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私の好きなカバーソング (4)忌野清志郎編

白状すると清志郎さんの曲を好んで聴くようになったのは清志郎さんが亡くなってからのことだ。聴けば聴くほど、もっと生きてほしかったという思いが強くなる。

「ラブミーテンダー」「サマータイムブルース」


RCサクセション、忌野清志郎の歌う曲は周囲の身近な人間への愛や平和な日常を描いたものが多い。その延長線上に反戦・反原発があると思う。カバー曲は原曲に忠実な曲と清志郎が独自に詞をつけた曲があり面白い。「ラブミーテンダー」「サマータイムブルース」の痛烈な原発批判は過激すぎて、1988年のアルバム「カバーズ」は原発関連企業である東芝の逆鱗に触れ発売禁止になった(発売元が東芝EMIだった)。

「イマジン」「風に吹かれて」「花はどこにいった」


反戦も筋金入りで「イマジン」の世界観を日本の平和憲法に見立て、憲法9条を世界に自慢しよう、とコンサートで発言している。ジョンレノンも同意したと思う。
海の向こうでリアルな戦争が起き、日本では憲法改正や原発再稼働の論議、私の地元北海道では核のゴミ処分場問題もあるこの時代に必要な音楽家だった。私は彼の思いに共鳴する。彼の歌とことばでいまの時代をもっと斬り、私や私よりずっと若い人たちを挑発してほしかった。
反戦ソングは日本にも世界にもあまたある。歌詞の行間でさらっと戦争のむなしさや悲惨さを感じさせる曲が多いが、「風に吹かれて」や「花はどこにいった」の清志郎のストレートさと説得力は圧倒的と思う。

「デイドリーム・ビリーヴァー」「上を向いて歩こう」


セブンイレブンのCMで長年流れていたタイマーズ名義の「デイドリーム・ビリーヴァー」は、若くして亡くなった母のことを歌ったらしい。ハードロックの「上を向いて歩こう」もカッコいい。

絶品のオリジナル「雑踏」「スローバラード」


もちろんオリジナルにも素敵な曲がいっぱいある。「雑踏」「スローバラード」は特におすすめだ。ほかにも結婚したばかりのの自分の奥さんをご近所や世界中の人に自慢したいと高らかに歌ったり、家の前を今日も小学生が通るという曲も何気なさすぎてすごく好きだ。曲作りでもすごい人だった。清志郎のように”誇り高く生き”たいものだ。

「帰れない二人」with 井上陽水


井上陽水初期の名作「氷の世界」収録の曲。このアルバムは私が中学生の頃すごく売れ、周りには持ってる友人や先輩が多かった。「心もよう」が有名でシングルヒットしたが、この曲が一番好きだった。情景がありありと浮かぶ歌詞と優美なメロディーの名曲だが、陽水と清志郎の共作だったことを最近知った。セルフカバーになるこの2人のデュエットは感涙モノだ。


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