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-THE INTERVIEW- #05 別所隆弘(前編)〜風景写真家・文学研究者 別所隆弘さんに聞く、"世界を理解したい"写真とは〜


皆さんこんにちは、4 Silent Birds STAFFの晴知花です!🌤
いつもTHE INTERVIEWを見てくださり有難うございます。

STAFFの私自身も人物を中心にフォトグラファーをしていますが、ジャンルも異なり色々な価値観や視点を持ったフォトグラファーや写真家の皆さんにお話を聞かせていただきとても刺激になっています!
私が感じている刺激がこの記事を通して皆さんに少しでも伝わったら嬉しく思います😌


さて、今回もインタビュー第五弾お届けいたします!
「 THE INTERVIEW 」は実際に4 Silent Birdsのカメラストラップを愛用されている方に、インタビューをさせていただき、その方の視点や活動のお話、写真を撮る日々の中にカメラアクセサリーを取り入れる楽しさやこだわりを聞き出していく連載企画。
今回は、風景写真家・文学研究者の別所隆弘さんにお話を伺いました。
別所さんは、独自の視点と哲学的な思考で世界を捉える風景作品を発表しています。また、文学や言語の研究者としても活動されており、写真と文章の関係性についても興味深い見解を持っています。このインタビューでは、別所さんの写真作品への想いや風景撮影において大切にしていることなどをお聞きしつつ、カメラストラップのお話までたっぷりお聞きしていきます!

photo by Nikon Z8
photo by Nikon Z8
photo by Nikon Z8

別所さんといえば季節感豊かな風景写真や圧倒的な花火写真が代表作として挙げられます!晴知花は力強く美しい花火写真が大好きです!✨

初めての風景写真家さんへのインタビューということもあり、とても新鮮なお話をたくさん聞かせていただきました!まずは前編を是非ご覧ください📸


四季折々に飛び回りながらの撮影


晴知花(以下、晴)
── 別所さんの普段の活動につきまして教えていただけますか?

別所隆弘さん(以下、別所) 基本的には写真家ということにはなってます。でも気持ちは違って、文学や言語の研究者でありたいと思ってはいるんです。その経験はライターやコンサル系のお仕事をするときに活きて来るんだけど、周りからはきっと風景写真家で認識されていると思います。 地元で風景写真を撮っているんですけど、最近はあまり地元に撮りに行けてなくて、色々なところに行っています。年明けは台湾に行ってたし、すぐにイタリアに行ってその後は桜前線に合わせて日本中を桜前線を追いかけて飛び回っていました。
風景写真家って1年の中でここは気合い入れようって時期が年4回くらいあるんです。"春は桜、夏は花火、紅葉で狂って雪を待つ"っていうのが風景写真家でね。笑
だから今は(インタビュー時7月頭)ギリギリ中間期かな。
(この記事公開時には花火シーズン真っ盛りで、各地を飛び回っていることでしょう。)

── すでにそんなに飛び回っているのですね!驚きです。こういった風景写真はお仕事で撮ることが多いのでしょうか?

別所 そうですね、スマホ(お仕事でも使わせていただいたGooglePixel等)で撮るのも好きだしプライベートで撮ることももちろんあるけど、大体仕事になることが多いかな。


文学研究をしながらカメラと出会い、別所さんの中で変わっていったこと


── 写真活動歴はどのくらいになりますか?また写真を始めたきっかけは何でしたか?

別所 あ、でも僕写真歴は短いですよ!確か2012年かな、NikonのD800っていうカメラを買ったのが本格的に始めたスタートですかね、その前にCanonのカメラも持ってはいたんですけど、僕はあんまりハマらなくって。で、色々な偶然が重なってD800を買うタイミングがあって、フルサイズのボディと大三元の24-70mmのレンズと50mmのレンズを合わせて50万円の買い物をしたかな。

── 一番最初に買うものとしてはちょっと勇気いりますよね。

別所 まだそこまでカメラの良さとかも分かってないのに「えいや!」って買ってしまって。 笑
でも50万円って結構な金額でしょ?だんだん怖くなってきて、元は取らなきゃと思って最低50万回はシャッターを切るって決めたんですよ。そしたら次第に写真にハマっていったんですよね。

── じゃあ、その買った分を取り返そうとしていたんですね。

別所 そう、だから写真で自己表現したろうみたいなことは考えてなくて、元々自己表現とか苦手なタイプなので。カメラが先にあって、カメラに引っ張られるようにハマっていたんですよね。 僕は子供の頃から本当に本ばっかり読んでて、学生時代も本が好きで、研究したりずっと書庫に籠って本に包まれて生きてきた人間が急に外ですもんね。笑 でも太陽の下で写真を撮るのは結果的に自分に合っていました!タイミング良くカメラに巡り会って、こういう人生に出会えたのはラッキー以外の何者でもないなって思いますね!

