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ウォッチドッグス2 雑感

主人公の名はマーカス、声がデトロイトのマーカスに似てるな…と思ったら吹き替え声優が同じらしい。マーカス専門家?


きっかけ

雑誌か何かで広告を目にし、レンチの外見に惹かれ「いつかやりたい」リストに入れていた。ゲームの雰囲気を調べ「スニークか〜苦手だな…」と感じた。チュートリアルの「屋上に潜むマーカスの後ろ姿」は覚えていた。

その後ファークライ5でトンチキな仲間たちとカルト狩りをしてたはずが、サプライズ核爆弾でUBI不信に陥り、レンチは可愛いけどどうせ最後に意味もなく死ぬんでしょ?とマイナスイメージを持ち続けていたが、PS+の無料タイトルにあったので、ついに遊ぶ日が来た。

いざ遊んでみたらめちゃくちゃ楽しかった、ので記事ができた。続編にもレンチが登場するので、ウォッチドッグス・ニュードーンになる心配もない。

スニーク苦手です!

ウォッチドッグスは、デッドセックと呼ばれるハッカー集団が、市民の個人情報を悪用する巨大企業:ブルーム相手にあれこれ頑張るスパイゲームだ。ハッキングを駆使し、敵に気づかれぬよう任務をこなしていく。

ところで筆者はスニークが苦手だ。視野が狭く、狙撃が下手で、隠れることにすぐ飽きる。
そのためチュートリアルで敬遠していた、が。

このゲーム、そんなにスニークしなくていい!

随所にあるカメラは、主人公が活用可能なオブジェクトであり、カメラの視界に入るな!というような制約はない。
禁止エリア外ではどれほど大胆な行動を取っても怪しまれない。
高所に登ることが可能で、索敵範囲外から的を減らすこともできる。
警察の索敵能力が高すぎるが故に、通報された時点でスニークもへったくれもなくなる。
敵を妨害する簡易ハッキングがあり、近接テイクダウンはお手軽かつ強い、つまり一対一で接近すれば安心して処理ができる。
スニーク、しなくてもいいのだ。

またこのゲームの経験値は「フォロワー(=デッドセックへの賛同者)」であり、社会へのアピールが肝要だ。いい写真や、派手な宣伝に賛同するものはいても、主人公がスニークを頑張ったことを評価する者はいない。
つまり、スニークは成長に寄与しないのだ。

そしてミッションをより快適にするのが、十字ボタンから呼び出せる「ジャンパー」と「ドローン」だ。

高所から索敵でき、何なら爆弾を落として攻撃できるドローン。
複雑な箇所でないアイテムなら持ち逃げができるジャンパー。
何より禁止エリア外であれば座り込んでラジコンをカチャカチャやってても怪しまれることはない。

↓エリア外からドローンで爆弾投下


こいつスパイでも何でもないだろ。

警察を発狂させなければ勝ち

プレイはじめ、駐車してある車に乗ろうとしたところ防犯ブザーが鳴り、警察を呼ばれ、地獄の果てまで追いかけられた。
警察とやりあうのは悪手、視界を振り切って隠れても高所からヘリが捉えてくるので無駄。立て篭もりは無意味で摩耗するだけ…悪夢のような体験だった。

この件がトラウマでしばらく萎縮していたが、このゲーム、警察に通報さえされなければよく、かつ警察に通報される行為は限られている。
禁止エリアから物を盗んでも、クレーンで人を叩き潰しても、通行人の口座から金を抜き取っても、ドローンで爆発物をばら撒いても、信号をジャックしても、リフト車で人を轢き殺しても、警察さえ呼ばれなければいいのだ。

でも車は盗まない方がいい。

そんなバランスのゲーム(防犯ブザーを無効化するスキルやヘリを退却させるスキルもある)

ここが癪だよウォッチドッグス2

先に嫌いなところを挙げておく

運転がダメ

交通車両が多い、ハンドルが滑る、ブレーキが効かない、とにかく制御が難しい。なのにメインミッションではチェイスを強要される…というか前述の凶悪警察と合わさった「盗難者で警察を振り切る」という地獄のミッションがよくある。

ファークライ5から来て、サイパンに「何で自動運転がないんだよ!」とキレた身としてはこの点は絶望した。
あと配車場所が駐車場になりがちで、現在地点から100m離れることもザラにある。バックが難しいのに前入れで配車されてる。障害者スペースに停めてあって笑ったこともある。

立ち入り禁止スペースに配車されキレた

車の形状は多い+カスタマイズが豊富なのでその点は好き。

サンフランシスコは広いので徒歩での移動なんかやってられないが、最初からファストトラベルが解放されており、かつロード時間が短いためストレスはあまりなかった。

歓喜の歌をやめろ

マーカスらは義賊のようなノリで、時にハッキングで悪を成敗し、そいつが破滅する瞬間をカメラで眺める(この時点で悪趣味じゃない?)のだが、その「スカッと」の瞬間に歓喜の歌が流れる。
歓喜の歌でなければ拒否感が薄れるかは知らないが、このスカッとサンフランシスコが肌に合わなかった。

歓喜の歌を流すのをやめろ。

というか市民の口座から金を抜き取り、愉快犯的なイタズラを仕掛けまくり、そこらの通行人に架空の犯罪を押し付けて通報するような奴らが、正義のポジションに収まっているのが不服だった。

ここが好きだよウォッチドッグス2

デジタルアート×フォトリアル

悪夢だも

世界観の作り込みが高水準!
ハッカーが主役のゲームなので、起動するとまずコマンドプロンプトやログイン風の画面が現れる。舞台は実在施設も点在するリアルなアメリカ西海岸だが、合間合間にビット調のふざけたアニメーションが挿入される。
写実とコミカルの融和が好みなので、雑コラみたいな画像がバンバン出てくるのは嬉しかった。

雑コラ…!

