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2022年4月6日(水)

KICK THE CAN CREW『THE CAN』

KICK THE CAN CREWの久々のアルバムがとても好きです。全員かっこいい。以前ブログで書いたときに「KREVAというシンガー+2MC」みたいな書き方もしましたが、いやはや全然"キャラ立ち3本マイク"でラップしてましたね。ちゃんと2022年のフロウ感もあって、前作よりトラックも勢いがあるけど、キックらしいドライさもあって。意外と「マルシェ」みたいなイケイケで明るい曲って少ないですからね。KICK THE CAN CREWは1st以外は暗かった話も以前のブログで書きました。

今年リリースされたラップアルバムの中で今のところ一番かっこいいと思うアルバムなんですけど、でも心のどこかで「2022年にKICK THE CAN CREWが一番かっこいいと思うことに何の意味があるんだよ」と思う自分もいるんですよね。ヒップホップもトレンドみたいなものがあって、その都度の旬な人たちもいるわけじゃないですか。一応僕もラップをやっているので、いろいろ新譜を聴いたりもするんですけど、どれもピンと来なくて。それで「結局キックだな~」と戻ってくることに何の意味があるのかっていう。

現時点でKICK THE CAN CREWが一番かっこいいと思っているので、ラップをやっている自分のゴールをKICK THE CAN CREWと仮定しましょう。で、そこから感じる「えっ?違うよ。全然違う!」っていうこととか「今更キックがゴールなのかよ!」っていうこととかが引っ掛かりまくって。

高校生のころ軽音楽部に入ってバンド組んだりしてたんですけど、2000年代半ばの邦ロックはNUMBER GIRL影響下のバンドが多くメジャーデビューしていた記憶があります。「好きなアーティスト:NUMBER GIRL」と書くような。サウンドや(特に)歌詞からも影響を感じられるような。それが嫌になってバンドを聴くのをやめて、そこからまた改めてKICK THE CAN CREWとかRIP SLYMEとかから日本語ラップを聴き直して、出てきたばかりの環ROYとかPSGとかROMANCREWとかを好きになっていったんですよね。懐かしいなぁ。今、割とそれに近い経験かもしれないですね。

これを書いてて思いました。シーンが成熟してくると型とか様式が決まるんですね。もっと分かりやすくいうと、何が正解で何が間違いでが決まってくる。リスナーも「こういうのが聴きたい」というのが大方決まってくる。これがトレンドになる。そういうのが嫌ってことですね。マジョリティーらしきものが決定事項になりつつある状況から逃げ出したい気持ちがずっとあるんだなと思いました。よし、逃げようかな!もうラップとかから!わぁ~!!

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