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FF歌舞伎の観劇を悩んでるFFXファンへのプレゼン(ネタバレなし)

もし、これからこの記事を読もうとしているあなたが既に「行ってみたいけど踏ん切りがつかない」というのであれば、今すぐこの記事を閉じてチケットを予約しに行ってほしい。

もちろん、どんな感じだったのか気になるから、参考にすべく関連記事を探しに来たのであろうことはわかる
わかるが、できることならこの「FFX歌舞伎」は、演出面とかそういったものの情報を仕入れずに初見で楽しむのが一番贅沢な楽しみ方だと思う。

「FFXは好きだけど、歌舞伎化できるの…?」と思ってる方。ご安心ください。そこは本当に、自信もって言い切ります。
自分はFFXに関してはそれなりに熱量の高いオタクだと思っておりますが、そんないちオタクの自分が全力でおすすめする。できる。そんな作品でした。
観に行く前に抱いていた不安は、帰り道には「もう一度観させてくれ」という大興奮に変わっていた。それくらい素晴らしく、良いものを観た…。

当方、歌舞伎に触れるのは今回が初。
FFXが好き。好きだからこそ不安だが見届けなくてはならない気がする…と、観劇をキメた、ただのFFXオタク。

本来なら、自分用にただの感想記事に仕上げるつもりでしたが、まだそこそこの空席があるという事実が信じられず、思わずプレゼン兼ねた感想に舵を切った次第です。
演出面等のネタバレは回避してるつもりですが、うっかりおもらししてたら申し訳ないです。
まぁネタバレ踏んじゃってたらもうチケット取っちゃお???

FFX楽曲の和風アレンジが最高すぎる

これね、開演前からうっすら流れてるBGMからも伺えるけども、 FFX楽曲の和風アレンジが最高すぎる。
歌舞伎という世界観に合わせるだけでなく、聞き慣れたいろんな曲が「和」の要素でこんなにも魅力的になるなんて…!?

最初の休憩の時に「サントラ買わせてください…なんで売ってないんですか!?!?!?」とグッズ一覧を二度見しました。なんで売ってないんですか?BD特典になるんですか!?はぁ〜〜〜〜〜〜!?!?!?買います。

だいたい和風アレンジ嫌いなオタクはいない(※デカ主語)
月並みですが「other world」の和風アレンジが大変なくらい格好いいので、聞いた瞬間、見る前に抱いてた不安が全部吹き飛んじゃう。

これまた月並みで申し訳無いですが、個人的な推し曲「襲撃」も、原作とはまた異なった魅力に満ちてて控えめに言っても最高でした。あまりに好きすぎるものに遭遇すると、オタクはかんたんに語彙を失う。

本当……アンケートも書くのでぜひサントラの発売お願いします。当然BDも買うつもりなのでそちらもどうぞよろしくお願いします。

役者さん方の熱量に「ありがとうございます」しか言えなくなる

最初に大変失礼なことを申し上げると、正直、メインキャラビジュアルとっても…違和感!というのはありました。

もちろん、これは元々「ゲーム」としてのFFXを見慣れすぎているからであり、3DCGとしてのグラフィックと、実際の人間が模する実写では、そもそも土台が違うので比較するものでは無いのですが。
それでも、観るまでは本当に不安が拭えなかった。

しかし、いざ始まってみるとまず菊之助さんご自身がとっても「ティーダ」として完成されている。
冒頭の「最後かもしれないだろ」のセリフを聞いた時、本当にびっくりしてしまった。森田さんご自身のナレーションかと思いました。
お声が似てる、似せているとか……そういったことよりも、喋り方の癖、セリフに込めた感情。そういったものから「ティーダ」という存在を感じたのです。

役者さんの中には、元々FFXプレイしたことがある、今回を機に始めてみた方もいらしたそうで(Twitterで見かけた気がするけど、どなただったか失念してしまった…)、皆様本当にお忙しい中でご自身が演じるキャラクターを掘り下げてくれたんだな……と思う素晴らしい演技でした。
もう見た目とか声とか、そういった外側の要素だけじゃない。思考や振る舞い、内側から生まれるキャラクターの魅力をご自身の演技にのせて、観客の前に出してくださった。
だからこそ「キャラクターがそこに居る」かのような自然さがあった。

一際、魅力的に映ったのは橋之助さんのワッカ。FFXにおけるワッカは、世界観を語る上で特に欠かせないキャラクター。

スピラに生きる人間としての宗教観を描く役目を担い、時に仲間たちに異を唱え、葛藤する。改めて見ると、ティーダやユウナとはまた違った角度から「FFX」を描くキャラクターとして重要な役どころ。
それを本当に、文句なんてつけようのないくらい「ワッカ」として表現してくださった橋之助さん。
自分が観た日は、たまたまセリフ言い間違えのシーンがあったのですが、それすらも自然に魅せてしまうほど、役を掴んでいらした印象です。
(ラジオでたまたま橋之助さんがFF歌舞伎についてお話されてる回聞きましたが、ご自身でも「(ワッカと)似ているところがある」と仰ってた通りでした。似てるどころかワッカだよ!本物だよ!本当にありがとうございます)

