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嫌なことをせず、1万8千円で暮らす方法があります

今はもうちょっと値上がりしたらしいですけど、このぐらいの金額で、生活できる人たちがいるんです。

和歌山県の山奥に「共生舎」というのがあります。そこで皆さん、イヤなことをせず、毎月激安で生活されていますよ。

そこで暮らしている人たちの考え方などを、この本からちょっとご紹介します。



ところが山に住むと、別に生きるだけなら必ずお金が要るってわけじゃないんだな、と気づく。(p46)

町に住む人にとって、お金は命に等しい。
お金がなければ、人間は生きていけないと思っている。
食事をするにも、眠るにも、遊びにも、お金がなければできないと思っている。

「山奥ニート」やってます 石井あらた著 光文社 p46

この文章の後に続くのが、タイトルにした文章です。

野生動物は、自然から衣食住すべてをもらっています。人間だって、基本は一緒。自然が破壊されていなければ、半径100kmぐらいの地域から、生きる全てを調達できるんです。

この本は、1930年代の熊本県須恵村(現あさぎり町)で調査を行ったアメリカ人のジョン・F・エンブリーさんの著書です。

この本を読むと、衣食住のほとんどを近所で賄っているのが分かります。コレ、80年ちょっと前ですよ。自然が残っていれば、食べ物には困らないんです。

たしかに、早寝早起き、肉体労働で大変ですよ。けどね、睡眠不足で満員電車に揺られ、やりたくない仕事で心身すり減らし、食品サンプルみたいなご飯を食べる生活も、かなり大変ですよ。



一番いい備えは、怪我や病気をしたときのために貯金をすることじゃなく、自分ができることを増やしていくことなんじゃないだろうか。(p91)

金融庁が発表した、「老後資産2000万円」報告書。

これも、「お金を稼げ」「投資して増やせ」「いざという時に備え、保険に入れ」と、大資本に都合良く、あおられている気がしてなりません。



私も、ものすごい田舎出身ですけど、本当の田舎にいるお年寄りは、かなり元気です。

このあたりの爺さん婆さんはみんな元気で格好いい。簡単に人を頼ったりしない。自分ひとりで大概のことはやってしまう。

「山奥ニート」やってます 石井あらた著 光文社 p91

皆さん、何もない所から、必要なモノを作り出す技術を持っています。そして、生きるために頭を使っているので、頭脳明晰。

老後に2000万使う人は、多分いません。



そういう生活を知っているので、政府の言うコトが、余計胡散臭く感じるんです。

「The 消費者」を作って、都合よく搾取しようとしてませんかねぇ。



靴に足を合わせるんじゃなく、足に靴を合わせなきゃいけない。(p182)

これは、共生舎を作った山本さんの言葉です。

人にはそれぞれ、自分に合った履物がある。
なのに、今は既製品の靴に、無理に足を押し込んで履いている。
だから、歩いているうちにすぐ足が痛くなる。それじゃダメだ。
靴に足を合わせるんじゃなく、足に靴を合わせなきゃいけない。
昔わらじを自分で編んだように、自分に合わせた履物を作る。
そうすれば、足は傷つかず、どこまでも歩いていける。
自分専用のわらじをじっくり作る、そのための時間と場所が必要だ。

「山奥ニート」やってます 石井あらた著 光文社 p182



「大量生産」「大量消費」
は、「大企業に生き方を決められる人生」です。

お金を使って、自由に買い物をしている気がしますが、企業が作ったモノしか買えないんですよ。それって自由ですか?

そして、CMや流行に影響を受け、必要じゃないものを買わされていませんか?

ビッグデータを使えば、無意識に働きかけるのはカンタンです。



よく「働くのが嫌」って聞くけど、本当に労働自体が嫌なのか、それとも人間と触れ合うのに嫌気がさしたのか、どっちなんでしょうね。(p224)

これによく似たことが、「テクテクノロジー革命」にも出てきます。

平和主義の先住民族は、征服型民族いう競争主義者に、いともかんたんに征服されてしまう。競争が好きな人が武器を磨いていくわけですから、武器と武力がきらいな人が、たちうちできるはずがない。

テクテクノロジー革命 藤村靖之 辻信一 共著 大槻書店 p70

資本主義社会は、競争主義者が平和主義者を蹴落として、成り上がっていく社会です。

強い人が作った靴に、「お前の足を合わせろ!」と強要されて、マメや靴擦れが出来ても文句を言えない状態……辛いですよね。

だから、平和主義者にとって「競争主義者と働くことに、嫌気がさす」のは当たり前なんです。



もし、そんな競争社会が嫌なら、逃げていいんですよ。学歴だって、高ければ幸せになる訳でもありませんから。国会議員や官僚を見ればわかるじゃないですか。



その場所が便利か不便か、それは時代によって変わる。(p289)

世界は今、車社会ですよね。この流れ、自動車メーカーや石油関連企業、電機業界が作っているとしたら?

詳しくは、「ファストフードが世界を食いつくす」に出てきます。

1920年代後半、ゼネラルモーターズ社は多数のトンネル会社を利用して、ひそかにアメリカじゅうのトロリーシステムを買収し始めた。
……
全部で100以上のトロリーシステムがゼネラルモーターズに買収されたのち、徹底的に解体された。軌道がはぎ取られ、架線は取り壊された。トロリー会社はバス会社に姿を変えてしまい、新たに必要となったバスをゼネラルモーターズが製造した。

ファストフードが世界を食いつくす エリック・シュローサー著 草思社 p25 

これと同じことが、日本でも起きています。

国鉄が民営化され、鉄道がどんどんなくなり、大きな道路がたくさん出来ました。

駅前の小さな店が閉店、幹線沿いのショッピングモールが大盛況です。

このショッピングモール、大資本ですよね。海外資本も入っていますよ。地方のお金が、大都市の本社や海外に流出するんです。



その最たる取り決めが、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)。

大資本が、各国の法律に邪魔されず、自由に営業できるしくみです。



企業によって作られた「便利」に乗っかり、お金をみつぎ続ける生活って、辛くないですか?今の「便利」、ちょっと見直したら、生きるのが楽になるかもしれませんよ。

「本を買うのはちょっと……」という方は、ブログをどうぞ。

Twitterでも活発に発言されています。興味のある方は、「山奥ニート」で検索してみてください!



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