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最近遊んだゲーム雑感(2023冬号)

最近遊んだもので一口ゲーム感想に収めるには語りたいことが多いな…と思った作品について。今回の選出はインディーながら有名作が多い。

MINDHACK

悪人の頭の中にあるバグをハックし花で埋め尽くすテキストアドベンチャーゲーム。現在アーリーアクセスでありプレイ時間は未知数(現在公開分までだと2〜3時間)。


異形ヘッドの悪役好きにはビジュアルだけでお釣りがくるような作品だが、ハックの対象たる悪人からはお手本のような悪態・命乞いが飛び出してくる。

言葉遊びも面白い

悪人を一方的に洗脳して別人へ変えてしまう、勧善懲悪で独善的な手触りに感じた不安を きっちりとストーリーの動線で否定してくれるため、物語全体の善悪感にも期待が持てるところが好き。
変な行動を取るとそれに対応した反応がしっかりあるというところにテキストアドベンチャーとしての良さを感じる。

ところで肝心のハック方法なのだが…

タイピングゲーム??????

オマケとして改心させた悪役のバックストーリーや周囲の声等を見ることができる(ゲームの世界観に深みを与える要素で非常にいい)のだが、これの解放がタイピングの出来に左右される…ので全資料を解放できていない。

解放できる気がしない

Switchへの移植を密かに期待していたが、あまりにPCハード向けすぎる…。この時代にこのキャッチーさで全くコンシューマを向いていない作風に、妙な好感を抱いてしまった。

Superliminal

錯視や人間の思い込みを利用した一人称視点3Dパズルゲーム。ボリュームは4時間程度で手頃、やり込み要素が豊富で、遊ぼうと思えばもっと遊べる。チャレンジモードは手番が限られ一気に難しくなる。


騙し絵アートが好きなので、そういう面でも楽しめた。目覚まし時計を止めた瞬間3Dオブジェクトが平面になるギミックが視覚的には面白かった。

好きだったパズルは終盤の、非常口あっちむいてホイとチェス駒を乗せることで「穴ではない」と認知を変えるパズル。非常口の方は天邪鬼ゆえ初見でだいぶ進めてしまったためにギミックが分かるまでに時間を要した。

月を掴むやつも好き。苦戦したのは扉二つを利用して鍵穴に入るパズルで、解答法は頭の中で出来上がっているのに物理演算の前に四苦八苦するのがどうも好きになれなかった。

パズルでは一切触れられない未解決の謎

ところで中盤のパートがホラー然としており、元々怖かったのもあったがかなりノイズだった。該当パートはほぼ駆け抜けたが、しっかり収集要素があった。探索の余裕がない!

それでも話は「この経験を通じて多角的に物事を見れるようになったはず」となんかいい風に説得力をもってまとまっていくので後味が良い。

ダメな点としては非常に酔う。頭痛と吐き気に見舞われプレイ後1日半寝込む羽目になった。
来年こそ酔って中断したアウターワイルドに再挑戦しようと思っていたけど無理かもしれない。

あとゲームカタログのレビューでは「中盤でオチが読めてしまう」とあったが、全然わからなかったので筆者の読みが鈍いのかもしれない。

ファミレスを享受せよ

ブルーとイエローで統一された画面が特徴的な 深夜のファミレスで無限の時を享受するテキストアドベンチャー。ボリュームは2時間程度。基本的にゲームは NCPとの会話を通じて話題を得て、そしてその話題を別のNPCに…というような流れで進行していく。やたら難易度の高い間違い探しを遊ぶこともできる。


質問時頼りになるためセロニカが好きだったが、真実を解き明かしていく(特別なストローで特別な飲み物を口にすると過去が見れる、というシステムがまた良かった)と単に賢いから頼りになっていわけではないことが分かってしまった。各々の過去と付き合わせていく際に、セロニカを最初に選んだのだが、彼と向き合うことでこの物語はいい方に進めると確信したため、いい選択だったと思う。

クラインと王が迎えるエンディングが美しく、ふたりの間に超性別的な愛があるところが好きだった。
このゲームを他者に薦めたいと思った時に、インパクトの強い言葉で印象付けようとすると無神経に「最高の百合が見れる!!!」などと言ってしまいそうになるが、王の性別は二者の愛に全く関係がない。月で孤独な時間を過ごすふたりの今頃を淡々と予想する一幕が本当にいい。

ところで普通の人間として生活する王もそれはそれで幸せそうなのがこのゲームの好きなところ。

本当にどうでもいいが王様の名前がレイルロード・スパイクで、フォールアウト4に登場する組織レールロードやレールガンの弾がレールスパイクであることを連想してしまい楽しかった。作者ブログを見たが別に関係なかった。

Slay the Spire

説明不要のデッキ構築ローグライトカードゲームの大名作。めちゃくちゃプレイ時間がかかる。デイリーでとりあえず100分溶ける。楽しい!


