ほとんど明かりがない部屋の中で、私ともう1人の誰かが隣合う椅子に座っている

それは大学の友人のような気もしたし、母親だったような気もする

目をつぶっている私に、今日はお泊まりだよ楽しみだね ご飯何食べる これから〜 と楽しそうに未来の話をする相手 この空間には私しかいないのに、私のことなど気にも留めていない様子でぺらぺらと話し続ける

そんなに気楽なこと言ってられる状況じゃないのに、呑気だなあと思いながら目を閉じ、黙って話を聞いている私

ここで現実の自分がこれは今寝る時と起きる時の境目だと理解する ここら辺から現実としての意識がはっきりしている 感覚を研ぎ澄ませ、起きてしまわないように夢を客観的に見ていた

夢と現実の狭間で、そんなに元気じゃないよ、と思いながら椅子から雪崩るように床に倒れ込み、ゆっくりとまどろみの中に意識を手放す 半分無意識で、半分意識的 もっと心配して欲しい、みたいな意識があった 自分が貧血で失神した時の感覚と比べたりして、これがただ寝ているだけなのか、気を失っているのか、死んだのか、自分で考えていた

あのまどろみの中に落ちていく感覚、手放すあの瞬間は今まで味わったことの無い感覚で、1番気持ちいい夢だった

結局流しっぱなしだったYouTubeの音に気を取られ、現実の意識が夢を追い越してしまったので目が覚めてしまった もっとあの感覚の中にいたかったな

違う 違う 思い出した
倒れていく前、私は過呼吸になったんだ というか過呼吸の振りをした 一方的に楽しそうに話されるのに耐えられなくなって もう無理だよと伝えるために 心配して欲しくて 過呼吸を自分で引き起こした、と言った方が近い気がする それで倒れたんだ でも結局、あの夢の中ではあの相手は心配してくれなかった ただ自分の話を楽しそうに続けているだけ あれは本当に私の友達だったのかな 本当に人間だったのかな 私は夢占いを信じるタイプだからさきっと、考えてしまうよ ああ、夢の続きが見たい

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