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光が持つ「あわい」に何が潜むのか

サンマロの教会で出会った陰影の美しさ、そして黄色の寒色と暖色の中間のような空間全体を染め上げるステンドグラス。
決して写真では記録できない、そして写真で加工しても、そこに存在した祈りという生きた時間を宿らせることができない。これはあくまでも、舞台芸術に身を置く人間が感じる感性という物差しでの判断であることは付け加えておきたい。

僕ら舞台芸術に関わる人間はそれらのいくつもの人生の中で得た感動や記憶などを重ね合わせて新しいまだ見えぬ世界を求めて創作を行う。それがいつしか作品となり、色彩を帯びた時に初めて僕らは想像の世界を目撃する。

その世界は私が記憶した色ではないかもしれない、いくつもの記憶の色が重なり合い、記録の色となってそこに表出する。

記憶の色を記録の色へと舞台芸術は変える術なのかもしれない