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#66 読みたかった本が届いて嬉しいハナシ

 いくつになっても新しい本が届くと嬉しいものだ。本屋で実際に見ながら選んで買うのもいいけれど、ネット通販でポチったものが届くのを待つ間の焦らされている感じもたまらない。
 メールで「明日届くから楽しみにしときや~」と言われた日は、遠足前のガキの如く目がギンギンで眠れなくなる。

 そして当日。自分の手に渡った瞬間は、好きな女の子から突然メールが届いた時くらいの発狂モンだ。本は裏切らないから、未読無視もしないし会話画面をスクショしてクラスの連中に晒したりもしない。本とお付き合いできる世界が良かった。

 この度購入した本は、フランスの歴史学者、アラン・コルバンの「処女崇拝の系譜」だ。興味のない方からすればクセの強い本と思うかもしれない。そもそもこれを買おうと思ったきっかけは、二人のカリスマアイドルのグループ卒業だった。

 2017年にAKB48を卒業した渡辺麻友さん、2020年に乃木坂46を卒業した白石麻衣さん。この二人が卒業を発表した時、メディアが「ノースキャンダルを貫いたアイドルの鑑!」と紹介していた。このニュース記事を読んだ時、まだこんなことをアイドルに求めていたのかよウエーってなったと同時に、そもそも日本の処女、清廉性を求める文化っていつからあるんだろうと疑問に思った。

 色々調べてみたところ、聖母マリアが処女受胎でキリストを産んだからとか、いわゆる宗教的考えが日本にも伝わって広まったっぽいのだが、いくら検索しても難しすぎる論文とか逆にふわっとしすぎている記事しかなかったので、それならちゃんと詳しそうな本を買って読んでみようと思い、今に至る。

 ちらっと調べただけでも興味深いことはいくつかあった。
 例えば、ユニコーンは処女にだけ懐くとか、世界の様々な宗教で共通認識的に処女を尊んでいたりとか。性の消費や搾取、奔放性が大きな問題となった現代にも何か通ずるものがあるのかもしれないこの作品を読んで、自分なりに納得のいく考え方を見つけたいと思う。

 今年の夏もどうせどこにも行けないんだから、みんなもいっぱい本読もうぜ。

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