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中医学の原典「黄帝内経(こうていだいけい)」

こんにちは!四月一日庭の車田です。
最近私は、改めて、中医学の原典と言われる「黄帝内経」を読み耽っています。
私の人生上、算命学より先に中医学に出会い、当然黄帝内経は何度も読んできた書物ですが、そこに書かれてあることを理解していくためには、人生経験を積むことや、陰陽五行思想について深く知る必要があるなぁと改めて感じております。
特に、運気論に関しては、算命学を学んだことにより、ようやく意味がわかってきたというところでした。

算命学と中医学は、どちらも同じ陰陽五行思想に基づく学問です。
ゆえに、黄帝内経についてもまとめて書き進めていきたいなと思っております。

算命学に興味のある方、中医学に興味のある方、どちらにもおすすめの書物です。
よかったら覗いていってくださいね。


世界3大伝統医学

皆さんは、世界の3大伝統医学をご存じですか?

伝統医学では、生命を「肉体、感覚、精神、魂の結合体」と捉え、健康とは「身体的、知的、社会的、倫理的、精神的に調和のとれた幸福である」と定義します。

世界の3大伝統医学には、中国伝統医学(中医学)、インド伝統医学(アーユルヴェーダ)、ユナニー(グレコアラブ)医学があります。

これらの伝統医学では、病気の因果関係を主として自然的病因に帰しています。
伝統医学では、その医学独自の理論が確立されており、原典が明確であり、教育体制が整っており、専門の医師により治療が行われることが特徴として挙げられます。

伝統医学に対し、口伝で伝えられてきた医学を伝承医学と称し、区別する場合があります。
伝承医学では、経験を基に治療が施されます。患者が自ら薬を使用することもあります。
【富山大学和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館HPより】

ここで紹介されているように、伝統医学とよばれるものは、原典が明確にされているものであるという特徴があります。

中医学における原典が、「黄帝内経」です。

黄帝内経の構成

日本薬科大学 漢方資料館より

黄帝内経は、素問・霊枢という2部門から成り立っていて、素問は基礎理論編だとすると、霊枢は実践・技術編という認識です。
素問の内容は医学に限らず、易学、天候学、星座学、気学、薬学、運命学と広く様々な分野に及び、医学書というより科学書と呼ぶべきであるという意見もあります。

おそらく一般的な中医学のイメージは、薬の知識や体質を見立てる弁証論治などの知識を学ぶ学問だというものではないでしょうか?
中医学を学び始めた当初の私もそう思っていました。
しかし、そうではないのです。

私が好きな項目に「運気論」というものがあります。

その中に、こんな一文が出てきます。


医を事とする者は、必ずつぎの条件を研究し、熟知して病人の心・身の状態を察知せねばなりません。

  1. 天文・地理・暦法

  2. 天地間の陰・陽の消長

  3. 天地の運行の大過・不及

  4. 地勢に影響される寿命の長短

  5. 地方における天の化育の時期の早遅


黄帝内経は、その当時の中国の皇帝である黄帝(こうてい)が、岐伯(きはく)という中医師に、様々なことを尋ねる問答形式で書かれており、上の一文は岐伯が黄帝に対してお答えした内容の一部です。

この件りを見ても、古代中国人が自然と共に生きる感覚をいかに重要視していたかがわかります。
そもそもこれだけのことを理解していないと、人間の身体や病の仕組みは見れないよということです。

また、下記のような一文もあります。


生・長・化・収・蔵の天地の化育に逆らうことなく、
春・夏・秋・冬の四時の養生法に違うことなかれ。
酸・苦・甘・辛・鹹の五味に適する食養をなし、
魂・神・思・魄・精の五臓の精気を乱すことなかれ。
苦しみの後には必ず楽しみがあり、
心静かにその時を待つべし。



黄帝内経は自然科学

中医学を学んできて、肉体や精神の結びつきの強さと、気候や生活環境にどれだけ影響を受けているかは理解してきたつもりでした。
しかし、自然と一体となって生きるという感覚は、中々腹落ちするところに至っていなかったのだなぁと、算命学を学ぶようになって気がついたのです。
黄帝内経の中で表現される暦は、干支暦と呼ばれるもので、私はそもそもその成り立ちがよくわかっていなかったため、単なる記号的な感覚でしか捉えられていませんでした。

算命学に出会い、干支暦の成り立ちを知っていくことで、単なる記号ではなく、一文字一文字に込められている意味や、構成、なぜ組合せが六十種なのか、干と支がどのように導き出されてきたのか…そういうことが見えてきました。
これは、現代科学のような技術がなかった古代東洋人が、ただただ真摯に、時間をかけて、自然界のあり様を見つめ、そこにある法則を見出し、自分たち人間という生き物の生活のために、そして自分たち自身を知るために、時に都合よく解釈したり、しかしやはり法則から外れる解釈は淘汰されたりしながら、長い年月をかけて練り上げていった、哲学的思想を含んだ自然科学なのです。

また次回に続きます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


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