDIYUPTITLH93AFA96P6X4/ref=share_ios_movie



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