── タイミングが別所さんを連れてきたんですね!
私も元々インドアだったのにカメラが外に連れ出してくれた当時のことを思い出しました。ちなみに今の写真の活動と文学の研究とが紐づくことも多いのでしょうか?

別所 最初は逆でしたね。最初はなんとしてでもくっつけんとこうって思っていました。なんでかっていうと、当時研究がしんどかったんですね。大学の頃はそんな風に感じてはいなかったんですけど、大学院に入ってからレポートや研究も高度になって必死に勉強していたんです。そうなるとだんだん文字が嫌になってくるんですよ。 そんなときに写真は指先でシャッター切るとすぐに結果となって出ることが僕にとって救いのようなことで。だから昔は意図的に分けていました。写真アカウントはもちろん偽名でやってたし、今のInstagramみたいにキャプションとか絶対つけんとこうって思っていました。
いつしかまた書くようにはなりましたけどね。 それで書くようになって、写真も文章を書くことも結局同じことをしているんだなって気づいたんです。

── 指先でシャッター切るとすぐに結果となって出ることって写真の醍醐味ですよね。時間をかけて書く文章とは違うもののように感じますが、その2つはどういうところが同じだなと思うのですか?

別所 僕ね、理解したいんですよ、世界を。根本に哲学的な部分があって、この世界ってなんだろう、なんで僕は僕なんだろう、光はなぜこんなに美しいんだろう、なぜここに居るんだろうって考えるんですよ。考えても意味のないことをたくさん考えるんです。それに対する自分の解答を得てからこの世界を去りたくて研究していたんですよ。
それが写真を撮っていて、なんで僕はこれを撮りたくなったんだろうとか、なんでこう見せたかったんだろうとかを考えることで"世界を理解したい"みたいなんです。それが文章でやっていたことと全く同じだなって驚いたんですよ。
それに気づいてから「あ、別に区分けする必要ないわ」って思って変わっていったんですよね。

── なるほど。そこからご自身のプロフィールにも「写真家」だけでなく「文学研究者」とも書くようになられたんですね。

別所 そうなんですよ、本名でも勝負するようになりましたし。元々文学研究者として論文にも名前が載っていて検索するとそっちが先に出てきてしまうので、色眼鏡で見られたら嫌だなって隠していたんですけど、結局やってること同じだなって思ったら関係なくなりましたね。


風景写真家 別所隆弘さんの撮影に必須のアイテムとは?


── 今現在の主な使用機材を教えてください。

別所 今現在はNikonのZ8を公私共に使っていて、お仕事でプロモーションをさせていただいたからだけではなく、あれ以上のスペックのカメラは他にないなって思ってプライベートでも使っています。
カメラってある一定期間(1年〜数年とか)持ち続けて格闘することで、やっと手に馴染んで自分のものになっていくと思うんです。当時僕にはハマらなかったCanonのカメラではそれができなかったなと思っていて。
しっかり使い続けようって決めたのがZ8ですね。

── すごく共感できます。確かにどんなにいいカメラでも自分のものとして使いこなすことで自分の写真が撮れるような気がしますよね。

── カメラバッグに入れている欠かせないアイテムはありますか?

別所 僕はね、これからの夏の撮影で絶対に必須なものがあって、虫除けと日焼け止め。
僕は必ず 3・4km離れた山とか展望台のひらけたところから超望遠で花火を撮るのが好きなんです。15〜16時のまだ日が高い時間から1時間半くらいかけて山を登って誰もいないところに行くんですけど夏の虫は本当に強烈で、どれだけベタベタに虫除けを塗っても刺されるんですよ。
毎年一回目の花火撮影で山に入る時にはアナフィラキシーショックみたいな反応を起こして痒くてしんどいんです。だからこれは冗談抜きに命に関わるお話ですね。
命に関わることといえば、あとは熊鈴。山に行くときには3つは持って行きますね。海辺で風景を撮っている人たちはあんまり持っていないものかもしれないですね。

── 夏の虫、想像するだけで恐ろしいですね…!カメラ用品ではなく、ご自身の命を守るためのアイテムが別所さんの撮影では絶対的に必要なのですね!


皆さん、前編いかがでしたでしょうか?
風景写真家さんならではの活動内容や、文学研究者としてもご活躍されてきた別所さんだからこその考え方がたくさんでした!

人物を撮影する私もお話を聞いていて、共感する部分や初めて聞いたようなお話もあり大変新鮮な気持ちでした!

別所さんの作品は、季節や時間帯によって変化する光や色彩が美しく表現され、文学や哲学的なテーマも取り入れられており、見る人の心に深く響きます。別所さんのSNSやnoteでは、別所さんの言葉で写真を読み解いていく記事や投稿がたくさんありますので、是非皆さんチェックしてみてください😌


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note

別所隆弘さんHP

後編の記事ではそんな別所さんの写真作品への想いや風景撮影において大切にしていることなどをお聞きしつつ、カメラストラップのお話までたっぷりお聞きしていきます📸


次の記事もお楽しみに!

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