見出し画像

あえて “どこ” とは言いませんが、こんなふうに思っている従業員の方はいませんか?

会社の業績が上がらないのは、上層部、役員やトップ、いわゆる経営者のせいだ!

会社が予算未達成なのは、役員や経営陣のせいだ!

自分たちの給料が上がらないのは、経営陣のせいだ!

人材不足なのは、経営陣のせいだ!

と、怒りを上層部にぶつけ、自分たちは仕事をやらされている感だけだしている…

セリフとしてはこうです。

「私たちは、こんなにがんばっているのに、なんで赤字なんだよ!なんで未達成なんだよ!経営陣は何をやっているんだよ!」

そしてまた経営陣は、

会社の業績が良くないのは、自分たち経営陣のせいだ!

予算未達成なのは、自分たち経営陣がうまく舵取りできなかったからだ。

従業員の給料を上げてやれないのは、自分たちのせいだ。

そうやって、責任を感じて頭を悩ませている…

毎年この時期がくると、来期の予算目標を考えるわけですが、事業としての必要利益を算出し、そのうえで事業目標を設定し、その目標を達成するためにはどうすればできるかを…つまり、予算根拠というやつを考えるのに頭をふり絞るんです。

そして、できたそれを従業員に対し、「来期はこれでいきます!」と示したときに、従業員は「えー?そんなん無理やん!」と反発を食らう。

「それでもこれでやらないと成り立たないんです」って、従業員の顔色見ながら、自信なさげにでも強行突破する。

で、結果が出ず、「ほら、やっぱり無理だったじゃん!経営陣なにやっとん!」となる繰り返し。

この組織…この風土…

どこがうまくいっていないか分かります?

経営マネジメントに致命的な間違いがあって、このやり方では、人は育たないんです。

まず、業績が上がらない直接の原因は、経営陣のせいではありません。

従業員です。

だって、現場を支えているのは、従業員でしょ。

従業員の働きで、収益を生み出しているんでしょ。

より効率的に、より生産的に従業員が働ければ、収益は上がります。

コストカットも従業員の働き方次第です。

つまり、自分の働き方を棚に上げて、上層部のせいにしているうちは、絶対に業績は上がりません。

そして、経営陣は業績が上がらないのを自分たちのせいだと自ら思っているうちは、従業員たちの意識は、問題をすべて他人ごとのままにします。

そもそも経営陣の役割とはなんでしょう。

確かに必要利益を算出し、予算目標を設定することは、経営陣の仕事です。

でも、それをどうやって達成するか具体的な行動を考えるのは、従業員の仕事です。

なぜなら、現場の情報を最も知っているのは従業員だから。

各現場、各セクションでも職場(セクトごとの)目標を設定するはずです。

それが全部達成できたら、事業所や法人の予算目標が達成することにつながるように設定するはずです。

ここまでは、経営陣が設計すべき実務的な処理です。

では、各職場が、自分たちの目標をどうやって達成するのか、その戦術を描くのは、現場なんですよ。

つまり、目標が達成できなかったのは、経営陣のせいではなくて、経営陣は、現場に「なぜ達成できなかったのですか?」と聞かないとダメなんです。

そして、原因を聴いた後、「じゃあ、これからどうするんですか?」ってまた聴くんです。

この関係性が崩れてしまっている組織があるんですね。

これ、なぜ人が育たないのかというと、経営陣が自分たちの役割を勘違いしているからなんです。

経営陣の役割は3つだと思っています。

一つ目は、ビジョンを描くこと

戦略は経営陣、戦術は現場

将来は、会社をこんなふうにしたい。

ここまでは達成したい…というゴール設定です。

例えば、お客さんや利用者さんの利益を優先しながら、なおかつ従業員のボーナスカットは行わず、経常利益〇〇を確保する!

これを決めるのは、経営陣にほかなりません。

二つ目は、部下(現場)がやる仕事に対し、責任を取ること。

そういう意味では、部下が目標達成できなかったことに対する最終責任は、経営陣にありますね。経営陣のせいです。でも未達成の原因が経営陣にあるわけではありません。そこを勘違いしているから誤るんです。

三つ目は、部下(現場)をコーチングすることです。

コーチングとは、相手を目標地点に連れていくサポートのことですが、めちゃくちゃ簡単に言ってしまうと、部下のモチベーションを上げて維持させる技術のことです。

例えば、日常的に部下に声をかける、現場を見に来て、「大丈夫?状況は?何か困ったことないか?なんかあったらいつでも言ってきてくれよ!」と。

こう言われて、部下は経営陣を敵視しますかね?

ああ、自分たちを気にかけてくれてるんや…がんばろ!…ってなりませんか?

これが管理です。

これ以外のことをするからうまくいかないんです。

仕事を部下に振ると、部下に悪いから…そんなふうに部下に忖度して、上司が部下以上に実務や現場仕事をしている…そして、上司が一番いっぱいいっぱい…

上司も部下も勘違いしている。

役職者が一番忙しくあるべきだと。

自分たちはこんなに忙しく働いているのに、上司は座ってコーヒー飲んでる。

はあ、いったい上司は何の仕事してんの?

これが一番最悪の風土です。

そして、上司が忙しすぎると…

今度は部下が仕事を任せてもらえず、自分たちの頑張りも見てくれない、声もかけてくれない、相談したいけど、上司が一番忙しそうで、声をかけづらい…

さあ、どうするか。

人材育成

辞めない人づくり

従業員がイキイキとした組織

これは、上司のコーチング力なんです。

経営陣は、会社を立て直したいんだったら、コーチングを学んでください。

役職者がみんなコーチング技術を使えるようになったら、100%業績は上がります。

理念教育や理念学習は無意味です。

これは、ティーチングといって、本人の意思にかかわらず教え込もうという、いわゆる学校形型学習です。

みなさん、学生の時、勉強好きでしたか?

僕は嫌いでした。

なぜなら、やりたくないのにやらされるから。強制されるから。

もし、役職者がコーチングができれば、従業員たちは、自ら理念を身につけようとするし、自ら必要なことを学ぼうとするし、自分の頭で仕事を考えるようになります。

MBO勉強したり、ドラッガーのマネジメントを学習するのも結構ですが、僕はコーチング学習をおススメします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?