連続短編小説「阿知波」

第八回 「病室」

目覚めた時、私は病室の中にいた。

視界には真っ白な天井が一面に広がっており、私を飲み込もうとしていた。

両手、両足はベッドに縛り付けられ、私は一切の身動きが取れなかった。

病室の中は、恐ろしい程静かで、私の心臓の鼓動までもがよく聴こえた。

部屋の中には時計が無く、あるのは干乾びた花束だけだった。

私はここで療養しなければいけないはずなのに、

心はちっとも休まらなかった。

部屋が静かであればあるほど、私の頭の中での騒音は大きくなっていた。

ふと、窓から雀が見えた。その姿はとても自由に見えた。

しばらくすると、看護師が病室に入ってきた。

女だった。彼女の体からはほんのりと甘い香りが漂い、

ピンク色の頬と、柔らかそうな尻を持ちあわせていた。

そして、彼女は全てを包み込んでしまいそうな優しい口調で、

「いまから、おしっこ取らせてもらいますね」と言った。

その時、私は自分の陰部にチューブが突き刺さっていることに気が付いた。

彼女は私の陰部を弄り、チューブを引き抜いた。

途轍もなく痛かった。

今の今まで、一度も味わったことの無いような痛みだった。

ううぐぐぐぅううああああああ!!

私は叫んだ。腹の底から声を上げ、叫んだ。

「大丈夫ですよ~。もう終わりましたから。」

そう言われても、痛みは止みそうに無かった。

私はこの痛みから逃れるための方法を必死で探した。

探した先にあったのは、あの彼女のプリっとした尻だった。

私は思わず無我夢中になって、その尻に向かって手を伸ばした。

そして、触れた!

その尻はマシュマロよりも柔らかく、とても滑らかだった。

私はあまりの心地よさに、自分の精液を彼女の手にぶちまけた。

すると、彼女の顔からは笑顔が消え、彼女は私の陰茎を握り潰した。

そして、小声で、しかし男のような低い声で、こう言った。

「なんだよ、キモ人間のくせに」、と。

そして、彼女は私の尿の入ったタンクを持って部屋を出た。

私は泣いた。自分の犯した罪のあまりの重さに、泣いた。

こうなったのは私のせいではないのに、何故だ。

何故いつも私だけが酷い目に合うのだ。何故なのだ。

うううううううううううううううううううううううううううう



全てが憎い❕❕


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