1人1人、役者さん方、皆様の凄かった所を語りたいくらいですが、記事終わらない予感がするので割愛します……。
それくらい、役者さん方の熱量は凄かった。素晴らしかった……

初めての「歌舞伎」でも大丈夫。多分そんな方向けの「新作歌舞伎」というカテゴリ

今回、発表時に誰もが二度見したかと思われます。「歌舞伎!?」と。
二度見するよ……2.5次元舞台ならともかく「歌舞伎」はハードル高すぎない?ちょっと待ってくれよ、と自分も友人とLINE飛ばしあいました。
発表時は本当に不安しかなかった。(今となっては良い思い出)

伝統芸能としての歌舞伎、というものは知っているけれど、これまでに実際の歌舞伎を見るという機会はありませんでした。
お堅そうなイメージ、話がわかるかどうか不安、チケットも高そう……と、まぁ、調べればすぐに解決しそうな悩みばかりでお恥ずかしいのですが、歌舞伎に対する先入観や固定観念そのままに、アップデートすることを怠ってたのです。

そんな歌舞伎初心者が行っても大丈夫?アウェーすぎない??
あと何着てけばいい???
※ドレスコード指定とかは特にありませんでした。長時間の観劇になるので、窮屈すぎない・一般的なマナーが守られた服なら多分なんでも大丈夫です

こんな感じの超初心者でしたが、実際の公演では、冒頭で語り部となるオオアカ屋がまさに「歌舞伎の見方、楽しみ方」を教えてくれて、無知だった自分は心底ホッとしたのを覚えています。歌舞伎初心者に対して、手厚くハードル下げてくれるのを感じる……。
このチュートリアル(多分チュートリアルではない)のおかげで、とっても楽しく「見得」に合わせて拍手することができました。

また、構成自体も、前編は2.5次元舞台寄り。後編、というか、終盤になるにつれて徐々に「歌舞伎」としての色を強めていくのが感じられました。
終盤になる頃には、当初抱いていた歌舞伎への不安もすっかり消え、むしろ「歌舞伎」としての魅せ方に心動かされるようにまでなっていました。
とても丁寧に、歌舞伎を見るための土壌を自分の中に作ってもらったという印象。その構成力にただただ圧倒されるばかりです。

映像や会場ギミックによる演出。そういったものも「新作歌舞伎」という言葉に含まれているのでしょうけど、個人的には「これから初めて歌舞伎を観る方」に向けて、見方や楽しみ方を教えてくれるために作られた「新作歌舞伎」というカテゴリなのかなと思いました。
少なくとも自分は、初めての歌舞伎がこのFFXで、最高に幸せな体験ができたと言えるよ……

あと観劇直後、Twitterで勢いのまま感想ツイートしてたら、お優しい歌舞伎有識者の方が「(歌舞伎役者さん同じ苗字いっぱいいるので)ぜひお名前の方で呼んでください」と教えてくださったのも嬉しかったです。
学びを得た!ので本記事ではお名前で記載させていただいております。
初心者に優しいジャンル、果て無く栄えてほしい…。

さいごに/現地で観ることのススメ

プレゼンというか、ただの「ここ好き」記事に成り果てた気がするんですが、改めて、とても素晴らしかったです。FF歌舞伎。

こちらは観劇直後のツイート。大興奮だった様子が見受けられる。
本当はもっともっといっぱい感想まとめたいのですが、千秋楽のチケットも買ったので、自分用感想記事は後日まとめたいと思います。


今回のFF歌舞伎、観に行ける状態ではあるけれど悩んでいるのであれば、ぜひ、会場でご覧いただきたい。
演出、役者さん方の息遣いや熱量を直に感じられるというのはもちろんのこと。
それによって生まれる「没入感」も素晴らしいものでした。
自分は、いち観客としての立場から見ているので、当然、物語に入ることは叶わないのですが、FFXプレイされた方なら記憶にあるであろう、あのシーン。
シンとの最終決戦を前に、スピラ中が祈りの歌をうたう、あのシーンで、思わず、共に歌いたくなりました。
あの瞬間、自分は確かにスピラにいた。そう錯覚させてくれるだけの没入感。それほどまでに、今回のFF歌舞伎は胸動かされる素晴らしいものでした。

この記事を書き始めた頃に比べると、お席はだいぶ埋まってきたようですが、HP拝見するとまだチラホラ空席あるそうです。
どうして。
いやいや、まだまだ観られるチャンスがあるってことですね!

この記事が、観劇を悩まれてる誰かの後押しになれば幸いでございます。
ほんと、観劇直後ただただ語彙を失ったオタクになったのでみんな見てひたすら「凄かった…」て言お?


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