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私の好きなカバーソング(59) 「You Don't Know What Love Is(あなたは恋を知らない)」その2 ソニー・ロリンズ、エリック・ドルフィー、キース・ジャレット

前回(58)の続きでこの曲の2回目です。なお曲の紹介順に意味はありません。結果的にジャズの名演ばかりになりました。

ソニーロリンズはアルバム「サキソフォン・コロッサス」(1957)の2曲目です。1曲目「セントトーマス」が明るく陽気だったのが一転してシリアスムードで背筋が伸びます。このギャップにシビれます。

エリックドルフィーは米国のジャズ音楽家でアルトサックス、バスクラリネット、フルートを奏でます、この曲はフルートによる名演の誉れ高い作品でアルバム「ラスト・デイト」(1964)からです。フリージャズに半歩踏み出してるけど、原曲をたどりやすく聴きやすいです。自分はこの曲を聴くと水墨画を連想します。
ドルフィーは持病の糖尿病が悪化し36歳で急死、このアルバムは死の4週前の録音です。ラスト曲の後に「音楽はひとたび聴き終わると、空中にとんでいってしまい、二度ととらえることはできない」という名言を肉声で遺しています。音楽は夜空の花火と同様、瞬間の芸術・エンターテインメントですが、音源が保存されて何度も聴くことができるのは素晴らしいことです。この曲を聴くたびにその想いを強くします。

キースジャレットは1994年のトリオ作品「At The Deer Head Inn」からです。スタンダーズのトリオとはドラマーが違い、ポール・モチアン(黄金期のビルエバンス・トリオのドラマー)が勤めます。
キースのアドリブの流れの中で5分を過ぎたあたりから違うテーマが現れ、曲が替わっていく感があります。キースのスタンダード演奏にはよくあるんですが、半端ない緊張感と曲の長さを全く感じさせないのはスゴいです。



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