路上パフォーマー、奇妙なモニュメント、ご機嫌な落書き…ロケーションの色も陽気で楽しい!
名所で記念撮影をするミッションがあり、それを辿るだけでも観光を楽しめる。
嘘サンフランシスコ観光シミュレーターとしての強度がある。

探索の楽しさは縦方向に

とにかく縦に登ることができるのが魅力。
上に何かある、どうすれば登れるか?足場を見つけたり、近所からリフトを調達したり…その創意工夫が非常に楽しい!
上から見たサンフランシスコもそれっぽく、テンションが上がる。

ただ登るだけでも楽しい、ちょっとした報酬があるとなお嬉しい。

中には、ゴールデンゲートブリッジの頂まで登るというミッションまである。
サイパンでダブルジャンプを手にしあちこち登ってみたりとか、ヌカワでマッドマリガン鉱山のレールを辿ったとか、縦軸にオープンワールドの魅力を見出している人には最高のゲームだろう。

……特需!!

ファッション

好きな服とか

主人公が固定なせいか、ファッションに力が入っており楽しかった。これで主人公の容姿を変えられればな。
フォーマル、カジュアル、スポーツなど大まかなブランド数種類+その他で別れており、ブランドごとのブティックの内装もそれっぽい。観光名所でのみ売っているお土産商品もある。靴までバリエーション豊かで、柄物が多いのも新鮮。

それらがムービーに高精度に反映される。ここ含めて着せ替えゲームとしてトップクラスの質を感じた。

いいスマホ

近年のゲームにおけるメニュー画面にスマートフォンが採用されているのは定番だが、さすがハッカーのゲームなだけあって作り込みがすごい。
そもそもアプリケーション入手のために「ストアからインストールする」という無意味なプロセスを経るが、これがまた没入感を高めてくれる。
特に音楽プレイヤーはすごい、というか収録曲数とジャンルの網羅がそもそもすごい。
前述の観光地撮影ミッションなどはSNSとして処理されている。アップロードした写真には仲間からのコメントがついたり、時には仲間が自撮り写真を上げたりする。

このスマホの「それっぽさ」はぜひ味わってほしい

実はオンラインゲーム

他プレイヤーはデッドセックの仲間としてマップに存在し、時に敵対し、時に協力してオンラインミッションに挑める。UBIのアカウントと連携すればチームも組める。
普通にサイドミッションのハッキングに迷っていた時、野良のプレイヤーがヒントを出してくれて、そこから突発マルチプレイをしたのが楽しかった。
通行人を殴ったり、建物の上から銃を乱射したり、ドローンをぶつけ合ったり。コミュニケーション伝達手段の薄い中でのやりとりだったが、そういうのも楽しい。

しかし今ウォッチドッグスをやってる人間、何者なんだ…。

オフラインはパズルがメイン

戦闘があまり必要ない、オンラインミッションをやらない…となると強調される要素は「目的達成のためにどういう手段を取ればいいか」、ドローン・ジャンパー・ハッキングを駆使して挑むパズルだ。
回路パズルはもう設計そのままパズルだが、このゲームで目標を達成するプロセスは大体パズルっぽくなっている。
筆者はパズル好きなので、これは非常に有り難かった。立体パズルには視点の問題が付き纏うが、ドローンカメラが優秀なので気にならない。

NPCの作り込みがいい

個人情報をテーマにしているだけあって、道ゆくNPCにプロフィールが割り当てられているのが良かった。「名前、現在の気分、プロフィール、職業、年収」がプレイ感を阻害することなく確認できる。ハッカーの仲間たちは個人情報保護のためにふざけたテキストを採用しておりそれも面白い。
この市民らから主に金を奪うわけだが、一見稼げてなさそうなストリートミュージシャンの預金が多かったり、「犬を養育している」のテキストを見て盗むのを断念したり、そこにはドラマがある。

罪状をでっち上げて通報できるが、その内容もバリエーションがある。

カメラを向けるとポーズを取ってくれる住民もいる(隠しらしい)。

たまたま見つけた

通信やチャットの内容を覗き見ることもでき、デッドセックの評判を知れたり、ミッションに派生することもある。潜入ミッションを行っている時は、ミッションに関連するテキストが読める。
本当に意味のない会話が長尺で聞けたりする。

↑何の意味もない会話、めちゃくちゃ面白い。

かつてオープンワールドの魅力を語った時、箱庭を作り込んでも干渉できるオブジェクトがなければ面白くないと言ったが、この作品は「舞台がサンフランシスコ」「目的は民意を集めること」であるため、NPCが作り込まれていることは正しく面白さに寄与している

あと犬種がやたら多い。多様なドッグスをウォッチしろ!

大型犬ばっかな気もする

レンチがかわいい

かわいい
超かわいい


そんなかんじ

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