レリックが強い、レアカードが強い、アイテムが強い、エリートが強い、ボスが強い…とにかく運で急に状況が好転する、ローグライトの良さを満天味わえるいいゲームだと思う。特にレリックには それ一つで戦略の変更を余儀なくされるようなものもあり、毎回毎回違ったランになる。楽しい

パワー厨なのでアイクラが好きで、ひたむきに筋力を上げまくってうおおおお鬼火最強!していたが、この人の本質はカードを廃棄しまくってブロックやバフを盛ったり、廃棄しまくることで無限ループを完成させるところにあるらしく、自分の好きなカードが軒並み評価が低かった。悲しい。

ぐえー

せいぜい80のHPに対して1ターン目から無茶苦茶なダメージが飛んでくるバランスが素晴らしいと思う。

MELATONIN

リズム天国ライクなリズムゲーム。難易度は低く、ボリュームも2〜3時間程度でやや少なめ。全ての曲に高難易度モードがあるのがいい。自分で譜面を作って遊べたりもする。


市場には「リズム天国っぽい」と評価されるゲームが多々あるが、これが一番リズム天国度が高いゲームだろう。なにせ4つのミニゲームが終わったらリミックスが始まるのだ。リズム天国だろ。

夢の中の世界がモチーフ故の荒唐無稽な舞台設定もまた、ゲームの設定でボケてくるリズム天国を感じる。

入力はスペースキー単押し、長押し、方向キーのみと単純で、難易度もやさしめ。(ただ方向キー入力はリズムでなく反射神経を求めてるゲームもあるな…という印象)
リズム天国フォロワーと聞いて飛びついてボコボコにされる事が多かったので、この難易度調整も嬉しい。

不満点としては、曲や画面に統一感がある一方で、見栄えの良さを優先し リズムゲームの譜面やパターンの切り替え合図が分かりにくくなっているゲームがある点。
また、全ての曲に別譜面があるとはいえ、全4面構成なのでどうしてもボリュームは少ない。いかにも5面がありそうなのにリミックス10しかないもボリュームを少なく感じる一因だ。

入力が忙しく、譜面が隠れず、裏を楽しめるショッピングが好き。

Let's Build a Zoo

2Dドットで理想の動物園を作る運営シミュレーション。プレイ時間は遊ぼうと思えばいくらでも、テンポはかなりいい。


2Dゆえに完成した動物園で臨場感たっぷりに動物を観察したりは出来ないが、2Dゆえに配置はマス単位でこだわる事ができる。
この手のゲームにしては経営は簡単だが、初期から飼育できる動物は極端に少なく(ウサギしかいない動物園のオープンを迫られる)動物の入手がトレード前提なので嫌いな動物も積極的に展示しないといけない。この動物園の名前「虎の楽園」なんだけど…。

虎不在の虎の楽園

日本人に説明するなら「カイロソフト感」で十全に伝わるだろう。直近に遊んだZOO TYCOONと比較して、動物の世話を直接する事ができず、ズーキーパーに命令することになるが人員が足りないため掃除や餌やりが行き届きにくいのがもどかしい点。

ZOO TYCOONと比較していくと、似たような要素も多い。まあよくある動物園シミュレーションだな…と侮るなかれ。

!?

目新しい要素としてカルマ値がある。悪方面でやれる事は、動物の虐待、従業員の虐待、環境汚染…などやりたい放題な一方で別に悪に振れてもさほどデメリットはない。何なら悪がある程度ないと作れない施設もある。

こういうゲームを好む人はほぼ善方面に行くと予想され、カルマ要素が機能してるかは果たして不明だが、ゲームの見た目に反して、GTAでもなかなかお目にかかれないような非道行動を取れる自由度は凄い。

デイヴ・ザ・ダイバー

昼にダイビングで採った魚を夜は寿司屋で振る舞い、その中でブルーホールと呼ばれる海の秘密を突き止めていくゲーム。
隙間時間に進める枠のゲームであり 追加記事が出るかもしれない。魚を捕るパートも楽しいし、寿司屋手伝いパートも楽しい、最強のゲーム。


現在Chapter2に入ったところ。
何がどうしてこんなに楽しいのか考えていたが、総じてテンポが良く、何かを一つ強化すると 出来ることの幅や成果が一気に広がるのが魅力だろう。追加要素を出し惜しみしないので作業がマンネリ化する前に次の刺激がくる。

超右肩上がり マグロが手に入り更に収益は加速していく

ブルーホールで取れる魚は様々だが、クマノミだろうがミノカサゴだろうが、クラゲやサメや巨大モンスターさえも勇猛果敢に寿司に仕上げていくので迫力がある。全ての寿司にグラフィックや解説がある。すごい。

エセ和風なのが非常にたまらない点であり、寿司職人のバンチョの風貌から口調から、割烹着にスニーカーでワサビをチェケチェケすりおろす姿から、全てが最高のゲームになっている。

ダイビングパートはHP=行動力=残酸素のリソース管理アクションゲームで、緊張感があり面白い。ただ電撃系の銛はレバガチャを求めてくるのでコントローラが死ぬ。

自慢の寿司屋と可愛い忍者

全ての要素がスマホのアプリとして仕上がっているUIもいい。振る舞った料理の写真をみんなが共有してくれるのでそれも楽しい。店の内装も変えることができる。料理と全然関係ないストーリーライン(魚人族の謎を説き明かせ!という海洋ロマン)も好み。

マジで楽しいのでみんなやろう。

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